お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

仏具にはどんな種類があるの?一覧で徹底解説します

葬祭基礎知識

仏具は、専門店だけでなく、ホームセンターやオンラインショップで購入でき、セットで売られている場合もあります。最近ではモダンなデザインからガラスの仏具など、その種類は年々多様化しているので、中には「目にしたことはあるけど、名前は知らない」という仏具もあるかもしれません。

仏具は宗派によって異なるものもあり、初めて仏壇を整える際には迷いやすいポイントです。この記事では、仏具の基本的な種類や役割を分かりやすくご紹介していきます。「何を用意すればいいの?」「どこまでそろえればいいの?」と迷っている方も、ぜひ参考にしてください。

仏具とは

仏具とは、仏様やご先祖様、故人を敬って供養をささげ、お参りするための道具のことです。もともとは僧侶が使用する専門的な道具でしたが、仏壇の普及に伴い、一般家庭でも日常的に使用されるようになりました。

仮仏具と常用仏具

仏具は、使用する時期や目的によって、2種類に大別されます。

・仮仏具:四十九日法要まで、一時的に使用する

・常用仏具:四十九日法要後の忌明け以降、仏壇に安置して日常的に使用する

仮仏具

四十九日法要を終えるまで、後飾り祭壇でお参りする際に使用するのが、仮仏具です。白磁(白い陶器)製が多く、葬儀のセット内容として葬儀社から提供されることがほとんどです。

後飾り祭壇とは、故人の遺骨や白木位牌を祀るための仮設の祭壇です。通常、四十九日法要の納骨をもって役目を終えますが、お墓の準備状況により納骨を延期する場合は、そのまま使い続けることもあります。

常用仏具

四十九日法要以降は、仏壇に安置して日常的に使う常用仏具を使用します。仏壇を新しく用意する場合、四十九日法要に間に合うよう、早めに仏壇と仏具一式を揃えておくのが一般的です。

常用仏具は真鍮(しんちゅう)製や木製、モダンなガラス製など種類が豊富です。長く使い続けるものなので、耐久性に優れた素材を選んだり、仏壇のデザインや部屋の雰囲気に合わせて選んだりするのがよいでしょう。

仏具の種類

仏具は、宗派によって異なるものもあり、専用の仏具や形、色の指定がある場合もあります。事前に確認し、ご自身の宗派に合わせた仏具を揃えましょう。

お供えに使う仏具

仏具には多くの種類がありますが、基本となるのは「五供(ごくう)」と呼ばれる、花・灯明・香・飲食(お米など)・浄水をお供えするための仏具です。

  • 花立(はなたて):お花をお供えするために使用する仏具。仏壇の中段か下段、もしくは膳引き(引き出し部分)に置く。
  • 香炉(こうろ):線香や抹香を焚くための仏具。香炉の中には香炉灰を入れて使用し、近年では香炉石などの天然石を入れる場合もある。仏壇の中段か下段、もしくは膳引きに置く。
  • 火立(ひたて)、ローソク立て:ローソクを立てて、灯りを灯すための仏具。仏壇の中段か下段、もしくは膳引きに置く。
  • 仏器(ぶっき)、仏飯器(ぶっぱんき):ご飯をお供えするための仏具。基本的には炊きたてのご飯をお供えするが、故人がパンを好んでいた場合は、パンをお供えしても問題ないとされることもある。ご本尊と脇仏の前にそれぞれ1つずつお供えするか、湯呑とセットで1つ中段にお供えするのが一般的。
  • 湯呑(ゆのみ)、茶湯器(ちゃとうき):お水やお茶などをお供えするための器。ご本尊の前にお茶を1つお供えする場合と、仏飯器とセットで2つ中段にお供えする場合がある。ただし、浄土真宗では原則としてお茶やお水をお供えしないという作法がある。
  • 仏器膳(ぶっきぜん):仏器や湯呑をお供えする際に使用する膳。仏器膳の上に、湯呑、茶湯器を載せてお供えする。仏壇の中段中央(ご本尊の正面、一段下)に置く。

花立、香炉、火立は「三具足(みつぐそく)」と言われ、基本となる仏具です。法要などの場面や大きな仏壇では、花立と火立を一つずつ増やし、対にした「五具足(ごぐそく)」を飾ることもあります。

