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指定石材店制度とは?取り入れられた理由と共にメリット・デメリットを解説

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指定石材店制度とは?取り入れられた理由と共にメリット・デメリットを解説

「指定石材店制度」について耳にしたことが無い方もいらっしゃるのではないでしょうか。寺院墓地や民営霊園でお墓を建てることを検討する際「指定石材店制度」について知っておくと、選びやすいかもしれません。

今回は指定石材店制度が取り入れられた背景を解説すると共に、メリット・デメリットについてもご紹介します。指定石材店制度について知ったうえで、ご希望の墓地・霊園を選ぶようにしましょう。

できる限り公平中立な立場で書いていきますので、寺院墓地や民営霊園でお墓を建てることを検討している方は、ご一読いただけますと幸いです。

指定石材店制度とは?取り入れられた背景はなに?

「指定石材店制度」とは、その墓地や霊園で墓石を建てられる石材店があらかじめ限定されている制度です。

公営霊園には指定石材店制度はありません。指定石材店制度があるのは民営霊園と寺院墓地のみです。

では、指定石材店制度が取り入れられた背景は何でしょうか。民営霊園・寺院墓地それぞれについて詳しくご紹介します。

民営霊園の指定石材店制度

霊園の開発や管理・運営には多くの資金と手間がかかるため、単独で行うのは困難な場合が多いです。民営霊園は宗教法人や公益法人が経営し、民間業者に委託して管理・運営しているため、両者が協力して民営霊園を開園するのが一般的です。

霊園を管理・運営している民間業者の中には石材店も含まれています。そのため、民営霊園が開発に協力してくれた石材店に対し、墓石を優先的に販売できるようにしたのです。これが、指定石材店制度の始まりといわれています。その後、墓地・霊園の需要に後押しされるように指定石材店制度は普及していきました。

気になる民営霊園がある場合は、指定石材店制度の有無やどんな石材店が指定されているのか調べておくとよいかもしれません。

寺院墓地の指定石材店制度

寺院墓地によっては、不慣れな業者によって墓石工事が行われ、寺院内を荒らされたくないとの考えがあるようです。そのため、石材や施工の品質維持の面から、信頼できる石材店のみ指定している場合があります。また、信頼できる指定石材店に墓石の建立や管理を任せることで寺院内の環境維持がしやすくなり、住職が安心して供養や祈りといった本来の業務に集中できるという側面もあります。

寺院墓地によって、指定石材店制度がある場所とない場所があります。気になる寺院墓地がある場合は制度の有無も確認するとよいでしょう。

指定石材店制度のメリット・デメリットは?

指定石材店制度にはメリット・デメリットがあります。事前に把握しておくことで、トラブルを減らせるかもしれません。
寺院墓地・民営霊園選びの参考にしていただければ幸いです。

指定石材店制度のメリット

指定石材店制度は利用する方にもメリットがあります。メリットを最大限に生かして指定石材店制度を利用するのもよいかもしれません。
ここでは、指定石材店制度のメリットを3つご紹介します。

景観に統一感がある

墓所には、供養の場としてふさわしい「雰囲気」を求める方が多くいらっしゃいます。

指定石材店のみが墓石を建てる場所では、寺院墓地・民営霊園内に整理された統一感があります。しかし、さまざまな石材店が出入りできるところは、同じ区画内でも不揃いな雰囲気になるかもしれません。その点で、指定石材店制度のある寺院墓地・民営霊園は、景観の統一感や雰囲気を気にする方にはメリットとなるのではないでしょうか。

工事のクオリティが高い

寺院や霊園と信頼関係があるため、工事を丁寧に行っている業者が多いです。さらに、墓石を建てた後にトラブルがある場合は、迅速に対応してくれる可能性が高いです。

また、指定石材店の工事の質を確認したい方には、寺院墓地や民営霊園の見学の際に、お墓の状態を自分の目で確かめられるのもメリットの1つかもしれません。

管理体制やサービスの質が高い

指定石材店制度のある寺院墓地では住職は祈りや供養を、石材店が墓石の管理ができるため、それぞれの品質が高くなります。また、民営霊園では管理・運営しているのが石材店となるため、墓石の管理体制やサービスの品質が必然的に高くなります。

墓石に対して安定した質の高いサービスを受けたい方は、指定石材店制度はメリットとなるでしょう。

指定石材店制度のデメリット

デメリットを事前に把握することで対処法を検討できるかもしれません。

石材店はお墓を建てた後に、アフターケアなどで長い付き合いになるので、事前に知識を身につけて慎重に選ぶようにしましょう。

以下で指定石材店制度のデメリットを3つご紹介します。

石材店を自由に選べない

指定石材店制度は、利用する寺院墓地・民営霊園が導入していた場合、必ず利用しなければならない制度です。そのため、もし親族に石材店を経営している方がいる場合でも、指定石材店を利用しなければいけないので、不便に感じるかもしれません。

ご希望の石材店がある方は、寺院墓地・民営霊園を決める前に石材店に相談することをおすすめします。

墓石のデザインが希望に沿わない可能性がある

指定石材店では、墓石のデザインがご希望に沿わない場合があります。指定石材店では建てられない墓石をご希望の方は、不便に感じるかもしれません。

寺院墓地・民営霊園でお墓を建てる予定の方は、あらかじめご希望の寺院墓地・民営霊園の指定石材店で建てられるお墓のデザインを調べることをおすすめします。

相場がわかりづらい

指定石材店制度がある場合、他社との相見積もりができないため、相場よりも高いのか安いのか分かりづらいことがあります。

指定石材店制度のある寺院墓地や民営霊園でお墓を建てる際は、あらかじめ墓石の相場を調べたり、周りの方に相談したりすることで、納得できるお墓づくりを進めましょう。

指定石材店制度がある寺院墓地・民営霊園の選び方

寺院墓地や民営霊園を決める際は、以下2つの方法があります。

・寺院墓地や民営霊園に直接訪れる
・ご希望の石材店に相談して紹介してもらう

もし、石材店を通さずに直接現地を見学すると、ご案内した石材店に決定するため途中で違う石材店に変更することができない場合が多いです。そのため、指定石材店制度がない寺院墓地・民営霊園はもちろん、指定石材店制度のある場所では、まず石材店選びから始めるのをおすすめします。

墓地・霊園選びを検討する際の注意点も以前に解説しておりますので、こちらもご参考にしてください。
墓地・霊園を契約する際の注意点を解説します
あなたにぴったりな墓地・霊園の選び方

石材店について詳しく知りたい方は、こちらもあわせてお読みください。
石材店はどう選ぶ? 注目すべき5つのポイント

指定石材店制度の有無に関わらず、お墓を建てる場所を選ぶ際はメリット・デメリットを把握したうえで慎重に検討しましょう。

ご希望に合った墓地・霊園を選びましょう

寺院墓地や民営霊園を選ぶ際は、「指定石材店制度」の有無や内容について理解してから検討しましょう。

まずは指定石材店制度に関わらず、ご希望の石材店を選ぶことから始めるとよいかもしれません。ご希望の石材店と相談することで、プロ目線の助言をもとに寺院墓地・民営霊園の候補を決定できるでしょう。

いずれにしても、石材店や墓地・霊園を選ぶには、いくつか候補を挙げてから比較・検討するのをおすすめします。お墓きわめびとの会では全国の石材店や墓地・霊園をご紹介しております。お墓を建てる場所や石材店をお探しの方は、こちらもご覧になってください。
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