お役立ちコラム お墓の色々
お役立ちコラム お墓の色々
- 供養をきわめる -
霊園での供養の方法についてメリット・デメリットを比較します
霊園での供養の方法には、時代のニーズにあわせるように様々なものが存在します。
今回は供養の特徴をご紹介しながらそのメリット・デメリットを比較していきます。
今回ピックアップするものは以下のとおりです。
①合祀(合葬)
②個別永代供養
├ ②-1:樹木葬(公園型)/プレート葬
└ ②-2:永代供養付き個別墓
③永代供養付き一般墓
ぜひ、比較検討の参考にしてみてください。
①合祀(合葬)
<メリット>
・お墓にかける費用や管理の負担を最小限に抑えられる。
<デメリット>
・個別のお供えやお参りができず、故人の存在が希薄になりやすい。
・合同供養のため、個別の供養をしてもらえない。
・一度合祀すると、2度とご遺骨を取り出せなくなる。
・改葬することができない。
ご遺骨を最初から他の人と同じ空間で埋葬するのが、合祀(合葬)です。
1人当たり5万円~30万円程度で納骨することができ、年に1〜数回の合同供養を行ってもらえます。
個別のお墓と比べ供養は簡素となりますが、供養のされ方にあまりこだわりがなければ、金銭面・管理面での負担を最小限に抑えられる方法です。
ただし、一度合祀すると2度とご遺骨を取り出せなくなります。そのため、合祀後に改葬(ご遺骨を他の場所に移す)することもできません。
②個別永代供養
②−1:樹木葬(公園型)/プレート葬
<メリット>
・自分の好きな植物を墓標にできる場合がある。
・個性豊かなプレートを選べる場合がある。
・従来のお墓と同じように、個別で埋葬ができる。
・一般的なお墓より費用が安い。
・永代供養のため後継者がいらない。
<デメリット>
・季節によって景観が変わることがある。
・合祀と比べると費用が高い。
・一定の期間を過ぎると合祀される場合がある。
樹木葬には、里山型と公園型とがありますが、ここでは公園型をご紹介いたします。
なお、樹木葬についての詳細は、こちらの記事をご覧ください。
◆樹木葬の注意点 お墓とはどんな違いがあるの?
公園型樹木葬では、故人の名前を刻んだプレート(板石)が設置され、その周りに樹木が植えられます。樹木は墓標として植えられる場合もあり、その周囲の様子から「公園型樹木葬」と呼ばれ、一方でプレートを設置することから「プレート葬」とも呼ばれます。
ご遺骨は樹木の根元に納骨し、お墓参りをするときは、墓標である樹木やプレートに向かって手を合わせます。初期費用は50万円~最高でも150万円ほどです。
花が咲き新緑が生い茂った時の姿はとても美しいですが、冬になるとすこし寂しい印象を受けてしまうかもしれません。1年を通して景観が損なわれないよう工夫している霊園もありますが、季節によって景観に差が出ることは頭に置いておきましょう。
また、個別安置をされる期間はあらかじめ決められています。各霊園のプランによって異なりますが、7回忌、33回忌などのタイミングで設けられていることが多いです。個別安置の期間を過ぎると合祀(合葬)されます。一度合祀すると2度とご遺骨を取り出せなくなり、合祀後の改葬もできません。
②-2:永代供養付き個別墓
<メリット>
・一般的なお墓と比べ小さいため、費用がやや安い。
・永代供養がついているので、無縁仏になることがない。
<デメリット>
・墓石のデザインがあらかじめ決められている場合がある。
・合祀や樹木葬と比べると費用がやや高い。
・一定の期間を過ぎると合祀される場合がある。
一般的なお墓は、先祖代々受け継がれたお墓に入るものとされていますが、近年「個人でお墓に入りたい」「夫婦のみでお墓に入りたい」といった様々なニーズに合わせた個別墓が登場しています。これらのお墓は基本的に1代限りのものとなり、一定の期間を過ぎると合祀される場合があります。
