お役立ちコラム お墓の色々
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7月の季節の行事・イベント・風物詩といえば?お墓参りのタイミングも紹介

強い日差しとともに、本格的な夏の訪れを感じる7月。七夕や夏祭りといった季節感あふれる行事が各地で行われ、にぎわいを見せます。祝日「海の日」を含む三連休や、子どもたちの夏休みに合わせて、レジャーや旅行を楽しむ方も多いのではないでしょうか。地域によっては、お盆を7月に迎えるところもあり、家族で集う機会が増える月でもあります。ほかにはどんな行事やイベントがあるのでしょうか?
今回は、7月の季節の行事やイベントを順に解説し、お墓参りに良いとされるタイミングについても紹介していきます。
7月はこんな月
夏の勢いを感じる7月
7月は、いよいよ本格的な夏の幕開けです。地域によっては梅雨が続いているところもありますが、梅雨明けとともに気温が一気に上昇し、蝉の声や入道雲、強い日差しなどが夏らしさを運んできます。体力を消耗しやすくもなるため、熱中症に気をつけ、水分補給や体調管理を意識した過ごし方が大切になってきます。 社会人にとっては、祝日や休みがあまりない7月ですが、小・中・高校などでは夏休みに入る学校も多く、子どもたちのにぎやかな声が街に広がる季節でもあります。
文月(ふみづき)と呼ばれる由来
旧暦7月は「文月(ふみづき)」と呼ばれ、今も7月の別名として使われています。このような日本古来の月の呼び名を「和風月名」といいます。
「文月」の由来にはいくつかの説があります。一つは、七夕の頃に書物を広げて虫干しをする風習があったことから、書物(文)をひらく(披く)という意味の「文披月(ふみひろげづき・ふみひらきづき)」が転じたという説。また、稲に穂が付き始める時期にあたることから、「穂見月(ほみづき)」「穂含月(ほふくづき)」「含み月(ふくみづき)」が転じたとする説もあります。
その他にも、七夕にちなんだ「七夕月」や、織姫と彦星の伝説に由来する「愛逢月(めであいづき)」というロマンチックな呼び名、旧暦7月のお盆に親のお墓参りをすることにちなんだ「親月(しんげつ)」、秋の気配を感じる「涼月(りょうげつ・れいげつ)」「秋初月(あきはづき・あきそめつき)」など、多様な呼び名が残されています。
夏ならではの行事と生活の変化
7月といえば、花火大会や夏祭り、海や山でのレジャーなど、夏ならではの行事が各地で始まり、本格的なレジャーシーズンの幕開けとなります。イベントや旅行、帰省を前に、夏の賑わいや高揚感が日々の中にも広がっていく月と言えるでしょう。 家庭では、エアコンや扇風機がフル稼働。冷たい飲み物や食べ物、打ち水や風鈴、冷感グッズなど、涼を呼ぶ工夫が暮らしのあちこちで活躍します。
7月の行事・イベント
七夕(たなばた)
七夕は、「7月7日の夜、織姫と彦星が天の川を渡って年に一度だけ会える」という星の伝説にちなんだ、日本を代表する夏の行事です。短冊に願いごとを書いて笹や竹に飾る習わしがあり、芸事の上達や家族の健康など、さまざまな願いが込められます。地域によっては七夕祭りが盛大に催されることもあります。
また、旧暦の7月が本来のお盆にあたることから、この日を境にお墓掃除や盆の準備を始める地域もあります。
七夕の起源や由来となった伝説などについては、についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
◆七夕(たなばた)とはどんな行事?〜起源や由来、地域の風習などを解説〜
解除会(げじょえ)〜お寺で行われる夏越の祓え〜
7月に行われる「解除会」は、茅の輪をくぐり、ご本尊様に無事に夏を越せることを祈る仏教行事で、6月末に神社で行われる「夏越の祓え(なごしのはらえ)」と深い関わりのある法要です。 その起源は平安時代、この季節に流行した疫病や災厄を鎮め除くために、奈良の東大寺で盛大な法要が行われたことにあると伝えられており、今でも奈良の寺院や、神仏習合の寺院などで法要が営まれています。なかでも東大寺で毎年7月28日に行われる法要は有名で、大仏殿の中に茅の輪が設けられ、参拝者がくぐって心身を清めます。
お盆(7月盆)
お盆は、夏にご先祖様の霊を迎え供養する、日本の伝統的な行事です。
明治時代に旧暦から新暦に変更されるまでは、旧暦の7月15日に行われていたもので、現在では、その時期にあたる「8月13日〜16日」に行うのが主流となっています。
