お役立ちコラム お墓の色々
お役立ちコラム お墓の色々
－ 供養をきわめる －
お墓で写真撮影をしてもいい？注意点やマナーを解説
お盆やお彼岸は、家族や親戚が集まる貴重な機会です。
普段はなかなか集まれないからこそ、お墓参りのときに記念写真を撮りたい人もいるのではないでしょうか。
実際、家族の思い出としてお墓の前で写真を撮っている人もたくさんいます。ただし、故人が眠る場所という性質上、ある程度の配慮は必要です。
今回はお墓で写真を撮っても問題ないか、撮るとしたら注意点は何かについて解説します。
自分たちのお墓で写真撮影するのはOK？
墓地での写真撮影に明確なルールはなく、管理するお寺や霊園が撮影禁止としていなければ、自分たちの家のお墓で写真を撮ることは問題ないと言えます。
ただし、お墓は故人を供養するための大切な場所であり、お墓での写真撮影は「故人の安らかな眠りを妨げる」「単純に不謹慎」などの考えを持つ人もいます。また反対に「家族団らんの写真を一緒に撮ったほうが故人やご先祖様が喜ぶ」「お墓参りに来られない親族に見せてあげたらみんなが幸せ」といったような考え方もありますが、いずれにせよ撮影には十分な配慮が必要です。
お墓で写真を撮るときの注意点
細かい点が多く「ここまでやるの？」と思うかもしれませんが、トラブルを避けるためにも気遣いを忘れないようにしましょう。
お墓にお参りしてから撮る
記念写真の撮影は、お墓を掃除して花などを供え、手を合わせてから行いましょう。まずは故人やご先祖様に挨拶をして、それからみんなで写真を撮るというイメージです。
周りのお墓が写らないようにする
写真の中に、ほかの人のお墓が写り込まないよう意識しましょう。
たまたま写り込んだだけだとしても、面識のない人が自分たちのお墓を勝手に撮っていたら、不愉快だと感じる人もいます。
また墓石には、没年や故人の名前などの個人情報も刻まれています。表面だけでなく、側面や背面にも刻まれていることが多いため、できるだけ墓石に近づいて撮る、写り込まない撮影位置を探してみるなどの方法で対策を取りましょう。
周りに配慮して静かに短時間で済ませる
撮影の際は、周囲の人に配慮して、騒がず短時間で済ませましょう。一緒にお参りにきている人がいる場合は、念のため撮影していいか確認しておくと安心です。
撮影時に笑顔を見せたり、楽しそうな雰囲気で撮ったりすることは問題ありません。
ただし、静かな墓地に何度もシャッター音が響くことに不快感を覚える人もいる可能性があるため、撮影枚数は最低限にしたほうがよいでしょう。
写真をネット上にアップしない
出かけた場所の写真をSNSにアップすることが習慣になっている人もいるかもしれませんが、お墓で撮った写真を、SNSなど知らない人が閲覧できる場所にアップすることは避けましょう。
お墓に刻まれた名字や名前などから個人情報を知られてしまうリスクがあります。
また、お墓で写真を撮ることに抵抗感のある人が偶然写真を見て「不謹慎では？」と感じ、ここからトラブルに発展する可能性もないとは言い切れません。
写真データを渡すためにネットを利用する場合は、メールやメッセージアプリなどで本人に直接送るようにしましょう。
有名人のお墓は撮っても問題ない？
有名人や歴史上の人物のお墓に行ったときに、記念写真を撮りたいという人もいるでしょう。しかし有名人のお墓を撮る際も、さまざまな考え方を持つ人への配慮は忘れないでください。
有名人にも、遺族や子孫がいます。お墓を守る遺族は、見知らぬ人がやってきて、勝手に写真を撮っていくことを望まないかもしれません。
現在は墓マイラーという、さまざまな有名人のお墓をお参りすることを趣味にしている人たちが知られています。墓マイラーに限らず、有名人のお墓をお参りする人の目的はお墓の前で手を合わせて冥福を祈ることで、その有名人の生きた歴史や文化を感じたり、有名人と心を通わせたりすることであるはずです。
記念写真を撮ることが目的になってしまわないよう注意しましょう。
なお、お寺や霊園によっては、一般の人はお墓参り自体ができなかったり、写真撮影を禁止していたりするところもあります。出かける前にホームページなどで、禁止事項が載っていないか確認しておきましょう。
