お役立ちコラム お墓の色々

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墳墓(ふんぼ)とは?お墓や納骨堂との違いや埋葬までの流れ・費用まで徹底解説します

墓地・墓石コラム

「お墓」という言葉は日常的に使われていて、聞きなれた言葉ですが、歴史書や歴史の教科書、または法律の専門用語では「墳墓(ふんぼ)」という言葉が使われるのをご存知でしょうか?少し重々しく、日常を過ごしている中では、耳にすることのないような響きですが、実は私たちが供養を行う「お墓」のルーツであり、現代の法律(墓地、埋葬等に関する法律/通称:墓埋法)においても現役で使用されている専門用語です。

「一般的な家単位のお墓を建てる」ことも「跡継ぎがいないから永代供養墓を選択する」ことも、広い意味ではこの「墳墓」という概念に含まれます。この記事では、墳墓の本来の意味や「お墓・納骨堂」との違い、さらには古代の古墳から現代のデザイン墓、そして埋葬までの流れや費用についても分かりやすく解説していきます。

墳墓とは?

墳墓とは、一般的に「故人の遺体や遺骨を地中に埋葬・埋納する場所」と定義されています。

漢字の成り立ちを見ると、「墳」という字には「土を高く盛る」という意味があります。古代、権力者の菩提を弔うために土を高く盛り上げて築いた「古墳」や、エジプトの「ピラミッド」などがその原点です。一方で「墓」は、遺体を埋めた場所にそのしるしである墓標を立てたものを指します。

墳墓とお墓の違い

「墳墓」と「お墓」は似た意味で使われますが、そのニュアンスやその意味する範囲には以下のような違いがあります。

言葉墳墓お墓
言葉の性質歴史・考古学・法律上の専門用語日常的・一般的な表現
本来の意味「土を盛って築かれたお墓」を指す故人を供養する場所全般を指す
概念の広さ「お墓」という大きな枠組みの中の、埋葬形態の一つ墳墓・納骨堂・霊廟・供養塔など、すべての供養形態を含む広い概念

つまり、「お墓」という大きなカテゴリーの中に、地中に故人を埋葬する供養形態の「墳墓」が含まれていると考えると分かりやすいかと思います。

墳墓と納骨堂の違い

近年増えている「納骨堂」と「墳墓」の決定的な違いは、「土に還すかどうか」という点にあります。

  • 墳墓: 遺骨を地中(土中)に埋めるのが基本です。最終的に自然回帰、つまり自然のサイクルの中に戻る、あるいは大地と一体化するという考え方が根底にあります。
  • 納骨堂: 遺骨を地中ではなく、骨壺などの容器に納め、建物内の棚やロッカー、仏壇形式のスペースに「安置」する施設を指します。

かつての納骨堂は「お墓を建てるまでの一時的な預かり所」というのが主流でしたが、現在は納骨堂所有施設での「永代供養」を前提とした、一般的な石造りの家々で受け継いでいくお墓に代わる施設としての役割が強まっています。

納骨堂について詳しくは、以下の記事でご紹介しております。あわせてご覧ください。

納骨堂と永代供養〜一般的なお墓との違いやメリット・デメリットを解説〜

日本におけるかつての墳墓とは?「古墳」の種類とその特徴

「墳墓」と聞いて、一般的に皆さんが想像する本来の墳墓の姿である「土を盛り上げたお墓」の代表例が、日本史を彩る「古墳」です。主に古墳時代(3世紀後半〜7世紀頃)に造られたこれらの建造物は、お墓としての意味合いを持ちながらも、霊廟と同じように、埋葬された故人の権力や財力の大きさを視覚的に示し顕彰するための記念碑でもありました。

代表的な古墳の形状には、以下のような種類があります。

  • 円墳(えんぷん): 上から見て円形のもの。最も数が多い形状です。
  • 方墳(ほうふん): 上から見て正方形や長方形のものを指します。
  • 前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん): 円形と方形を組み合わせた、日本独特の鍵穴のような形。仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)などの巨大古墳に多く見られる形状です。
  • 八角墳(はっかくふん): 八角形の形状。古墳時代末期、天皇のお墓に用いられた格式高い形状です。

古墳の規模が大きいほど、そこに埋葬された故人は、強大な権力を持っていたと考えられています。世界文化遺産にも登録された「百舌鳥・古市古墳群」などは、古代日本における墳墓の到達点と言えるものでしょう。

霊廟や世界三大墳墓の一つ仁徳天皇陵古墳についても紹介した記事があります。あわせてお読みください。

世界三大墳墓のひとつは日本に!仁徳天皇陵とは?

霊廟(れいびょう)とは?宗教ごとの種類・仏式神式の名所全6選をご紹介

現代日本における墳墓(お墓)の種類とその特徴

時代がたつにつれ、広大な土地を必要とする「土を盛り上げる」形式の墳墓は姿を消し、限られたスペースにご遺骨を埋葬し、お墓の目印である墓標を立てる現代のスタイルへと変化していきました。現代の墳墓は、墓標に何を用いるかによって大きく2つに分類できます。