一方で、東京都・神奈川県・北海道・石川県・静岡県などの一部地域では、旧暦の「7月15日」の日付をそのまま新暦に置き換え「7月13日〜16日」に行う「7月盆」の風習が、今も受け継がれています。
迎え火や送り火、仏壇へのお供え、お墓参りなどをして過ごし、地域によってはお祭りなどの催しが行われることもあります。 お盆の時期やしきたりなどについては、こちらも合わせてお読みください
夏祭り・納涼祭
7月は全国各地で夏祭りや納涼祭が始まる時期です。浴衣姿の人々や屋台の賑わい、花火大会など、日本の夏らしい風景が広がります。 なかでも、数百年の歴史を持ち、日本三大祭りに数えられる京都府・八坂神社の「祇園祭」、大阪府・大阪天満宮の「天神祭」、国の重要無形民俗文化財にも指定されている福岡県・櫛田神社の「博多祇園山笠」、日本三大七夕祭りの一つである神奈川県の「湘南ひらつか七夕まつり」などは、いずれも規模が大きく、多くの観客で賑わいます。
夏のお祭り欠かせない花火については、こちらの記事もご覧ください。
7月の祝日、風物詩
海の日(7月第3月曜日)
海の日は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という趣旨で制定された国民の祝日です。
当初は7月20日でしたが、ハッピーマンデー制度(国民の祝日の一部を、土日と合わせた3連休になるよう月曜日に移動させた法改正)により、2003年からは7月の第3月曜日に変更されました。
6月は祝日がないため、ゴールデンウィーク以来の連休となり、各地で海に関連したイベントも行われます。
お中元・暑中見舞い〜夏のご挨拶〜
お中元は、日頃お世話になっている方や仕事上の取引先、遠方にいる家族・知人へ感謝の気持ちを込めて贈る夏の贈り物。暑中見舞いは、夏の暑さの中、相手の健康を気遣う季節の挨拶状です。どちらもお盆と深いつながりがあり、お中元はお盆に家族や親族間でお供え物を贈り合っていた風習に由来します。また、遠方で贈り物を持参できない相手に書状を出していたことが、暑中見舞いの原型とも言われています。
お中元は地域のお盆の時期に合わせて、7月〜8月のお盆前に贈るのが一般的です。暑中見舞いは、二十四節気の小暑(7月7日頃)〜立秋の前日(8月7日頃)の間、梅雨明けを目安に出すのがマナーとされています。
蓮の花
お盆にお供えされることがある蓮の花も、梅雨明けを告げる7月の風物詩のひとつです。
「蓮は泥より出でて泥に染まらず」という言葉の通り、泥の中にありながら凛とした清らかな花を咲かせる姿は、仏教の教えにも通じるとも言われ、古くから親しまれてきました。
世界の約 130 種類の蓮が集まるという福井県・「花はす公園」、あじさい寺としても知られる京都府・「三室戸寺」、遊覧船から蓮の花を楽しめる宮城県・「伊豆沼、内沼」など、全国には蓮の名所が点在し、この時期ならではの美しい風景を楽しむ人々でにぎわいます。
蓮の花と、仏教やお墓、お盆との関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
土用の丑の日
「土用」とは、季節の変わり目にあたる、立春・立夏・立秋・立冬の前、およそ18日間の期間を指します。その中で「丑の日」にあたる日が「土用の丑の日」なのですが、中でも立秋を前にした、夏の土用の丑の日を指すのが一般的で、この日にうなぎを食べる習慣が根付いています。
これは、梅雨明けで暑さが厳しくなるこの時期に、体をいたわり精が付くものを摂るとよいとされたこと、特に「丑」の「う」との語呂合わせから、梅干し、うどん、瓜(うり)など「う」のつく食べ物は縁起が良いとされたことに由来するとも言われています。
うなぎが定着したきっかけには、江戸時代の蘭学者・平賀源内が、夏場に売上げが落ちる鰻屋に「土用の丑の日」と書いた張り紙を勧めたところ、店が大繁盛したという逸話も残っています。
2025年放送のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」でも話題となった、平賀源内については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
◆【日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ】平賀源内のお墓はどこにある?
