お役立ちコラム お墓の色々

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【納骨室(カロート)の種類別】納骨の方法・墓石の動かし方や注意点を詳しく解説します

墓地・墓石コラム

葬儀を終え、大切なご遺骨をお墓に納める「納骨」。お墓参りには何度も足を運んでいても、実際に「墓石のどの部分が開くのか」「ご遺骨はどこに納められているのか」まで詳しく知っている方は意外と少ないものです。

いざ納骨式を迎え、目の前で大きな石が動かされるのを見て驚かれる方もいらっしゃいます。お墓の構造は地域やお墓の種類によって異なり、動かし方にもそれぞれ違いがあります。

この記事では、納骨室(カロート)の基本から、構造の違い、そして自分たちで開ける際の注意点までを徹底解説します。いざという時に迷わないための知識として、ぜひお役立てください。

ご遺骨はお墓のどこに納骨する?

お墓の内部には、ご遺骨を納めるための専用の空間があり、これを「納骨室(のうこつしつ)」、あるいは専門用語で「カロート」と呼びます。

一般的に、納骨室は墓石の下部(台石の内部や、さらにその下の地下部分)に設けられています。外からは見えませんが、墓石の一部を動かすことで納骨室への入り口が現れる仕組みです。

主なタイプは以下の3つです。

  • 水鉢(みずばち)を動かすタイプ: 墓前にある、お水を供えるための「水鉢」と呼ばれる石を手前に倒したり、移動させたりすると納骨口が現れます。
  • 扉石(とびらいし)を開くタイプ: お墓の正面に観音開きの扉や、一枚の蓋石が付いており、それを開けて納骨します。
  • 拝石(はいせき・おがみいし)を持ち上げるタイプ:お墓の手前に敷かれた「拝石」と呼ばれる平らな石が蓋石となっていますので、それを持ち上げて動かします。

あらかじめ自分の家のお墓がどのような構造かを知っておくことで、納骨式当日をスムーズに進めるためだけでなく、将来的な「墓じまい」や「改葬(お墓の引っ越し)」を検討する際にも役立ちます。また「どこに、どのくらいのご遺骨が入るスペースがあるか」を把握しておくことは、お墓を管理していく上での第一歩とも言えるでしょう。

骨室(カロート)については以下の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

納骨棺(カロート)とは?由来や特徴について解説します

【納骨室(カロート)の種類別】納骨の方法・墓石の動かし方

納骨室の構造は、実は地域によって大きな差があります。代表的なのが「関東式」と「関西式」及び近年都市部などで主流の「丘カロート式」です。それぞれの特徴と、納骨の際に墓石をどう動かすのかを見ていきましょう。


関東式(地下カロート)

関東地方で主流なのが、地面の下に広い納骨室を設ける「地下カロート」タイプです。

構造の特徴: 墓石の土台部分よりも下にコンクリートや石で広い空間(納骨室)が作られています。昔から関東を中心とした東日本では、6~8寸の大きな骨壺を使用して頭から足までのすべての骨を収骨する「全骨収骨」が主流でした。そのため、大きい骨壺で多人数(家族代々)のご遺骨を納めることを前提としており、収納力が高いのが特徴です。

動かし方: 拝石と呼ばれる、お墓の手前にある平らな石を持ち上げて動かします。この拝石は小さいものでも20~50kgと非常に重く、大きいものになると数人がかりでの作業になることも珍しくありません。石を動かすと地下へ続く階段や空間が現れます。このタイプは、雨水の侵入防止のため、専用のコーキング材で目地止めし、密封されていることが一般的ですので自分で開けるのは困難です。

拝石について詳しく紹介している記事もあります。気になった方はあわせてご覧ください。

いつもお参りする時に何気なく見かける石「拝石」について解説します


関西式(半地下カロート)

関西地方で多く見られるのが、墓石の内部(地上部分)に空間を作るタイプです。

構造の特徴: 墓石の「中台」や「下台」などお墓本体の一番下にある台石正面の下半分を半円状に切り込み納骨室への入り口を設け、地下部分に空間を作り、そこにご遺骨を納めます。関西を中心とする西日本では昔から3~5寸の小さい骨壺を使用して喉ぼとけや頭蓋骨、歯や指の骨など一部の骨を収骨する「部分収骨」が主流でした。そのため、納骨室の空間は関東式に比べるとコンパクトな場合が多いです。

動かし方: 前述した「水鉢」を動かす方法が一般的です。水鉢を慎重に手前に引く、あるいは横にずらすことで、15cm〜20cm程度の納骨口が現れます。関西ではご遺骨を骨壺から出し、袋に入れて納める地域も多いです。

水鉢について詳しく紹介している記事もあります。気になった方はあわせてご覧ください。

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丘カロート式(地上カロート)

地下部分ではなく地上に納骨室(カロート)が設置されているタイプです。

構造の特徴:もともとは九州や高知県などでよくみられる地上部分に広い空間を確保した平たい納骨堂を設け、その上にお墓本体を設置するという大きいお墓ならではのものでした。しかし近年では、地下部分に納骨室を設けないことから狭いスペースにも設置しやすく、水はけがよい・湿気がこもりにくいなど機能的にも優れていることもあり都心部を中心に多く採用されています。

動かし方:一見してわかりにくいかもしれませんが正面のプレート状の石全体が手前に外れるものや、横側や後ろ側に扉がついているものがあります。そのタイプの場合はそこから簡単に納骨することが可能です。古いお墓などでは一度上に設置してあるお墓本体を下ろして、天井となっている石を取り外さないと納骨できないタイプのものもあります。その場合は石材店以外に依頼する以外で開けることは不可能です。

上で紹介した全てのタイプで、雨水の侵入などを防ぐため、納骨時に石材用の接着剤で完全に密封する場合もあります。接着剤で密封されている場合、素人が開けるのは不可能で、石材店が専用の道具で目地(めじ)を切り、石を取り外す作業が必要になります。

納骨室は自分で開けても良い?