なお、樹木葬や個別墓などに代表される個別の永代供養には、一般的にお墓に入る人数に合わせ「お一人様用(個人墓)」「お二人様用(夫婦墓)」などのお墓が用意されています。
・お一人様用(個人墓)
自分ひとりだけが入るお墓で、墓地や霊園によって費用は異なりますが、約30~100万円ほどが相場です。
・お二人様用(夫婦墓)
ご夫婦でご利用できるお墓です。お墓を承継する子供がいない場合や、子供が遠方に住んでいる等の事情があって、子供に負担をかけたくないという理由で選ばれる方がいらっしゃいます。費用の相場は、墓地や霊園によって異なりますが、約50~150万円ほどです。
◆お二人様用のお墓については「近年増えている夫婦墓とは?」をご覧ください。
個別の永代供養を選ばれた方の中には「子供がいないから…」「子供がいるけど、負担をかけたくないから…」という事情で、一般的なお墓を諦めた方もいらっしゃると思われます。
しかし、承継者の有無や子供への配慮を理由に一般的なお墓を諦めなくてもよい方法が実はあります。それが、次にご紹介する「永代供養付き一般墓」です。
③永代供養付き一般墓
<メリット>
・いわゆる一般的なお墓を持つことができる。
・そのため、自分が望む形のお墓を建てることができる。
・永代供養がついているので、無縁仏になることがない。
・お墓を守る人がいれば、その後も継承できる場合がある。
<デメリット>
・合祀、個別永代供養と比べると費用がやや高い。
永代供養付き一般墓は、いわゆる一般的なお墓と同じように墓地区画の使用権を取得、つまり墓地を購入してそこに自分で墓石を建てるものです。その名のとおり、永代供養が付いているので、お墓を守る人がいなくなったり、事前に決められた期間が経過した後は、霊園側でお墓を撤去・整地し、ご遺骨を永代供養墓に改葬してくれます。
自分で墓石を建てるので、和型・洋型・その他オリジナルデザインなど、自らが望む形のお墓を建てることが可能です。
永代供養付き一般墓は個別の墓地区画と墓石が必要となるため、一般墓の購入と同じくらいの100万円~350万円が必要となりますが、様々なタイプから選ぶことができます。
◆「お墓のデザインにこだわりたい」デザイン墓石について説明します。
◆お墓のデザインはどんなものがある?
使用期間に制限がない場合は、子や孫の代までもお墓を承継することができ、万が一跡継ぎがいなくなった場合でも、霊園側で永代供養墓に改葬してもらえるので、無縁仏になる心配もありません。
「17回忌まで」「33回忌まで」といったように「有期限」の場合でも、使用期間終了時に「使用期間の延長」または「延長しないで墓を撤去し永代供養墓に改葬」のどちらかを選べる場合があります。
なお、最近の霊園では、永代供養に対応したサービスが増えてきています。つまり「これから建てる一般的なお墓の多くは、跡継ぎの心配がなくなっている」ということができるのではないでしょうか。
供養の気持ちを次世代につなぐお墓を
お墓を建てる意味には、故人の成仏を願うという宗教的な理由がまずあげられます。今回ご紹介した合祀や個別永代供養でも、故人の成仏を願うことはできるかもしれません。
ただ、お墓を建てる意味はもう1つあります。心の拠り所を持ち、供養の気持ちを次の世代につないでいくということです。
「お墓は建てたらそれで終わり」ではなく、今を生きる家族同士の結び付きを深めるためにも重要な役割を果たしていきます。ぜひ供養の気持ちを次世代につなげられる方法を選んでみてはいかがでしょうか。
お墓を建てる際に必要な情報をまとめてみました。
こちらの記事もぜひご覧ください。
◆お墓を建てる「いつ?」費用は「どれくらい?」
◆一般的な墓石の種類や特徴を解説します
◆お墓を購入する際に気をつけたい注意点とは
◆お墓の形式や様々ある種類について紹介