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花言葉からみる、お墓参りにおすすめの花【夏の花編】

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花言葉からみる、お墓参りにおすすめの花【夏の花編】

お墓参りのお供えとして欠かせない花。お墓にお供えする花には、場を清め参拝する人の心を穏やかにする、供養の気持ちを表す、仏様を美しくお飾りするなどの意味が込められています。

仏花の定番と言えば菊や百合などですが、季節の花や故人が好きだった花をお供えするのも良いとされています。中には、「供養の気持ちを表現するのに良い花が他にもないの?」と探している方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、「花言葉からみる、お墓参りにおすすめの花」ということで、追悼や悲しみを表す花言葉を持つ花を中心に、気持ちに寄り添う、夏のお墓参りにおすすめの花をご紹介していきます。

追悼や悲しみの花言葉をもつ夏の花

マリーゴールド

黄色やオレンジの花を咲かせ、その育てやすさからガーデニングでも人気のマリーゴールド。開花期間が4月〜10月と長く、夏には切り花として花店にも出回ります。

元気が出るような明るい色の花を咲かせるマリーゴールドは、「健康」「可憐な愛情」といった花言葉がある一方で、「悲嘆」「悲しみ」という花言葉もあります。大切な人を失った悲しみに寄り添いつつ、お墓を明るく彩ってくれるでしょう。

ちなみに、原産地であるメキシコでは、年に1度の「死者の日」に故人が大切な人のもとに帰る目印として、祭壇にマリーゴールドを飾るそうです。

トルコキキョウ

トルコキキョウは初夏から夏にかけての花で、フリルのように重なった花びらは、華やかさの中にも上品さを感じさせます。色の種類も多く、日持ちするため、お墓のお供えとしてもよく使われます。

花言葉には、「永遠の愛」「希望」があます。「故人をいつまでも思っています」「希望を持って生きていきます」といったメッセージを込めてお供えするのも良いでしょう。色の種類も多く、紫は「希望」、白は「思いやり」、ピンクは「優美」、緑は「よき語らい」といった色ごとの花言葉もあるため、故人の人柄や伝えたいメッセージに合わせて選ぶのも良いかもしれません。

デンファレ

デンファレは、初夏から秋口にかけて胡蝶蘭に似た花をつける、南国感のある華やかな雰囲気の花です。一本の茎にたくさんの花をつけるためボリューム感があり、下のつぼみから順に咲いていくため長く楽しめることから、フラワーギフトやお供えによく使われます。

花言葉は「思いやり」。これは、デンファレが地面ではなく他の木の上や岩などに根を張り、空気中の水分などを吸収して生きる様子から、思いやりを持ち譲り合って生きる植物と考えられたことに由来しているようです。
デンファレをお供えすることで、優しかった故人の人柄を偲んだり、故人を思いやる気持ちを伝えたりすることができるでしょう。

その他、夏のお墓参りにおすすめの花

夏には、強烈な日差しや暑さに強い、日持ちの良い花をお勧めします。茎が固くて丈夫な花、一つの茎にいくつも蕾がついて順々に咲いていく花などは、長く咲いてくれるものが多いです。最近は、旬でない花も生花店で手に入りやすくなっていますが、暑い時期に咲く花は暑さに強いものも多いため、もともと暑い地域で育つ花や、夏に見頃となる花を選ぶのも良いでしょう。
今回ご紹介する花では、グラジオラスは4〜10日、ケイトウ、キキョウ、オミナエシは4〜7日、ヒマワリは4〜5日ほど日持ちするようです。

グラジオラス

グラジオラスは、6月〜8月頃にかけて、細くスラっと伸びた茎の先にたくさんの花を咲かせる美しい花です。デンファレと同様に下から順番に咲いていくので、ボリュームがある上に花持ちもよく、更に暑さにも強いため、夏のお墓のお供えとして人気があります。
赤や黄色、ピンク、水色など、様々な色があるため、他の花に合わせて選べるのも、お供えに重宝される理由と言えそうです。

ケイトウ

フワフワ、モコモコとした柔らかな質感の花が特徴的なケイトウも、お墓や仏壇のお供えとしてよく使われます。花の形が、鶏のトサカ(頭)に似ていることから名付けられたと言われており、色鮮やかな花がお墓を彩ってくれます。
真夏の炎天下でも元気に咲くほど丈夫で、開花時期も7月〜11月ごろまでと長いため、お盆や秋のお彼岸に供える仏花としても定番となっています。

ヒマワリ

夏の代表的な花の一つであるヒマワリも、お墓のお供えとして選ばれることもあります。黄色い花が周りを明るく彩り、夏らしさを感じさせてくれるでしょう。
太陽に向かって大きく花を開く様子から、「あなたは素晴らしい」「あなただけを見つめる」「憧れ」「情熱」といった花言葉もあるため、故人への感謝や敬意を込めてお供えするのも良いかもしれません。

