お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

コロナ禍で増加。香典を郵送する際に注意すべき点とは

葬祭基礎知識

コロナ禍で増加。香典を郵送する際に注意すべき点とは

香典は、通夜や葬儀に参列する際に持参するのが一般的です。
しかし、仕事の都合や遠方に住んでいるなどの理由で、参列できない場合もあるでしょう。

また、昨今では新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、密をさけるため通夜や葬儀の人数が制限される場合もあり、そのため、故人と親しい間柄であったとしても、通夜や葬儀に参列できないケースが出てきています。
香典を持参できない際に、現金書留などで郵送する場面もあるかと思いますが、「マナー違反ではないのか?」と思われる方もきっといらっしゃるでしょう。

実際のところ、問題はないのでしょうか。
そして、もし郵送する場合はどういった点に注意すべきでしょうか。

そもそも香典は郵送してもよいものなのか?

通夜や葬儀などの弔事に参列する際、線香や花の代わりに故人の霊前にお供えするお金のことを「香典」といいます。
正式には「香奠」と書き、「奠」は「神仏に供え物をする」という意味です。
また「香」は「お香・線香」という意味で、本来は「お香をお供えする」という意味合いとなります。ただし「奠」は常用漢字ではないため、「香典」という字が広く使われています。
香典は弔意を表し遺族にお渡しするものですので、弔電と同様に香典も郵送して構いません。ただし、現金を郵送する場合は注意が必要です。

現金書留専用封筒を使う

郵便法第17条で「現金又は郵便約款の定める貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留の郵便物としなければならない。」と定められ、違反した場合直接の罰則はないものの、現金を普通郵便で送ることは禁止されています。
したがって、香典を郵送する場合は「現金書留専用封筒」を使います。
香典を現金書留専用封筒に入れる場合は、直接現金を入れてはいけません。必ず香典袋(不祝儀袋)に現金を納めて、香典袋ごと現金書留専用封筒に入れます。つまり、現金書留専用封筒は、香典袋がまるまる入る大きさのものが必要です。
なお、現金書留をポストへ投函することはできません。郵便局窓口のみでの受付となります。

郵送の仕方

葬儀会場に送る場合は宛名を以下のようにします。

 ①喪主の名前がわかっている場合
  ○○会館(斎場名) ▲▲家 ▲▲太郎(喪主の名前)様

 ②喪主の名前がわからない場合
  ○○会館(斎場名) ▲▲家 ご遺族様

なお、現金書留は日付指定で送ることができません。
そのため、お通夜や葬儀・告別式まで時間がある場合のみ、宛先を葬儀会場にします。

ただし、葬儀会場によっては郵送された香典(現金書留)の代理受け取りができない場合があります。事前の確認をしてから郵送しましょう。
通夜、葬儀・告別式に間に合わない場合は、葬儀の2~3日後から1週間を目安に、喪主のご自宅に郵送します。葬儀の直前や直後のご遺族は大変慌ただしく、書留の受け取りは難しいものです。

お悔やみの手紙を添える

香典を郵送する際、お悔やみの手紙を添えるとより丁寧な印象になります。
必ず添えなければならないというものではありませんが、お悔やみの気持ちをきちんと伝えることができるので、添えることをおすすめします。

以下の点を注意して、香典に添える手紙を書いてみましょう。

<手紙を書く前に・・・>
・白い縦書き便箋、一重の封筒 を用意する
・薄墨のペンや万年筆を使用する

<手紙の内容>
・時候の挨拶は必要ありません
・ご遺族と面識がない場合は故人との関係を書く
・故人様を悼む気持ちやご遺族を慰める言葉を書く
・ご葬儀に参列できない旨を詫びる言葉を書く
・香典を同封している事を書く

<忌み言葉>
・忌み言葉は使用しない 

不幸が繰り返されることを連想させる重ね言葉
→重ね重ね/ますます/度々/次々/再三 など

不幸が連続することを連想させる言葉
→続いて/引き続き/また/再び/追って など

生死を直接的に表現する言葉
→死ぬ/死亡/急死/生きる/生存 など

不吉なイメージを想起させる言葉
→浮かばれない/消える/迷う/四/九 など

 <例文>
・遠方のため参列できない場合
○○様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。本来であればご葬儀に参列すべきところですが、遠方にてかなわず、誠に申し訳ございません。心ばかりではありますが、ご香典を同封いたしますので、ご霊前にお供えくださいますようお願い申し上げます。

・コロナ禍のため参列を自粛した場合
○○様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。本来であればご葬儀に参列すべきところですが、昨今の状況を鑑み、葬儀への参列をご遠慮した次第です。
ご家族の皆様の悲しみはいかばかりかと心が痛みます。くれぐれもご自愛くださいませ。心ばかりはありますが、ご香典を同封いたしました。ご霊前にお供えいただければと存じます。

まとめ

様々な理由で、不本意ながらも通夜や葬儀・告別式の参列ができない場合は、香典を郵送することがお悔やみの気持ちを伝えるひとつの方法となります。
今回ご紹介した点を踏まえ、お悔やみの気持ちをきちんとご遺族にお伝えいただけましたら幸いです。
なお香典に関しましては、こちらの記事もご覧ください。
◆家族葬ならではの香典のマナーを解説します

◆御霊前の書き方・入れ方・包み方などを詳しく解説

キリスト教の葬儀に招かれたら…服装や香典について解説