お役立ちコラム お墓の色々

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4月の季節の行事・イベント・風物詩といえば?お墓参りのタイミングも紹介

供養・埋葬・風習コラム

全国的に暖かさが増し、たくさんの草木が花を咲かせる4月。お花見など春の花を楽しむ行事やイベントが開かれる他、進学や入社に合わせたお祝いの式典が各地で開かれる月でもあります。さらに、この時期には、宗教や地域に根ざした大切な行事も開催されるのですが、どのような行事があるかご存知でしょうか?

今回は、4月の季節の行事やイベントを順に解説し、お墓参りに良いとされるタイミングについても解説していきます。

4月はこんな月

暖かな日差しに包まれる4月

4月は、「春爛漫」という言葉にふさわしく、暖かな日差しのもとで桜をはじめとした様々な花が咲き乱れる、陽気に満ちた季節です。

また4月は、一般的に新年度の始まりの月であり、進学や進級、就職、人事異動などで新生活をスタートさせる人が多い時期でもあります。各地で、入園式や入学式・入社式などが開かれるのと合わせて歓迎会も多く、新生活への期待と不安が入り混じる月と言えそうです。

卯月(うづき)と呼ばれる由来

4月には「卯月(うづき)」という別の呼び名もあります。これは「和風月名(わふうげつめい)」という日本で古くから使われていた月の呼び名です。古いものでは古事記や日本書紀、古今和歌集などにもその記述があるようです。

由来として、「旧暦の4月(現在の5月頃)が卯の花(ウツギの花の別名)が咲く時期であるため」「十二支の4番目が卯であるため」「“う”の音が、「初(うい)」や「産(うぶ)」といった始まりを意味するため」「田植えの時期を指す“植月”が転じた」などの説が知られています。

4月は年度の始まり

日本では、自治体や学校をはじめ、多くの会社や団体において、4月〜3月までを「一年度」として区切る方法が一般的となっており、4月始まりのカレンダーや手帳も売られています。

これは、政府の会計年度が4月始まりであることに関係しています。日本では元々、旧暦の1月始まりの一年間という単位で区切る方法が取られていました。しかし、明治時代に入って4月始まりに変更、法制化されると、これに合わせて学校や多くの企業でも4月始まりが採用され、人々の間に浸透していったようです。

4月の行事・イベント・風物詩

お花見

満開の桜を眺めたり、桜の木の下で食事やお酒を楽しんだりする「お花見」は、春の訪れを祝う日本古来の風習です。桜の名所と言われる場所では、桜祭りなどの春の花を楽しむイベントも多く開催され、人々が桜を楽しむ姿は春の風物詩となっています。

お花見の歴史は古く、平安時代に生まれた宮中で桜を愛でる文化や、農民の間で行われていた桜に豊作祈願をする風習などが元になっていると言われています。

入園式・入学式・入社式・人事異動など

4月は、多くの学校などで入園式や入学式、進級式が行われ、新卒採用に4月入社を取り入れている多くの企業では入社式が行われます。また人事異動の時期でもあり、新しい環境で仕事を始めるという方も少なくないでしょう。

お祝いや歓迎の意味を込めて、贈り物をしたり食事会を開いたりすることも多く、お祝いムードの高まる時期となっています。

花まつり(灌仏会/かんぶつえ)

花まつりは、仏教の開祖であるお釈迦様の誕生日とされる4月8日に合わせて営まれる伝統ある仏教行事で、全国の寺院を中心に、法要や読経、稚児行列といった地域のイベントなどが行われます。お釈迦様の生誕を祝い、その教えやご縁への感謝を示すこの行事は、「灌仏会(かんぶつえ)」「花会式(はなえしき)」「降誕会(ごうたんえ)」などとも呼ばれ、仏教の3大法要の一つとされています。

「お釈迦様の生誕の際に、竜が空から甘露の雨を降らせた」との言い伝えから、お釈迦様が生まれた時の姿を表した誕生仏に、参拝者が甘茶をかけて拝む儀式や、甘茶の振る舞いなど行われるところもあります。

花まつりの由来や行事の内容など詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

花まつり(灌仏会/かんぶつえ)とは?お釈迦様の誕生日を祝う行事を紹介

十三詣り

十三詣り(十三参り)とは、数え年で13歳になった男女が、4月13日に寺社に参拝し成長と健康を祈願する、日本に古くから伝わる行事です。知恵の神様として知られる虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)に知恵を授けていただくという意味合いもあり、「知恵参り」「知恵もらい」とも呼ばれています。

近年では、新6年生となる春や中学進学に合わせて、春休みやゴールデンウイークに、晴れ着で寺社に参拝する方も増えているようです。

十三詣りの由来や詳しい時期については、こちらの記事で詳しく解説しています。

十三詣り(十三参り)はいつするの?お参りの時期や由来・意味・風習などを解説します

シーミー(晴明祭)

シーミーとは、沖縄でとても大切にされているお墓参りの行事で、二十四節気の5番目にあたる「清明」の時期(4月5日頃~4月19日頃)に、親族でお墓に集まり子孫繁栄を祝います。沖縄特有の大きなお墓の前でレジャーシートを敷き、親族が集まってご馳走を食べながら賑やかに過ごす様子は、沖縄の春の風物詩となっています。