7月のお墓参りにおすすめのタイミング
七夕(七日盆)〜お盆の準備を始める目安に〜
七夕の日は、旧暦のお盆に由来する「七日盆(なのかぼん・なぬかぼん)」とも呼ばれ、先祖供養の準備を始めるタイミングとしても親しまれてきました。
現在の暦では梅雨明け前の地域も多いですが、晴れ間がのぞく日には、お盆に備えてお墓掃除をしておくのもおすすめです。早めにお墓を訪れて整えておくことで、ゆとりを持ってお盆当日を迎えられるだけでなく、心を込めた準備にもつながります。 ご先祖さまにも星への願い事を見守ってもらえるよう、日頃の感謝を込めて手を合わせると良いでしょう。織姫と彦星が年に一度だけ会うことのできるこの日は、ご先祖さまとの絆をあらためて感じられる特別な一日にもなりそうです。
解除会に合わせて心身を清める
寺院で行われる仏教行事「解除会」は、夏の無事を祈る法要。地域や寺院によっては、大仏殿に茅の輪が設けられ、参拝者がくぐることもあります。 この時期にお墓を訪れるのは、心身を清める意味でもおすすめです。ご先祖さまに日頃の感謝を伝え、この夏も家族を見守ってくださるよう祈るひとときは、穏やかで気持ちのよいものになるでしょう。
お盆(七月盆)に合わせて
地域によっては、7月13日〜16日にお盆を迎える「七月盆」。7月の別名、親のお墓参りにちなんだ「親月(しんげつ)」の呼び名にもあるように、ご先祖さまに心を寄せるお墓参りの時期です。とはいえ、会社などのお盆休みが8月という方も多いため、7月盆の期間中にお墓に行けない場合は、「海の日」を含む3連休を活用するのも一つの方法です。 また、梅雨の時期は墓石が汚れやすく雑草も伸びやすいため、8月にお盆を迎える方も、少し早めにお墓掃除をしておくと安心です。余裕をもってお墓を丁寧に整えることができ、お盆当日は落ち着いてご先祖様の供養に向き合うことができるでしょう。
まとめ
7月の季節の行事やイベント、風物詩について紹介してきました。
7月は、夏のレジャーとともに、七夕や解除会、夏祭り、お中元や暑中見舞いなど、伝統行事や風習でもにぎわう季節です。星に願いを込める、厄を払う、地域で神事を行う、会えない人への気づかいを形にする・・・こうした行事には、自然のめぐりや人とのつながり、そしてご先祖さまへの感謝や平穏を願う心が込められています。日々の暮らしの中で、それぞれの行事に触れてみることで、あらためて命や季節の尊さに気づくきっかけになるかもしれません。 お墓参りの際は、暑さや虫よけの対策をしっかりと行い、無理のないペースで、心静かにご先祖さまと向き合う時間を過ごせるよう心がけましょう。
夏のお墓参りの基本や、注意点、お供えにおすすめの花について解説している記事もありますので、合わせてお読みください。