お供え物の基本とされる五供については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

お墓参りのお供え物〜食べ物をお供えするときの基本マナー〜

お墓にもある花立。こちらの記事でお手入れ方法まで詳しくご紹介しています。

お墓の「花立」とは?役割・種類・お手入れ方法をご紹介します

お参り・礼拝のための仏具

ここでは、手を合わせて拝む際に、その対象となる仏具をご紹介します。手を合わせる対象となる仏具は、「礼拝仏具(らいはいぶつぐ)」と呼ばれます。これらの仏具は、新しく購入した際に僧侶へ依頼し、魂を宿らせる「開眼供養(かいげんくよう)、魂入れ」という儀式を行うのが一般的です。

三具足が「お参りを行うための最低限の道具」だとすると、礼拝仏具は手を合わせる対象となる、「仏壇の中心」となる仏具ですので、仏壇でお参りをする際には、三具足とあわせて欠かせない存在です。

具体的には、以下のものを指します。

  • ご本尊(ごほんぞん):仏壇の最上段中央にお祀りする、信仰の対象。宗派によって仏像か掛軸かが決まっている場合もある。
  • 脇仏(わきぶつ):ご本尊の両脇にお祀りする、各宗派の開祖や高僧などの掛軸。
  • 位牌(いはい):故人の霊魂が宿る依代(よりしろ)とされる仏具。ご戒名や没年月日などを刻み、上から2段目に、向かって右側(上座)から没年月日の古い順に並べるのが一般的。ただし、浄土真宗では、位牌の代わりに法名軸(ほうみょうじく)が用いられる。

また、礼拝仏具ではありませんが、お参りの際に欠かせないのが「おりん」です。

  • おりん:お経の始まりや終わり、読経の際に鳴らす仏具。澄んだ音色には、邪気を払い、供養の祈りを極楽浄土まで届ける意味があると言われている。おりん、りん布団、りん台、りん棒のセットで、仏壇の右側に置くのが一般的。

位牌について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

仮位牌と本位牌の違いとは?お墓に安置できる?位牌について解説します

お供え物をより多くお供えするための仏具

必須ではありませんが、仏壇にご飯やお水やお茶以外の供物をお供えする場合には、次のような仏具があると便利です。

  • 高杯(たかつき/たかはい):お菓子や果物などをお供えするときに使用する脚がついた仏具。お盆や法要時に使われる事も多いので用意しておくと便利。仏壇の下段に、左右一対で飾るのが一般的。仏壇のスペースによっては1つだけ置く場合もある。
  • 供物机(くもつづくえ):お供え物を置く専用の机。仏壇の中にお供え物が入りきらない場合や、お盆・法要などで特別なお供えをする際に使用する。

仏壇を荘厳(しょうごん)する仏具

荘厳とは、仏具を用いて仏壇を美しく整え、飾り付けることを指し、仏具によって仏壇が荘厳された状態は、仏様の浄土の世界を表すとも言われています。

ここからは、仏壇を荘厳するための飾り、装飾の仏具をご紹介します。

  • 常花(じょうか):お浄土に咲く金色の蓮を表す仏具。ご本尊の両脇、またはお仏壇の中段などに、左右一対でお飾りするのが一般的。ただし、浄土真宗では原則として常花は用いない。
  • 吊灯篭(つりどうろう):仏像、位牌を明るく照らすための仏具。仏壇の天井から吊り下げる形で飾る。
  • 瓔珞(ようらく):西本願寺派の寺院や仏壇で、本尊が安置してあるところの屋根に吊す装飾の仏具。阿弥陀様を安置する空殿に取り付ける。浄土真宗大谷(東本願寺)派では、輪灯の上に取り付けて使う輪灯瓔珞を用いる。
  • 幢幡 (どうばん):浄土真宗以外のお寺の本堂で、本尊の周りに天井から金色の筒状の装飾に瓔珞が垂れ下がった仏具。

浄土真宗で使われる主な仏具

浄土真宗は、お水をお供えしない、位牌の代わりに法名軸を使うなど、独自の作法があるため専用の仏具が用いられます。ここでは、浄土真宗で主に使用される代表的な仏具をご紹介します。