ちなみに、ヒマワリには100を超える品種があります。中でも紫のヒマワリには「悲哀」の花言葉があるため、悲しみに寄り添ってくれる花として選ぶのも良いでしょう。

キキョウ 

キキョウ(桔梗)は、花びらが5角形の星形に開く、日本的な落ち着いた雰囲気が感じられる花です。秋の七草の一つに数えられますが、初夏から秋までと開花期間が長く暑さにも強いこと、白や紫の花がお悔やみの場にも相応しいとされることから、夏のお供えにもよく使われます。
「変わらぬ愛」「誠実」という花言葉もあるため、故人に対する変わらない愛情を込めてお供えするのも良いでしょう。

オミナエシ

オミナエシは、茎の先端に、多数の黄色く小さい花を咲かせます。キキョウと同じく、秋の七草の一つとして日本で古くから親しまれていますが、開花時期が7~10月頃とされ花持ちもよいため、夏のお供えとしても向いています。

オミナエシは漢字で「女郎花」と書きます。「女郎」と聞くとあまり良いイメージを持たない方もいらっしゃるかもしれませんが、元は若い女性や高貴な女性を表す言葉とされ、花言葉にも「美人」があります。「親切」との花言葉もあるため、故人の人柄に合わせて選ぶのも良いでしょう。

お盆に飾られる花

夏はお盆の季節です。一般的には秋が見頃と言われる、ホオズキやリンドウも、お盆の飾りやお供えとして重宝されています。

赤く色づき膨らんだホオズキは、お盆に帰ってくるご先祖様の「目印となる提灯の代わり」、「魂が宿る場所」として、花と一緒にお墓や仏壇に飾る地域が多くあります。
リンドウは、その落ち着いた雰囲気や、暑さに強く日持ちすることから、お盆にお墓や仏壇にお供えする花の一つとして選ばれることが多いようです。

お供えにはタブーとされている夏の花

お墓にお供えする花は、故人の好みや季節に合わせて比較的自由に選ぶことができますが、中には、相応しくないとされ避けた方が良い花もあります。棘や毒がある花、ツル状の花、香りが強すぎる花、縁起が悪いと言われる花などです。

「故人が特に好きだった」ということであれば、絶対にダメということはありませんが、お墓の場合、周りの迷惑になってしまう可能性もあります。
棘などを取り除いた上で、お参りの時間だけお供えしてすぐに持ち帰る、お墓へのお供えは控えて仏壇などに飾るなど、周囲に配慮すると良いでしょう。

夏に注意した方が良いとされる花を紹介しておきます。

毒のある花

夏に花を咲かせる植物の中でも、「夾竹桃(キョウチクトウ)」は毒性が強いことで知られています。庭木として人気がありますが、花、葉、枝、根、果実、すべてに強い毒があります。毒は土や水にも溶け出し、燃やすと有毒な煙を出すとされ、口にしたり吸い込んだりすると命に関わることもあるため、切花としてお供えに使うのは避けましょう。

棘のある花

「アザミ」は一部の種類を除いて夏から秋にかけて咲きます。手入れが簡単で育てやすくガーデニングに用いられることもありますが、棘があり、参拝者やお墓を管理する人に迷惑をかけてしまう可能性もあるため、お供えには相応しくないとされています。

ツル状の花

「アサガオ」は夏を代表する花として人気がありますが、ツル状の植物ということでお供えには向かないとされています。
また、昔から庭木として親しまれてきた「ノウゼンカズラ」、近年ガーデニングでよく使われるようになっている「サンパラソル」もツル植物です。

ツル状の植物は生命力が強く、そのままにするとツルが伸び、周囲に巻き付いてしまう可能性があります。また、ツルが絡みつく様子が成仏できないことを連想させることから、縁起が悪いと感じる人もいるため、お墓へのお供えは控える方が良いでしょう。

まとめ

夏の花には、色が鮮やかで明るくエネルギッシュな印象のものが多くあります。暑さで気が滅入ることもあるかもしれませんが、力強く咲き誇る花々は、あふれる生命力や先祖代々受け継がれてきた命のあり方を感じさせてくれます。

故人やご先祖さまを思いながら花を選ぶこと、お墓に足を運んで心を込めて花を供えることは、その行為自体が供養になるとともに、お墓にお参りする私たちの心も清らかにしてくれます。時には巡る季節を感じながら、故人の人柄や、自身の気持ちを表す花をお墓に手向け、故人と過ごした日々に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

年々、夏の暑さが厳しくなっています。お盆もやってきますが、夏のお墓参りは無理のない予定を立て、暑さ対策をしっかりして行くようにしましょう。

お墓参りにおすすめの季節の花について、他の季節についてもまとめています。よろしければ合わせてお読みください。
花言葉からみる、お墓参りにおすすめの花【春の花編】

お墓に花を供える意味や、マナー、花選びについてはこちらの記事で解説しています。
なぜ?お墓に花を供える理由とは?
お墓に菊をお供えするのはなぜ?

夏のお墓参り、お盆のお墓参りについての記事も合わせてお読みください。
夏のお墓参りの注意点〜熱中症への備えと気をつけるべきポイント〜
お盆にお墓参りをするべき理由と必要なものとは