お役立ちコラム お墓の色々
お役立ちコラム お墓の色々
- 供養をきわめる -
友人・知人の命日、どうすればいい?マナーや注意点を徹底解説
命日は故人が亡くなった日で、同月同日を祥月命日(しょうつきめいにち)、そのほかの月の同日を月命日といいます。遺族は祥月命日に一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌…と法要を行うのが一般的です。故人と関係性の深い友人や知人としては、なおさら故人を偲び、ご供養の気持ちを表したいものです。今回は知人・友人のお墓参りや弔問の段取りのほか、遺族に配慮することやご挨拶の際のマナーなどをお教えします。
友人・知人の命日に行うこと
通常、命日には年数に合わせて法要が行われますが、法要に招かれるのは親族のみであることが多いです。ただ、友人・知人として招待されていなくても参加したい場合もあるでしょう。一周忌以降であれば、ある程度状況も落ち着いているでしょうから、事前に遺族に連絡をし、法要に参列したい旨を伝えてみましょう。もし遺族が友人・知人の法要への参列を辞退されている場合は、慮って別の日にお墓参りや弔問に訪れるようにしてください。また、遠方でお墓や自宅まで伺えない場合は、お手紙を添えて贈り物をするなどでご供養の気持ちを伝えることができます。
事前連絡をする
初めてお墓や仏壇にお参りする場合、事前に遺族に連絡するべきです。遺族と顔見知りであったとしても、急に自宅に来られては困る場合もあるでしょうし、お墓に誰が飾ったかわからない花や知らない供物があると、遺族としては不審に思ってしまいます。故人との関係性を伝えた上で、お墓参りに行きたい旨、また自宅に伺って仏壇にお参りしたいなどと相談しましょう。電話での連絡が好ましいですが、電話番号を知らない場合は手紙やLINE、SNSのDMでの連絡でも良いでしょう。お墓や仏壇にお参りしたい旨と、自身の電話番号などの連絡先を書き添えます。
遺族の自宅に伺い仏壇に手を合わせ、故人を偲びお悔やみの気持ちを伝えることを弔問といいます。ご自宅にお邪魔するわけですから、お墓参りの際よりもさらに連絡のタイミングに注意を払う必要があります。充分に日程に余裕をもって、遺族にお伺いの連絡をするようにしましょう。特に法要を行う年の場合は準備に追われるため、法要が終わってひと段落したと思われる頃に自宅へ伺う段取りにすることをおすすめします。遺族のご意向を汲むことが非常に大切ですので、十分に配慮し、弔問を辞退されている場合は無理に伺おうとするのは控えたほうがよいです。
仏壇にお参りする
自宅に伺ったら仏前で遺族にお供え物を渡し、仏前で線香をあげます。故人との思い出話や、故人への想いを話したりします。故人の写真があれば、持って行ってその時の話をするのも良いでしょう。決して長居はせず、遺族の手を煩わせないことが大切です。お墓参りに行く場合も、できればまず弔問してからが望ましいです。
お墓参りに行く
遺族の都合にあまり左右されずに供養ができるのがお墓参りです。線香や花、水、食べ物といったお供え物を持ってお墓参りをしましょう。お供えした食べものはそのままにして帰ることはせず、片付けるようにします。
一度遺族に連絡してお墓参りに訪れたら、それ以降は遺族への連絡は基本的には不要です。命日当日に訪れる都合がつかない場合は、命日より早くお墓参りに訪れるようにするのがよいとされています。
贈り物をする
遠方や多忙につき、お墓参りや弔問が難しい場合は、贈り物にお手紙を添えて送ると良いでしょう。直接訪れることができない中でも、故人を偲んでいることを遺族に伝えることができます。
お参りの際の服装
法要の当日でなければ、お墓参り、弔問ともに服装に厳格なルールはありません。喪服である必要もなく、カジュアルな服装で問題ありませんが、いくつか注意する点があります。あくまでも故人を偲び、お悔やみの気持ちを伝える目的であるため、華美な服装は不適切です。明るい色や派手なデザイン、露出の多い服装はさけるようにしましょう。また、強い香りの香水や化粧品も使用するのは控えたほうが無難です。遺族から不快な印象を持たれないような服装を心がけることが必要です。
また、お墓へ歩いて向かう場合を考えて、あまりヒールの高い靴や歩きにくい靴は避けた方が良いでしょう。サンダルもカジュアルすぎるので、お墓参りには不適切です。帽子は着用しても問題ありませんが、お墓や仏壇の前で手を合わせる際は取りましょう。
香典は必要?