結論から言えば、納骨室を自分で開けることは禁止されているわけではありません。しかし、「自由に開けて良いか」と言われると、現実には難しい側面があります。

寺院墓地や民営霊園のなどにおいては安全性への配慮から「墓石を動かす作業は指定業者のみが行う」というルールを設けているところも多いです。この場合、遺族であっても勝手に石を動かすことは規約違反になるおそれがあります。

また、物理的なリスクも無視できません。

  • 重量: 石材は見た目以上に重く、小さなように見えても数十kg、拝石なら100kgを超えることもあります。
  • 破損: 慣れない人が動かすと、石の角をぶつけて欠けさせてしまったり、指を挟んでケガをしたりする危険があります。

そのため、石材店などの専門業者に依頼して、安全かつ確実に作業してもらうのが一般的です。

納骨室を自分で開ける際の注意点

公営霊園などで規約に定められておらず、どうしても自分たちで行いたいという場合には、以下の点に細心の注意を払ってください。

  • 汚れても問題ない服で作業する: お墓の内部や石の裏側は、長年の泥や虫、湿気で汚れています。礼服(喪服)のまま作業するのは避け、作業用のエプロンを用意するか、着替えてから行いましょう。
  • 墓石を慎重に扱う: 石は硬い一方で、角が非常に欠けやすい性質を持っています。石同士がぶつからないよう、毛布や厚手のゴムマットを敷いた上に置くなどの工夫が必要です。欠けてしまうと、修復にはそれなりの費用がかかります。
  • 人や周囲のお墓などにぶつけないようにする: 隣接する他家のお墓に傷をつけてしまうと、大きなトラブルに発展します。また、バランスを崩して足の上に落とせば骨折などの大事故になりかねません。必ず2人以上で作業し、周囲の安全を確保してください。

お墓への納骨前・納骨後にしておくべきこと

納骨や納骨式は当日だけの儀式ではありません。前後の段取りがその後を左右します。

【納骨前にしておくべきこと】

1.管理者への連絡: 霊園や寺院の管理事務所へ、日時を伝えて承諾を得ます。

2.必要書類の準備: 「埋葬許可証」がなければ、法的に納骨はできません。火葬場で受け取った書類を必ず手元に用意してください。

3.僧侶の手配: 納骨式(読経)をお願いする場合は、早めに菩提寺へ連絡します。

納骨式については以下の記事で詳しく解説しています。どうぞご参照ください。

納骨式とは?主な流れ・施主がすべき準備・当日のマナーもご紹介

納骨式に着ていい服装、マナーなどを解説

4.内部の確認: 納骨室のスペースがいっぱいになっていないか、汚れていて掃除が必要かなど納骨室内の状況を事前に確認しておくと当日慌てずに済みます。

もし、納骨室のスペースがいっぱいになっているような場合には以下の記事をご参照ください。

お墓に骨壷が入らない?カロートが一杯になったときどうするか解説


【納骨後にしておくべきこと】

1.蓋を正確に戻す: わずかな隙間から雨水や害虫(ハチやムカデなど)が侵入する原因になります。石が正しい位置に収まっているか、指を挟まないよう確認しながら戻します。

2.密閉状態の確認: 必要に応じて、石材専用のコーキング剤などで目地を埋め直します。DIY等を趣味にしていたり、仕事でよほど慣れていたりする人でもない限り、目地の埋め直し作業は石材店に依頼するのが一般的です。

3.周囲の清掃: 作業で出たゴミや土を掃除し、最後にお花とお線香を供えて手を合わせます。

納骨の際は専門家に依頼するのがベスト

納骨室(カロート)は、ご先祖様や故人の大切な終の棲家です。タイプごとの構造の違い、そして石を動かす際の重量感を知っておくだけでも、納骨式に臨む心構えが変わってくるはずです。

ご自身で納骨作業を行うことも可能ではありますが、お墓という供養の場を守り、かつ参列者の安全を確保するためには、やはり石の専門家である石材店に依頼するのが最も安心できる選択肢と言えるでしょう。

「うちのお墓はどのタイプだろう?」「納骨室が満杯かもしれない……」と不安に思われた方は、まずは一度お墓をじっくり確認してみてください。もし判断に迷うようであれば、お気軽にお付き合いのある石材店へお問い合わせください。お付き合いのある石材店が特にない場合は、以下の記事を参考に、ご自身に合った石材店をお探しになってみてはいかがでしょうか。

石材店はどう選ぶ? 注目すべき5つのポイント

実際にお墓を点検してみませんか? お墓参りの際に確認してみるのがおすすめです。

お墓参りの時に確認!お墓の点検チェックリスト

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お墓の点検チェックリスト(PDF版)

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