お役立ちコラム お墓の色々

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【2023年】お盆・秋のお彼岸はいつ?期間・やることの基本を解説

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【2023年】お盆・秋のお彼岸はいつ?期間・やることの基本を解説

本格的な夏を前に、お盆の計画を立てている方も多いのではないでしょうか?8月は、お盆に合わせてまとまった休みが取りやすい時期ですが、同時に様々な行事やイベントが増えてくる時期でもあります。

その中でも、故人やご先祖様を供養するために毎年行われる日本人が大切にしてきた行事として、お盆と彼岸があります。お墓参りやお供えなど、普段より手厚い供養をするのが一般的ですが、「何日から何日のことを言うのか?」「期間中に何をすれば良いのか?」など詳しくはよく分からないと言う方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、夏以降にやってくるお盆と秋のお彼岸について、日程と基本の過ごし方についてまとめました。直前になって慌てないためにも、帰省に合わせて実家のお墓参りをするなど、予定を立てる際の参考にしていただけたらと思います。

2023年のお盆

お盆は、ご先祖様の霊をこの世(ご自宅)にお迎えして供養を行う行事です。全国的には、8月13日〜16日にかけての4日間を指すのが一般的で、お店や会社のお盆休みもここに合わせることが多いようです。

2023年のお盆とお盆休み

2023年のお盆は、8月11日の「山の日」が金曜日となる関係で、お盆休みを下記の6日間とするところが多くなりそうです。

2023年のお盆

8月11日(金•祝)
8月12日(土)
8月13日(日):お盆(迎え火)
8月14日(月):お盆
8月15日(火):お盆
8月16日(水):お盆(送り火)
*地域によっては15日に送り火を行うところもあります。

地域によるお盆の時期の違い

全国的には、8月がお盆・お盆休みとして定着していますが、仏教行事としてのお盆の期間は、地域や各家庭の習慣によって違いが見られます。
東京近郊、房総半島や北関東の一部地域などでは、旧暦の頃からお盆とされていた日付を新暦でも守る形で、7月(7月13日~16日)に行う所があります。新暦の7月に行うことから「新盆(しんぼん)」と呼ぶこともあるようです。一方、上記で紹介した8月のお盆は、旧暦のお盆に近い時期に行うため「旧盆」「月遅れ盆」とも呼ばれます。
沖縄県では旧暦にそって8月中旬~9月上旬に行われ「旧暦盆」とも呼ばれます。旧暦は月の満ち欠けによるため、お盆の期間はその年によって変わりますが、2023年は、8月28日(月)~30日(水)となっています。

お盆の過ごし方

お盆は、故人やご先祖様をお迎えして感謝を伝え、あの世での冥福をお祈りする期間です。そのため、自宅で火を焚いて霊のお迎えとお送りをし、仏壇の飾りやお供え、お墓参りなどの供養を行うのが一般的です。
その他、霊を慰め再び見送る行事である「盆踊り」や、けがれを払い先祖の霊を供養する意味をもつ「夏祭り」など、供養のための独自の風習や行事がある地域もあります。

お盆の由来についてはこちらの記事をご覧ください。
お盆の由来、知っておきたい5つのこと

迎え火・送り火

「迎え火」は先祖の霊を迎える目印として13日の夕方に、「送り火」は再びあの世へと送り出すために16日の夕方に行うのが一般的です。家の玄関先や庭先で火を焚くのが昔ながらの方法ですが、マンションなど火を焚くことが難しい場合には、代わりに室内で電灯式の盆提灯などを灯す形で行っても良いでしょう。

地域によっては、お墓で行う、お墓でローソクに灯した火を持ち帰り迎え火にするなど、様々な風習が残っています。京都の「五山送り火」や、各地域で行われる「灯籠流し」「精霊流し」のように行事として送り火が行われる地域もあります。

家族揃ってのお墓参り

故人やご先祖様の供養と、お迎え・お見送りとしての意味合いも込めて、お墓を掃除し、家族揃ってお参りをするのが一般的です。日にちに決まりはありませんが、ご先祖さまをお迎えする13日に行えるとよいと言われています。

お盆にお墓参りをする理由・作法については、こちらの記事をご覧ください。
お盆にお墓参りをするべき理由と必要なものとは
お墓参りの基本や作法をあらためて押さえておきましょう

夏の暑い時期のお参りとなります。熱中症対策をしっかりする、ご高齢の場合は若い人に任せるなど、無理のない形で行うようにしましょう。

夏のお墓参りでの注意点についてもまとめていますので合わせてお読みください。
夏のお墓参りの注意点〜熱中症への備えと気をつけるべきポイント〜

仏壇の掃除とお参り・お供え・お飾り

故人やご先祖様への気持ちを表すため、仏壇もきれいに掃除し、手を合わせます。地域によっては「棚経(たなぎょう)」といい、僧侶に家に来てもらい仏壇の前でお経を読んでいただくこともあるようです。