葬儀や通夜とは違い、弔問の際にお香典は必要ありません。代わりにお供え物を持って伺うのが一般的です。多くはありませんが、遺族との関係性によってはお供え物として現金を贈る場合もあります。このように、法要や追善供養の際に渡すお金を御供物料と言います。金額は故人との関係性によって変わりますが、知人や友人という立場であれば3~5千円程度が妥当です。
お供え物はどんなものがよい?
お供え物は、故人の好きだったものを持って行くなどするのがおすすめですが、その中でも選ぶポイントがあります。基本的には、食べ物やご供養に使える線香、花など手元に残らないものが無難です。お供えされた後は遺族に食べてもらったり使ってもらったりするため、遺族の住宅環境や家族構成に合ったものを送りましょう。常温保存が可能で日持ちがするものが良いでしょう。食べ物の中でも殺生を想起させる肉や魚はよろしくないとされています。また、お供え物の数にも気を配りましょう。4や9などの縁起の良くない数字を除き、奇数で用意するのがマナーです。お供え物の定番をご紹介します。
お菓子
クリームを使用したものやお団子などの生菓子は避け、分けやすく一度に食べてしまわなくても良い個包装のものを用意すると良いでしょう。夏ならゼリー、冬ならお煎餅など、季節感を感じさせるものもおすすめです。小さなお子さんがいるようであれば、お子さんも食べられるようなお菓子を、年配の遺族であれば和菓子など、遺族の年代にも合わせて選ぶようにします。
線香
毎日のように仏壇に使用する線香も、お供え物の定番です。遺族の健康や、近隣に配慮して煙の少なく、香りが弱いタイプの線香にすると良いでしょう。最近は香炉のお手入れがしやすい、灰が少ない線香もあります。美しい絵柄の入ったろうそくと線香がセットになったものもおすすめです。
花
トゲのない花、香りの強くない花を選ぶと良いでしょう。菊、リンドウ、カーネーション、ユリなどがおすすめです。色は白や淡い色でまとめるのが望ましいです。故人が好きだった花を入れるのも良いでしょう。鉢植えは避けたほうが良いとされています。仏教では鉢植えの中の肥料を不浄なものとする考えがあるため、信仰の厚い方にはお供え物の鉢植えはタブーだとされることがあります。
果物
常温でも傷みにくく、日持ちのする果物を選びます。リンゴやメロン、小玉スイカ、オレンジなど、皮が固く汁が出にくいものがおすすめです。反対にイチゴやバナナなどは傷みやすいのでお供え物としては不向きと言えます。
必須というわけではありませんが、箱詰めや籠盛りにしてもらうと見栄えが良くなります。
お供え物の渡し方
お供え物を渡す際は、中身が見えないように包装されたものを、風呂敷で包む、紙袋に入れるなどして持参します。ご自宅に上がらせてもらったら、仏前にいきなり置くのではなく、遺族に手渡しましょう。風呂敷や紙袋から出したものを、「こちらをご仏前にお供えください」と一言添えて渡します。お供え物を包んでいた風呂敷、紙袋は持ち帰りましょう。
命日にかけるべき言葉
追悼の言葉は長々とならないように伝えるのが望ましいです。「〇〇様の命日にあたり、ご冥福をお祈りいたします」「謹んでお悔やみ申し上げます」といったような言葉を、遺族に出迎えていただいた際に伝えましょう。
縁起の悪いとされる「忌み言葉」も使うのを避けます。「死」という字が入った言葉や「生きている」といった表現は直接的すぎるので「お亡くなりになった」「他界された」、「生前」「お元気な頃」といった表現に言い換えます。
また不幸が重なることを想起させるような「重ねる」「度々」「益々」「いよいよ」「いろいろ」と言った言葉も不適切ですので、使わないようにしましょう。
知人・友人の命日には故人を偲びましょう
親族としての立場と、知人・友人としての立場では、マナーや行いが違う部分があります。あくまでも遺族の状況や気持ち、ご意向を最優先に考えて故人の供養をするようにしましょう。弔問に訪れるのは遺族の手を煩わせることも多いのに対し、お墓参りは時期を選ばずにいつでも故人を供養できます。命日当日でなくとも、時間が空いた時や故人に語り掛けたい節目節目など、時々でもいいのでお墓を訪れて手を合わせればきっと故人もよろこんでくれることでしょう。供養の意味やお墓参りのマナーについて、まとめた記事もありますので合わせてご覧ください。
◆そもそもご供養の意味とは?
◆お墓参りの基本や作法を改めて押さえておきましょう
◆【保存版】お墓参りのマナーや常識 5つのポイント
◆お墓参りのお供え物~食べ物をお供えするときの基本マナー~