一般の人もお参り可能なお墓に行ったら、騒がず、静かにお参りをします。そして撮影禁止となっていない場合は、上の項目で紹介した注意点を意識して撮影を行ってください。
お墓の写真を何枚も撮っている人を見た！あれはなぜ？
自分の家のお墓でも有名人のお墓でも、基本的に写真撮影はほかの人の気持ちを考えて行い、撮影枚数は最低限にしましょう。
しかし中には「以前お墓参りに行ったときに、何枚も写真を撮っている人を見かけたけれど、あの人たちは何？」と不思議に思う人もいるかもしれません。
まだ掃除をしていない状態、そしてお墓参りを一通り済ませた状態で何枚も写真を撮っている人がいたら、その人はお墓参り代行業者かもしれません。
お墓参り代行は、依頼人の代わりに現地へお墓参りに行き、掃除やお参りを行うサービスです。その際、依頼人にきちんと作業を行ったことを報告するために、最初の状態とお墓参り後の状態を写真で記録します。
場合によっては、お墓の細かい状態を伝えるために何枚も撮っているかもしれませんが、これは依頼人の要望に応えるためです。
似たサービスとして、ビデオ通話を利用したリモートお墓参りも存在しますが、どちらも個人が行う写真撮影とは性質が異なると考えましょう。
また、お墓参りの代行業者ではなく、石材店に修理を依頼する目的で自分たちのお墓を撮っている一般の人という可能性もあります。このケースでは、お墓の周囲の状況がわかる写真も必要なことがあるため、管理するお寺や霊園の許可を得てから行います。
お墓も年月が経つと劣化などにより、修理が必要になることがあります。お墓参りの際に自分でチェックしておくと、修繕な必要な個所を早めに特定し、修繕費を抑えることにもつながりますので、以下のチェックリストを使って点検してみましょう。
ドラマに出てくるのは本物のお墓？
ここまで読んできて、「お墓の撮影に細かい配慮が必要なら、ドラマや映画に出てくるお墓参りのシーンはどうやって撮っているの？」と疑問に思った人もいるでしょう。
実はお寺や霊園によっては、事前に申請し許可を得ていれば、ロケ地として利用させてもらえる場所が存在します。
実際、「ロケ地として○○という番組に使用されました」とホームページで情報を公開している霊園もあります。
登場人物が手を合わせるためのお墓は、専門家の監修により制作した撮影用セットを、墓地の空いている場所に設置するなどして用意しています。お寺や霊園にある一般の人のお墓を、ドラマに使用しているわけではありません。
墓地全体の風景を写せばほかのお墓が写り込んでしまう可能性はありますが、ロケ地を使用する団体には、名前などの個人情報は撮らないことが求められています。一般の人のお墓が勝手に利用されるという事態が起きないよう対策が講じられているのです。
なおロケ地として利用する場合も、やはり墓地は供養のための場所であるため、墓地にふさわしくない表現が入らないよう、撮影目的や撮影した内容はお寺や霊園の側でチェックされます。
まとめ
お墓は故人を供養するための大切な場所です。
一般的にお墓参りでは、お墓を掃除して故人の好きだったものをお供えするなど、故人に喜んでもらいたい、安らかに眠ってもらいたいという気持ちを表現するものですが、そこで写真を撮ることで故人に喜んでもらえると捉えるかどうかは、人によって考え方が異なります。
写真を撮らないでほしいと考えている人もいることを、忘れないようにしましょう。
周りの人への配慮は決して忘れずに、「ご先祖様、いつも見守ってくれていてありがとう」という気持ちを込めて、ぜひ自分たちらしい表情やポーズで撮ってみてください。
「お墓での記念撮影はどんな表情をすればいいの？」「どんな写真だと思い出に残るかな？」と気になったときは、下記を参考にするのがおすすめです。
◆家族の絆が深まるお墓参り『お墓100年プロジェクト お墓参り写真集』
『お墓100年プロジェクト』では、2025年3月1日～5月18日の間、お墓参りの写真を募集しています。この機会に記念となる1枚を撮って、応募してみてはいかがでしょうか。