シーミーについて詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

沖縄の祖先供養の行事② お墓で賑やかに。ご先祖と楽しむ「晴明祭」

その他の4月の風習・祝日・記念日

エイプリルフール

4月1日といえば、「エイプリルフール」が浮かぶ方も多いかもしれません。これは、4月1日だけは笑える悪戯や嘘が許されるという風習です。

この風習の起源は諸説あり、はっきりと分かっていないようですが、日本には大正時代に欧米から伝わったと言われています。最近では、SNS上に工夫を凝らした嘘を投稿して友人同士で楽しんだり、企業がユニークなジョークや企画を掲載して注目を集めたりと、インターネット上で冗談を交えたコミュニケーションを楽しむ人も増えています。

昭和の日

4月29日は、「昭和の日」という国民の休日です。「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧(かえり)み、国の将来に思いをいたす」という趣旨で制定されました。

この日は昭和天皇の誕生日であり、元号が平成に変わってしばらくは、「みどりの日」とされていました。しかし2007年の祝日法改正の際、5月4日(「憲法記念日」と「こどもの日」に挟まれて「国民の休日」とされていた)に「みどりの日」を移動し、4月29日は「昭和の日」として新たに定められました。

イースター(復活祭)

日本では馴染みがないという方も多いかもしれませんが、4月はイースターの季節です。イースターは「復活祭」と呼ばれ、イエス・キリストの復活と春の訪れを祝うお祭りです。欧米のキリスト教圏の国では、イースターの前後が祝日となるところもあり、キリスト教においてはクリスマスと並んで重要なイベントとなっています。

イースターの日は、キリストが復活した日にちなんで、「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」とされているため、毎年日付が変わります。また、宗派によっても暦の考え方に違いがあり、日付が異なるようです。

お墓参りに良いタイミングはいつ?

お花見を兼ねたお墓参り

桜は、追悼の意味で植えられることも多く、人の死後をも見守ってくれる存在として大切にされてきました。全国には桜の名所として知られる寺院や霊園もあり、春にはお花見を兼ねてお墓参りをされる方も少なくありません。

春らしいお菓子や桜の花をお供えし、故人やご先祖様と一緒に春の訪れをお祝いするのも良いでしょう。

桜とお墓の関係については、こちらでも詳しく解説しています。

お墓と桜の関係は?花言葉から探す追悼や悲しみをあらわす春の花

入園・入学・入社、十三詣りなど成長の節目に合わせて

お子さんの成長をお祝いするタイミングも、故人やご先祖様への報告のお墓参りに良い機会です。新しい制服姿や十三詣りの晴れ着姿、進学や入社の報告に、ご先祖様も喜ばれるはずです。今後の抱負や目標を伝えて、「見守っていてください」とお祈りするのも良いでしょう。

宗教や地域の行事に合わせて(花まつり、イースター、シーミー)

花まつり(灌仏会)は、お釈迦様の教えに感謝するだけでなく、命に感謝し、子どもたちの無病息災を願う行事でもあります。命の尊さを改めて感じ、ご先祖様とのつながりに想いを馳せるという意味でも、お墓参りをするのに良い機会と言えるでしょう。

沖縄のシーミーは、お墓に親族が集まるということで、ご先祖様も含めた親族の繋がりを大切にする文化の象徴とも言える行事です。

キリスト教の行事であるイースター(復活祭)でも、教会の共同墓地でのお墓参りを兼ねた礼拝が行われたり、教会で礼拝をした後にお墓の掃除やお墓参りに行ったりすることがあるようです。

暮らしに根付いているこれらの行事は、神仏や故人、先祖様に感謝や祈りを捧げる機会となっています。「花まつり」という名前や、春に行われるシーミーのお祝い、イースターの春の訪れを祝う意味合にちなみ、それぞれの行事に合わせて、墓前に季節の花をお供えするのも良いでしょう。

昭和の日に際し、時代を支えてくれたご先祖様の供養を

昭和という時代は、長く苦しい戦争、戦後からの復興、高度経済成長と、人々の生活に大きな変化があった時代であり、このような時代を生きたご先祖様たちのおかげで、今の私たちがあります。

「この時代を顧み、国の将来に思いをいたす」という意味を心に留め、昭和の時代を支えてくれたご先祖様や故人に、「今、私たちは幸せに生きています」という報告や、「見守ってくださっているおかげです」という感謝を伝えるためにお墓参りをするのも良いのではないでしょうか。平和に暮らせている様子を、ご先祖様も喜んでくださることでしょう。

まとめ

4月の季節の行事やイベント、記念日について紹介してきました。植物や生き物など命の目覚めや誕生の季節であり、新年度ということで実質的に仕事や生活の区切りとされることも多い4月は、始まりのエネルギーにあふれお祝いのための行事やイベントも多くあります。これは、「春の訪れや人生の門出の喜びを分かち合いたい」という、多くの人々の想いの表れと言えるのかもしれません。

春は、お供えに適した果物や花が手に入りやすくなってきます。外出しやすい時期にもなりますので、ご先祖様と一緒に春を祝う気持ちで、お墓に足を運んでみるのも良いでしょう。

一方で、4月は雨の日も多く、命を育む恵みの雨とはいえ冷え込むこともあります。季節の変わり目や生活の変化で体調を崩しやすい時期でもありますので、無理せず過ごすようにしましょう。

喪中や忌中の入学などのお祝いや、お墓参りのマナーについての記事もありますので、合わせてご覧ください。