お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

お墓をめぐる家族・親族間、改葬のトラブルとその解決法

供養・埋葬・風習コラム

お墓をめぐる家族・親族間、改葬のトラブルとその解決法

お墓にまつわるお困りごとは、大なり小なりどなたもお持ちではないかと思います。「しっかりとした供養をしたい」という想いから行ったことが、思わぬ形で大きなトラブルになる場合もありますし、お墓に対する理想と現実の間で、悩みをもたれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
たとえば、家族や親族間でのトラブル、お金に関するトラブルは、プライバシーに関わることでもあり、なかなか相談できずひとりで抱え込まれているケースも少なくないでしょう。

ここではトラブルの例をいくつかご紹介し、その解決法を探っていきます。

家のお墓には誰が入れるのか?

「お墓は長男が継承し、次男や三男は新しくお墓を建てなければならない」
「他家に嫁いで姓が変わった娘は、実の両親と一緒のお墓には入れない」
と考えられる方は少なくないと思われます。

では、実際はどうでしょうか。

公営墓地や民間霊園では、一緒のお墓に入れる人の範囲を、お墓を引き継いだ人からみて「6親等内の親族、配偶者、3親等内の姻族」としていることが一般的です。

つまり、「1親等の娘、2親等のきょうだい」はもちろん、「4親等のいとこ」と同じお墓に入ることは、規約上、何ら問題はありません。

そのことを踏まえた上で、まず家族で話し合いをすることが解決への第一歩です。慣習にとらわれすぎずに相手方の想いをよく聞いて理解しようとすることが大切だと思います。

そして、そのうえで「双方の希望を叶える供養の仕方はないのか?」「双方の希望を叶えるお墓の建て方はないのか?」など、困ったことがあれば、お近くの寺院や石材店に相談してみるのもよいでしょう。

夫婦間でのお墓のトラブル

夫婦間でもお墓に関するトラブルがあります。たとえば、
「妻が自分の実家のお墓を心配し、そのため実家のお墓に入りたがっている」
「先祖代々のお墓ではなく、家族だけのお墓に入りたい」
というような理由によるものです。

このような場合も法律上明確な決まりはないので、まずは話し合いで解決することとなります。

また、具体的な解決例として挙げられるのは「両家墓にする」「夫婦墓を建てる」です。

時代の変化とともに様々な供養の方法や新しいお墓の建て方も出てきています。石材店や霊園など専門家に相談すると、ご自身だけでは思いつかなかった専門家ならではのアイデアを提案してもらえる場合もあるのでおすすめです。

なお、「両家墓」「夫婦墓」に関する記事が他にもございますのでご覧ください。
費用から考える、あなたにあったお墓とは?

近年増えている夫婦墓とは?

地方にあるお墓の管理ができなくなった

地方から都会へ出てきた人の中には、「地方にある先祖代々のお墓は、場所も不便でお墓参りにもなかなか行けない」「田舎の家族が管理できなくなった」というお困りごとを持つ人もいます。

その解決策の1つが「改葬(お墓の引っ越し)」です。
お墓を地方から自宅の近くへと引っ越しさせることで、お墓の管理やお墓参りがしやすくなります。

ただ、改葬には市区町村での手続きが必要となり、自分の先祖のお墓であっても無断に移すことはできません。また改葬した後には、墓石を撤去し、墓地を更地に戻して管理者に返す必要があります。

また改葬先のお墓は、新しい墓石を建てることが条件になっている墓地が少なくないです。たとえその条件がない場合でも、新しく墓石を建立するほうが古い墓石を運搬するよりも安いケースもあります。なお、古い墓石は処分しなければならないことが一般的です。

この観点からも、お近くの墓石店に相談してみることはとても有効です。

そして、改葬に関しても、事前に親族に了解を得ておくことをおすすめします。なぜなら「お墓を動かすと子孫が途絶える」「墓石を壊すと親族に災いが起きる」というような墓相やお墓の吉凶に起因した考えをお持ちの方が、親族の中にもいる可能性があるからです。自分の供養のことで子どもや孫たちがもめることは、ご先祖様もきっと望んではいないでしょう。

お墓づくりは個人だけの問題ではない部分があります。自分の気持ちだけでなく、家族や親族の気持ちも考えつつ、考えてみてください。

「改葬」についての詳細記事がございます。ぜひご覧ください。
お墓の移動、引っ越し(改葬)について知っておくべきポイント

お墓の引っ越し「改葬」に必要な手続きリスト

お墓の移動・引っ越しってどうやる?できる?詳しく解説します

改葬をきっかけとしたトラブル…高額な離檀料請求された

改葬しようとするお墓が菩提寺にある場合、離檀料と称するお布施として高額な金額を菩提寺から要求された方もいらっしゃるそうです。

お布施は本来、お寺側から請求されるものではなく、それに対する支払い義務もありません。またお布施を払わなかったからといって、改葬できないわけでもないです。

ただ、お墓の維持管理や先祖祭祀でお世話になった菩提寺に対する礼儀やマナーは大切です。たとえば、お寺に感謝の気持ちを伝え、お布施として、過去に行った法要を目安にお礼を渡すことは、一般的であると思われます。

まずは、改葬の意思があることやその事情を事前に菩提寺に伝え、しっかりと意思の疎通をはかりましょう。

その上で法外な離檀料を要求された場合は、決してひとりで悩むことなく、お墓の改葬などを扱っている石材店はもちろん、法律の専門家などにも相談してみるとよいでしょう。

まとめ

ここまでの事例を振り返ってみると「しかるべき人と事前に話し合いを重ねていれば、トラブルにならずに済んだ」ものが少なくありません。

言い換えれば、トラブルの原因には「話し合い不足」「意思疎通ができていない」といった側面があるようです。

もちろん「それが原因のすべて」というわけではありませんが、関係者とのコミュニケーションを密にしておくことは意識しておいてよいでしょう。

その上で、問題解決に行き詰まってしまった時は、お近くの石材店に相談してみるのもよいでしょう。過去にご自身と似たようなお困りごとを抱えた方々が、どのような方法でトラブルを回避されたのか、円満にお墓づくりや供養をされたのかを教えてもらうことで、ご自身の参考になったり、問題解決の糸口につながったりすることもあるでしょう。