お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
エンディングノート・遺言書・遺書の違い〜それぞれのメリット・デメリットとは〜
人生の終わりに向けた活動のことを「終活」と言い、この終活に必要なアイテムとして、エンディングノートを活用することが多くなっています。エンディングノートとは、言葉の通り、人生の終わりに向けた様々なことを書いていくノートのことです。
同じように「人生の終わりに向けて書く」ものとして、遺書や遺言書という言葉を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。
それぞれに何が違うのでしょうか?例えば、自分の死後、残された家族・親族で問題となることの多い相続。これも遺言書はかかず、エンディングノートだけ書いておけば問題ないのでしょうか?
ここでは、エンディングノート、遺言書、遺書の違いや、それぞれのメリット・デメリットについてまとめていきます。これを知っておくことで、書き残した相続の希望をきちんと形にしてもらえたり、家族・親族の負担を軽減したりすることもできるので、この機会に確認してみてください。
個人的なメッセージを伝える「遺書」
遺書の意味
自分の死後に言い残す言葉を一般的に「遺言(ゆいごん)」と言い、この遺言(ゆいごん)を記載した書面を「遺書(いしょ)」と言います。親族や友人など自分と関わりのあった人へ宛てたプライベートなメッセージや想いなどが綴られることが多く、「かきおき」とも言います。
書き方に決まりはなく、生前の思いや死後にお願いしたいことなど、自由に書き残すことができます。文章だけでなく、音声やビデオなどのメッセージも遺書の一種です。
遺書のメリット
書き方に決まりがないので、生前の思いや死後にお願いしたいことなどを自分なりの言葉や形式で残すことができます。
また、メッセージを残す過程で、大切な人への思いを整理することもできます。
遺書のデメリット
故人からの自由なメッセージであるため法的な効力を持ちません。つまり相続について書いたとしても、あくまで希望を伝えるだけであり強制力はないということです。
また、形式が自由とはいえプライベートなメッセージとして伝えられる内容にも限界があるでしょう。
落ち着いて終活を行うことができるのであれば、まずエンディングノートに取り組み、誰にどんなメッセージを残したいのかを考えてみられることをお勧めします。
終活をスムーズに進められ、家族の負担を軽くする「エンディングノート」
エンディングノートとは
エンディングノートとは、最期の時に備えて、家族に共有しておきたい情報や万が一の時にどうしたいかという意思、自身の人生を振り返った内容などを書き残しておくためのノートです。書く内容や形式にも決まりはなく、そういった意味では、エンディングノートも遺書の一種と言えるかもしれません。また、エンディングノートの場合、死後のことだけではなく介護に関わることや延命処置の有無など、自分の意思が表現できなくなった場合に備えた内容を書くこともあります。書き方は自由ですが、終活を始めたばかりでも書きやすいように製品化されているものがたくさんあります。
エンディングノートを書くメリット
終活というと、お金・持ち物・財産等の整理に加え、自身の終末期のことや葬儀・お墓についてなど、考えることが沢山あります。それらを書き記していくことで、以下のようなメリットがあります。
・終活をスムーズに進めることができる
・相続など財産の扱いについて考え、書き残すことができる
・万が一の際の手続きに関わる自分の意思や情報をまとめておくことで、家族の負担を軽減できる
・医療・介護・終末期について意思を伝えておくことで、家族が迷わずに済む
・葬儀や供養についての希望を伝えることができる
・あらゆる物事との関係を整理することで、残りの人生を豊かに過ごすことにつながる
エンディングノートのデメリット
遺書と同様、エンディングノートにも法的な効力がありません。あくまでも個人的な希望を身内に伝えるためのものであり、相続などの希望を書いていても強制力がないことは覚えておきましょう。
また、自分の希望を一方的に書いてしまうと、無理な内容になり残された家族に負担をかけてしまうこともあります。引き受けることになる家族と相談しながら、現実可能な内容で書くのが良いでしょう。
エンディングノートの入手方法についてはこちらをご覧ください。
◆自治体が配布するエンディングノートについてご存知ですか?
エンディングノートの書き方などはこちらで詳しくまとめています。
◆正しいエンディングノートの書き方について解説します
法的な効力をもつ「遺言書」
遺言書とは
遺言書は、財産をもつ人が自分の死後に財産をどのように相続・処分するのかを書き残す書面です。遺書やエンディングノートとの大きな違いは、法的な効力を持つことです。そのため、書式や作成方法、内容などにも細かい規定があります。開封のタイミングについても決まりがあり、勝手に開封してはいけないことになっています。
内容や書き方が自由な「遺言(ゆいごん)」と区別して、民法が求める一定の方式に従って作成されたものを「遺言(いごん)」といい、その書面を「遺言書(いごんしょ)」といいます。
遺言書を作成することのメリット
法的な効力があることで、作成方法が決まっていることで、次の様なメリットがあります。
・相続人同士がモメることなく手続きができる
・相続人が遺産分割について悩む必要がなくなる
・相続人全員で行う「遺産分割協議」が不要になる
・財産に関わる情報を整理することができる
・相続人が相続財産について把握することができる
・相続人以外にも財産を渡すことができる
遺言書を作成することでのデメリット
遺言書を作成することに大きなデメリットはありませんが、あえて挙げるのであれば、作成に手間がかかる点はデメリットと言えるかもしれません。
種類がいくつかあり、さらには決められた書式で書かれていない場合は効力を失ってしまうので、注意を払って作成する必要があります。
遺言書で残すことができる内容や条件についてはこちらをご覧ください。
◆似ているけれど実は大きく違う「遺書」と「遺言書」
遺言書の種類や書き方についてはこちらで詳しく紹介しています。
◆詳しく知らない?遺書の正しい書き方で無効化を防ぐ
遺書・エンディングノート・遺言書と、それぞれ役割が違いますが、自分の思いを伝えたり遺族の負担を減らしたりすることができます。まだこれから終活を始めるという場合には、まずエンディングノートの作成に取り組んでみることで、必要な準備も見えてくるのではないでしょうか。
終活についてはぜひこちらもご覧ください。
◆終活でやるべきこと。5つのポイント