お仏壇の周りには、お盆提灯や精霊馬(しょうりょううま)などのお盆飾り、果物やお花などのお供えを行います。ご先祖さまの食事として、「霊供膳(りょうぐぜん・れいぐぜん)」と呼ばれる精進料理のお膳を仏壇にお供えする慣わしもあります。

精霊馬の作り方をご紹介していますので、よろしければご覧ください。
故人のためのお盆の過ごし方。精霊馬を作ってみよう。

浄土真宗の場合

浄土真宗の場合、お盆に霊が戻ってくるという考え方がないため、迎え火や送り火や霊供膳、盆提灯・精霊馬などの飾りは必要ありません。阿弥陀如来のお慈悲と頂いた命に感謝する意味で、通常の法要(年忌法要など)と同じように、仏壇をきれいに掃除して整え、お供えをします。また、お寺で開かれる法話会に参加したり、自宅に僧侶を招いて法要を行ったりすることもあります。

2023年秋のお彼岸

お彼岸は、「春分の日」「秋分の日」を中心とした7日間を指し、ご先祖さまに感謝の気持ちを込めて供養を行う行事です。「春分の日」「秋分の日」は「国民の祝日」の一つですが、太陽の動きを元に定められるため、年によって日付は前後します。

2023年の秋分の日は9月23日(土)となっていますので、秋のお彼岸は下記の期間となります。

2023年 秋のお彼岸

9月20日(水):彼岸入り
9月21日(木)
9月22日(金)
9月23日(土•祝)(秋分の日):中日
9月24日(日)
9月25日(月)
9月26日(火):彼岸明け

今年は、秋分の日が土日と重なっているため、お墓参りなどの日程も比較的取りやすいのではないでしょうか。

なお、秋分の日が土曜日ということで、「振替休日はないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、翌月曜日が振替休日になるのは「祝日が日曜の場合」とされているため、月曜日は平日となります。

秋のお彼岸の過ごし方

お彼岸の期間は、「あの世(彼岸)」と「この世(此岸)」が最も近づき、ご先祖様に想いが届きやすい期間であると考えられていることから、お盆ほど盛大ではありませんが、お墓参りやお供えをし、ご先祖さまへの感謝を込めて手厚い供養を行います。

お墓と仏壇の、掃除やお参り

故人やご先祖様の供養のため、まずはお墓や仏壇をきれいにし、新しいお花をお供えします。お彼岸の7日間は毎日、仏壇に線香をたむけて手を合わせて過ごせると良いでしょう。

今年の9月は、残暑が厳しくなりそうだとも言われており、お墓参りでの暑さ対策などがまだまだ必要です。お彼岸前の9月18日(月)は敬老の日で3連休となっています。お彼岸あたりの天気予報を気にしながら、必要であればお墓参りの日程を前倒しにするなど、無理のない形でお墓参りを行いましょう。

お彼岸にお供えする花について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
お彼岸に供える花の選び方 菊じゃなくても大丈夫

お彼岸ならではのお供え

お彼岸には、お墓や仏壇に、「おはぎ」(春のお彼岸は「ぼたもち」)や「彼岸団子」をお供えする風習もあります。また、お盆同様、「霊供膳」を仏壇に備える場合もあるようです。決まりがあるわけではないので、地域や家庭の習慣にならったり、家族と相談したりすると良いでしょう。

お彼岸団子について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「お彼岸団子」とは?ぼたもちでもおはぎでもないお彼岸のお菓子

彼岸法要や彼岸会への参加

家庭での供養以外に、お寺や霊園などでは、彼岸法要や彼岸会と呼ばれる合同の法要が開かれるところもあります。自宅に僧侶を呼んで個別に営む場合もあるようです。

六波羅蜜(仏教の教え)の実践

お彼岸は、彼岸(悟りの境地)へ渡るため、自分自身の行いを省みる「六波羅蜜(ろくはらみつ、ろっぱらみつ)」と呼ばれる6つの教えを一つずつ実践する期間としても位置付けられています。

「六波羅蜜」については、こちらの記事に詳しく解説しています。
お彼岸にまつわるさまざまな由来を紹介します

まとめ

お盆とお彼岸はどちらも、日本で昔から受け継がれてきた「先祖を敬う心」が大切にされ、続いてきた行事です。夏から秋にかけては、イベントや行事が多く何かと忙しい時期ではありますが、だからこそ計画的に準備を進め、故人やご先祖さまを偲びつつ、ご自身の生き方も見つめていきたいですね。

お盆も秋のお彼岸も、暑さが厳しい時期となります。心を込めて行事を進めるためにも、準備を整え、無理なく過ごしていただけましたら幸いです。お墓へ行くことが難しい場合には、代行サービスを利用するという方法もありますので、気になる方はこちらの記事も参考にしてみてください。
「お墓のプロによる代行」もある、お墓参りに行けない時に取れる選択肢