  • 法名軸(ほうみょうじく):無地の掛軸に、法名を記してお祀りするための仏具。仏壇の内壁に掛ける。浄土真宗では原則として位牌を用いず、この法名軸か過去帳を用いる。
  • 過去帳(かこちょう)、過去帳見台(けんだい):故人の法名や没年月日を記す帳面と、それを置くための台。仏壇の下段などに置く。
  • 供笥(くげ):お餅やお菓子をお供えするための器。お供え物を盛る上部が金色の花びらのような形をしている。
  • 段盛(だんもり):数段ある供物台で高月や供笥と同じく左右一対で使う。仏壇にお菓子などをお供えする際に用いられる。

安全・日常管理のための仏具

火の用心や、お参りの際にあると便利な仏具を紹介します。

  • 仏壇マット:火災や汚れ防止のために仏具の下に敷くマット。仏壇の大きさに合わせてカットして使用できるタイプもある。仏壇の膳引きに敷いて使用する。
  • 線香差(せんこうさし):線香を使いやすいよう差しておくための仏具。三具足の脇など、線香が取り出しやすい場所に置く。
  • 火消し(ローソク消し):ローソクの火を消すための仏具。火立(ローソク立て)の脇など、使用しやすい場所に置く。
  • マッチのカス入れ:ローソクに火をつけるために使用したマッチを入れる仏具。火立、ローソク立ての脇など、使用しやすい場所に置く。

法要や行事の際に使う仏具

普段は使用しませんが、法要や行事などの特別な時に使用する仏具をご紹介します。

  • 霊供膳(れいぐぜん、りょうぐぜん):お盆や法要の際に、精進料理をお供えするためのお膳。浄土真宗以外の宗派で用い、仏様、ご先祖様、故人にご飯、汁物、おかずをお供えする。
  • 打敷(うちしき):宗派ごとの紋が入った仏壇の中に飾る三角形、または四角形の金襴の布の仏具。「内敷」とも書く。法要やお彼岸などの節目で使用する。仏壇の中段か下段、膳引き部分に掛けて(または仏具の下に敷いて)使用する。
  • 焼香炉(しょうこうろ):お焼香(抹香)を焚くための仏具。灰を入れて、その上に熱した炭を置き、上から抹香を振り掛けて使用する。焼香台(足付きやお盆タイプのもの)に置く。
  • 経机(きょうづくえ):経本や経典を読む際に使用する机。現在では香炉や花瓶、ろうそく立てなどを置いて使用する場合もある。
  • 導師布団(どうしぶとん):ご自宅に僧侶をお招きして法要を営む際に使用する座布団。一般的な座布団よりもひと回り大きく作られている。仏壇の前の床に置く。
  • 鏧子(けいす):読経の開始や区切りを知らせるために叩く、大きな鉢型のおりん。ほとんどの宗派で使われるが、浄土真宗の寺院で最も広く使用される。実は、おりんは鏧子を家庭用に小型化した仏具。
  • 木魚、木柾(もくしょう) :読経のリズムを整えるために叩く仏具。禅宗や浄土宗では「木魚」、日蓮宗では「木柾」を使用する。

必ずしもこちらでご紹介した仏具すべてを準備する必要はありません。仏壇の大きさやどんな供養をしたいかによって、無理のない範囲で仏具を選ぶとよいでしょう。

まとめ

聞きなじみのあるものから、初めて知った仏具もあったのではないでしょうか。

仏具は、お供え・礼拝・装飾・法要など、それぞれに役割があり、目的によって必要なものが異なります。宗派や仏壇の大きさ、どのような供養をしたいかによっても、揃える仏具は変わってきます。すべてを一度に完璧にそろえる必要はなく、基本となる三具足、礼拝仏具を中心に、ご家庭の状況に合わせて少しずつ整えていくことが大切です。

迷った場合は、仏具店やお寺に相談しながら進めると安心です。

ご先祖様や故人を想う気持ちを大切に、無理のない形でお参りの環境を整えていきましょう。

仏具を選んだり仏壇を整えたりする時間は、ご先祖様や故人に思いを馳せる大切なひとときでもあります。日々の手を合わせる習慣とあわせて、心を落ち着ける時間として向き合ってみてください。ご先祖様や故人にご挨拶をしたくなったときは、ぜひお墓にも足を運んでみてください。