お役立ちコラム お墓の色々

お役立ちコラム お墓の色々

- 供養をきわめる -

お盆の由来、知っておきたい5つのこと

供養・埋葬・風習コラム

お盆の由来、知っておきたい5つのこと

夏の風物詩・お盆。家族揃ってお墓参りをし、提灯や精霊馬を飾って、故人や先祖の霊をお迎えします。この日本人に深く親しまれている「お盆」という年中行事は、いつから始まり、どのような由来があるのでしょうか。今回はお盆の由来について「知っておきたい5つのこと」としてご紹介していきます。

①お盆の正式名称は?

お盆のことを正しくは「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、その起源は『盂蘭盆経(うらぼんぎょう)』という仏教教典にあるといわれています。
お釈迦さまの弟子のひとりである目連(もくれん)尊者は、自らの神通力で、亡くなった自分の母親の姿を探したところ、餓鬼の世界に堕ち、まるで逆さまに吊るされているような大変な苦しみを受けていることを知ります。食物が口に入る前に炭火となって燃えてしまい、喉を枯らし飢えている母親をなんとか助けたいと思い、目連尊者はお釈迦さまに相談すると「夏の修行を終える7月15日に、すべての修行僧に食べ物や飲み物を施せば、その功徳により母を救うことができよう」と説かれます。目連尊者が、教えに従い実行すると、その功徳で母親は極楽往生を遂げたそうです。
この亡き母への供養の言い伝えが日本に伝わり、旧暦の7月15日に先祖供養の行事として、盂蘭盆会が行われるようになったといわれています。

②盂蘭盆会の語源は?

盂蘭盆の語源は諸説あります。
中でも、サンスクリット語の「ウラバンナ」が有力視されています。ウラバンナの意味は「逆さまに吊るされているような大変な苦しみ」です。
その他には、ペルシャ語の「ウラヴァン」が由来との説もあります。意味は「霊魂」です。イランでは死者の魂を祀る時に、杜松(ねず)というヒノキ科の針葉樹を燃やし、先祖の霊はその香をたよりに子孫の家に帰って来ると信じられていました。この行事が中国に入り、道教や仏教と結びつき、後に日本に伝わりお盆の起源になったともいわれています。
また「お盆」という言葉は「盂蘭盆会」だけでなく「盆礼」という行事に由来しているという説もあります。お盆の始まりとされる7世紀ごろ、祖先崇拝の信仰(祖霊祭)である「盆礼」と「盂蘭盆会」が合わさり、先祖を供養する仏教行事という現在の形になったそうです。

③お盆はいつから始まった?

日本におけるお盆の記録は、奈良時代に完成した歴史書「日本書紀」で確認できます。それによると、推古天皇の606年から寺ごとに4月8日と7月15日に斎会をすることになったと記されてあります。4月8日はお釈迦さまが生誕した日であり、明確な記載はないものの7月15日にも何らかの仏教行事が行われたと考えられます。
また斉明天皇の657年には、仏教世界の中心にあるとされる須弥山(しゅみせん)の像を、飛鳥寺の西につくって盂蘭盆会を設けたと記されています。宮中の行事としてお盆を行うようになったのは聖武天皇の733年とされ、これ以降は、恒例の仏教行事として供養が毎年行われるようになり、その後、貴族社会や武家社会へと広がっていきました。こうして見てみると、お盆の歴史は相当に長いことがわかります。

④お盆はどうやって一般の人々に広まった?

江戸時代以前は、お盆は貴族や武士、僧侶などの上流階級の行事でしたが、江戸時代になり庶民の間にも広まります。もともと秋の初めに先祖の霊を祀る行事が一般の人々の間では行われていましたが、仏教と結びつき、仏教が庶民の間に拡がるとともに、現在のような先祖を祀る仏教行事としてのお盆が広く普及したのです。
お盆が広まった別の理由に、「ロウソクの普及」があるといわれています。仏壇や提灯に欠かせないロウソクは、昔は高価なもので庶民には手が届きませんでした。しかし、江戸時代になりロウソクが大量に生産され、価格も安くなったことで、庶民の間にも広がり、ロウソクの普及と共にお盆の風習も広がりました。

⑤盆踊りにも由来はあるの?

様々なあるお盆の行事の中に「盆踊り」があります。一説には、『盂蘭盆経(うらぼんぎょう)』の中で、餓鬼の世界から母親を救い極楽往生を遂げた時、目連尊者はその喜びを体中で表現し座を立って大衆と共に踊った事が、盆踊りのルーツであるといわれています。
その他、平安時代の僧・空也上人の踊念仏が民間習俗と1つになって念仏踊りとなり、盆踊となった説もあります。盆踊りでは、中央にやぐらが組まれますが、このやぐらにはたくさんの提灯が取り付けられることで、迎え火や送り火に見立てているといわれ、精霊を迎える、故人や先祖を供養する行事として定着していきました。

以上、お盆の由来についての「知っておきたい5つのこと」をご紹介いたしました。お盆のルーツには、目連尊者の亡き母を想う心がありました。目連尊者のように、お盆には故郷に帰省し、故人や先祖に思いをはせる方も多いことでしょう。お墓や仏壇に手をあわせることで、自分と故人・先祖とのつながりを感じることができます。故人や先祖に感謝を伝えるとともに、今の自分と向き合う機会にもなるお盆の風習を、これからも大切にして次の代にも伝えていきたいものですね。