お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
年末年始にお墓参りをしてもいいの?
お墓参りの適期と言えば、お盆やお彼岸、故人の命日が代表的ですが、家族みんなが集まる年末年始も良い時期です。「喪中は年賀状を送らない」という慣わしから、なんとなく相性の悪いイメージを抱いていた方もいるかもしれませんが、仏教の教えではお墓参りが禁止されている日はありません。「縁起が悪い」ということもありません。
年末年始のお参りは、一年の締めくくりや年の初めに気持ちを整える良い機会になります。本記事では、年末年始のお墓参りの良いところ、注意点、もし引き止められた場合についてご紹介します。お墓参りは心を穏やかにしてくれますので、一年の節目にはピッタリです。
年末年始のお墓参りならではの「良いところ」
年末年始それぞれのお墓参りの良いところについて紹介します。
年末のお墓参りの良いところ
「一年の締めくくり」や「一年間、無事に暮らせたお礼」としてお墓参りにでかける方が多いようです。また、年末の大掃除の一環としてお墓の掃除をする方もいます。地域にもよりますが、空気が乾燥している冬は晴れる日が多いので、お墓の掃除にも向いている時期です。
年始のお墓参りの良いところ
「新年の挨拶」や「今年の抱負をご先祖様に誓う場」としてお墓参りに行く方がいらっしゃいます。お正月らしく、すがすがしい気分でお墓参りができると思われます。また、普段はお墓参りになかなか行けない方も時間が取りやすい時期でしょう。お墓参りからの初詣を、お正月の恒例行事にしているご家庭も多いようです。
年末年始のお墓参りは"5つのこと"に気をつけて行きましょう
年末年始のお墓参りには、お盆やお彼岸のお墓参りとは様子が異なる点もありますが、事前に把握していれば対策可能なものです。夏や秋とは異なる、冬のキリっとした空気のお墓に、思わず背筋も伸びるでしょう。その厳かな雰囲気は、一年の振り返りにも、新年の抱負を誓うのにも、ふさわしい場になります。
①「ついで参り」を気にされる方もいます。
「ついで参り」とは、他の予定と一緒にお墓やお寺、神社などにお参りする行為です。ついで参りを、ご先祖様や仏様、神様に対して失礼な行為とみなす人もいなす。ご家族やご親戚、地域によっては、初詣と一緒にお墓参りをすることを嫌がる人もいるかもしれません。
ただし、ついで参りの良し悪しは、僧侶によって意見が分かれることもあるようです。「気持ちがこもっていれば、ついで参りでも構わない」という意見もあります。
②足元にお気をつけください
年末年始にはすでに雪が積もっている地域もあります。また、雪が無くても、凍結している可能性もあります。特にお墓の敷石は、凍結すると滑りやすいのでご注意ください。
日がしっかり昇っている時間帯にお参りし、足元に気をつけてゆっくり歩くように心がけましょう。
③防寒対策が必須です
年末年始のお墓参りは、寒さ対策が欠かせません。日陰や山間の墓地・霊園はさらに寒さが厳しいです。
暖かい服装でお参りしましょう。一枚重ね着できるものや、手袋やマフラーなども用意しておくと安心です。
④余裕をもったスケジュールで
年末年始のお墓参りは「日の短さ」にもご注意ください。例えば、1月1日の日没時刻は、日の短い北海道では16時10分頃です。日の長い沖縄でも18時前には日没となります。山間の墓地・霊園ではさらに早く暗くなるでしょう。
年末年始のお墓参りは、日が昇りきる9時頃から、遅くとも15時ぐらいまでには済ませるのがおすすめです。日が出ているうちにお参りができれば、寒さ対策にもなります。
⑤交通手段や墓地・霊園の「特別運営」に注意
墓地や霊園は年末年始も開いているところが多いですが、開門・閉門時間が異なる可能性があります。三が日の間は管理事務所が閉まっていることも多く、お花やお線香が現地で買えない可能性もあります。また、最寄り駅から墓地・霊園までのバスのダイヤが普段と違うこともあります。
通い慣れた墓地でも、こういった情報はあらためて調べてから向かいましょう。
もし年末年始のお墓参りを引き止められたら
ご家族やご親戚に「年末年始には行くべきでない」と考える方がいる場合や、地域のしきたりで決まっている場合もあります。
仏教では、祥月命日、お盆やお彼岸など、「お墓参りを勧められている日」はあります。一方、「避けるべき日」は特にありません。お墓参り自体も縁起が悪いことではありませんし、むしろご供養は進んで行うべきことです。ですから、年末年始のお墓参りに問題はありません。
ただし、年末年始のお墓参りを避ける人には、地域や家の独自の理由があると思われます。仮にあなたご自身がおかしいと感じても、その方にとっては守ってきたしきたりですので、無理やり連れていったりしないようにお気をつけください。
年末年始もぜひお墓参りを
お墓の前で一年を振り返ると、そもそも自分が生まれてきたことへの感謝とご先祖様への尊敬の念が自ずと湧いてくることでしょう。また、お墓の前で誓う新年の抱負は、一層決意も固くなりますし、ご先祖さまも温かく見守って下さることでしょう。
お墓参りは何回行ってもよいものです。年末年始も、ぜひご先祖様へご挨拶に行きましょう。