墓石を墓標とするタイプのお墓

日本中で目にすることができる、石の墓標を立てる最も一般的な形態です。石の種類やデザインによって、大別すると以下の3つに分けられます。

  • 和型墓石:江戸時代から続く伝統的な形状で、2段の台石の上に縦長の石を重ねたお墓です。日本人にとって最も馴染み深く、「お墓」といえば一番に思い浮かぶ形状といえるでしょう。お釈迦様の遺骨を納めるために作られた仏舎利塔を簡易化した形状で、故人の供養を祈るのに最適な形状とされます。また上の縦長の石は天を、二段目の台石は人を一番下の台石は地を表すとも言われ三者の調和をもって末永く子孫の繁栄を願う意味も込められているともされます。
  • 洋型墓石:横幅が広く、高さが抑えられた安定感のある形状のお墓です。高さが抑えられていることから耐震性に優れた、安全性が期待できるデザインといえるでしょう。和型の墓石はその伝統や意味合いからその形状や刻む文字にも色々と成約がある場合が多いですが、洋型のものであれば形だけでなく墓石に刻む文字や書体なども比較的自由に選ぶことができます。公園型の霊園や芝生霊園で人気があり、そういった霊園の増加から近年では和型を凌ぐペースで普及しています。
  • デザイン墓石: 形に捉われず、故人の趣味や家族の想いを自由な造形で表現したお墓です。例えば音楽が好きだった人のお墓に「ピアノ型」や読書が趣味だった人のお墓に「本型」、あるいは見る人によって様々な見方ができる幾何学的なオブジェのようなものまで多岐にわたります。最近では異素材、例えばガラスや金属などを石と組み合わせたデザインのものも出回っています。



お墓のデザインは他にもどんなものがあるのかについては以下の記事で詳しく紹介しています。是非ご参照ください。

お墓のデザインはどんなものがある?

樹木や草花を墓標とするタイプのお墓

墓石の代わりに、シンボルツリー(樹木)や草花を墓標とする墳墓です。これを「樹木葬」と呼びます。ただしスペースの問題から石を個別の墓標として草花で周りを囲ったり、シンボルツリーを中心にしてその周囲に石の墓標を設けたりする集合型のものが現代では一般的です。遺骨を地中に埋葬する点で「墳墓」の一種と数えられ、永代供養がセットになっていることが多いので「死後は自然に還りたい」「子供たちに負担をかけたくない」「跡継ぎがいない」といったような現代的なニーズにマッチし、急速に普及しています。

樹木葬について詳しく解説した記事もあります。あわせてお読みください。

樹木葬の注意点 お墓とはどんな違いがあるの?

墳墓(お墓)に遺骨を埋葬するまでの基本的な流れ

現代において新しい墳墓(お墓)を準備し、納骨するまでの一般的な流れは以下の通りです。

1.墓地・霊園の選定: 立地、費用、宗旨宗派、管理体制などを確認し、使用権を契約します。どうや って選べばいいか分からないという方は以下の記事をご参照ください。

あなたにぴったりな墓地・霊園の選び方

2.墓地使用許可証の発行:「永代使用承諾証」「受入証明書」「墓所使用承諾証」「永代使用許可書」などと名称が異なることもありますが、その墓所を永代にわたって使う権利の証明書を発行してもらって、受け取ります。

3.墓石の設計・加工: 石材店と打ち合わせ、形や彫る文字を決めます。すでにお付き合いのある石材店があるようなら問題ないですが、石材店選びで困ることもあるかと思います。そんな時は以下の記事も参考にしてみてください。

石材店はどう選ぶ? 注目すべき5つのポイント

4.墓所建立工事: 基礎工事を行い、墓石を据え付けます。

5.埋葬・納骨式: 公営霊園なら役所・役場に、民営霊園・寺院墓地なら管理者に「埋火葬許可証(埋葬許可書)」を提出し、僧侶を招いて納骨式(納骨法要)を行います。納骨式も色々やらなければいけないことが多いので戸惑う方も少なくないかと思います。以下の記事をチェックして事前に準備しておけると安心です。

納骨式とは?主な流れ・施主がすべき準備・当日のマナーもご紹介

墳墓(お墓)をつくる際にかかる費用の相場

墳墓(お墓)の建立には、大きく分けて4つの費用が発生します。

費用項目内容相場(目安)
永代使用料墓地・霊園の土地を使用するための費用20万円〜100万円以上(都会になるほど高額)
墓石の購入費用墓石の代金50万円〜200万円以上(石種やデザイン、石の使用量によって大きく異なります)
工事費基礎工事や据え付けの工賃10万円〜30万円程度(立地条件によって大きく異なります)
管理費墓地・霊園の維持管理のための費用年間5,000円〜2万円程度(年ごとの請求が多いですが、そもそも無料の場合や永代管理料として一括納付したり、10年分などの単位でまとめて納付したりする場合もあります)



気になる費用の部分。お値段に影響する諸要素について解説した記事もあります。あわせてお読みください。

お墓の価格の内訳って?値段に影響する要素について解説

あなたに合った供養の形を

「墳墓」という言葉は、かつて、巨大な古墳を指しましたが、私たちが手を合わせる大切なお墓そのものを指す言葉として今もなお生活の中に生き続けています。

伝統的な和型墓石、モダンなデザイン墓、そして自然に還っていく樹木葬。時代の変化によって、形は変われども、「故人を地中に大切に納め、その場所を大切な供養の場として守る」という墳墓の本質・墳墓を介して故人へ向けた私たちの祈りは、古代から現代にいたるまで変わることはありません。

お墓選びは、自分たちの家族にとってどのような「墳墓(お墓)」が最適かを見極めるプロセスでもあります。「自分に合ったお墓の種類をもっと詳しく知りたい」「具体的な費用見積もりが欲しい」という方は、まずはお気軽にガイドブック請求からでも当サイトへお問い合わせください。

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