お役立ちコラム お墓の色々

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「コレはNG!」喪中のお正月、基本のマナーや過ごし方を解説

葬祭基礎知識

「コレはNG!」喪中のお正月、基本のマナーや過ごし方を解説

家族が亡くなってから最初のお正月は、喪中ということで、年賀状や「おめでとう」の挨拶などのお祝い事を控えて過ごすのが一般的となっています。
では、正月飾りや初詣、おせち料理、お年玉など、その他の習わしについても控えるべきなのでしょうか?

今回は、喪中のお正月に控えるべきことと、おこなっても良いことについて、それぞれの習わしの意味や由来などにも触れながら解説します。時代の変化とともに喪中の過ごし方も変化していますが、基本的な考え方を押さえておくことで対処しやすくなるでしょう。

そもそも喪中とはいつまで?

「喪中」とは、身内の死に際して、その死を悼み、お祝い事や派手な行動を慎んで喪に服す期間のことです。喪中期間の長さは、昔の法令のなごりから故人との関係性によって異なるとの考え方もありますが、現代では、二親等までの親族が亡くなった際、命日から一周忌(翌年の同月同日)までの1年間(または13ヶ月間)を喪中とするのが一般的です。

なお、喪中の期間内でも特に、四十九日法要まで(神道では五十日祭まで)は「忌中(きちゅう)」と呼ばれ、死を悼むだけでなく、外部との接触をできるだけ控えて故人の冥福を祈る期間とされています。

喪中と忌中について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
忌中と喪中の違い、喪中にやってはいけないこととは?

喪中のお正月の過ごし方

前述の通り、喪中は命日から1年間と考えるのが基本となっているため、二親等までの親族が亡くなってから最初に迎えるお正月は、喪中の期間中となります。喪中は、派手な行動やお祝い事を控えるのが基本の考え方ですので、お正月を祝う目的の行事や習わしも控えることが無難とされています。
何を控えなければならず、何を行っても良いのか、地域などによっても様々な考え方がありますが、今回は広く一般に言われている過ごし方について解説していきます。

年賀状や新年の挨拶、お年賀は控える

喪中に新年を迎える場合、新年の祝賀を伝える年賀状や、お祝いの贈り物であるお年賀、「おめでとう」という挨拶は控えます。普段から年賀状のやり取りがある相手や故人がお世話になった相手には、喪中はがきを出して年賀欠礼の挨拶をするのが一般的です。喪中はがきは、10月下旬頃から、遅くても12月上旬頃には相手に届くように送ると良いでしょう。

12月や年末に不幸があり喪中はがきの準備が間に合わなかった場合や、年賀状を受け取った場合には、「松の内」の明けから2月の「立春」(2月4日前後)までの間に、寒中見舞いとして年賀状のお礼や挨拶を送るようにします。新年の贈り物をしたい場合にも、この期間に寒中見舞いとして贈ると良いでしょう。「松の内」は地域によって日にちが異なるため、1月15日までと考えておくと安心です。
なお会社関係の取引先などに対しては、基本的に喪中はがきは必要なく、通常通り年賀状を出して問題ありません。

新年の挨拶について、お正月は外出先などで「おめでとうございます」と挨拶されることもありますが、その時には、「旧年中はお世話になりました」「今年もよろしくお願いします」といった挨拶を返すと良いでしょう。

喪中はがきの出し方については、こちらで詳しく解説しています。
喪中はがきはいつまでに出す?喪中はがきの意味やマナーを解説
押さえておきたい喪中はがきの書き方〜ルールや文例を紹介

お正月飾りは控える

門松、しめ飾り、鏡餅といったお正月飾りは、神道において歳神様をお迎えするための習わしに由来しています。神道では死を穢れと考えることから、これらのお正月飾りは控えるのが一般的です。

なお、神道では、身内が亡くなってから50日までの忌中に当たる期間は、神棚を封じて触れないようにする風習があります。忌明け後は封印を解き、通常通りお祀り(お供えやお参り)して問題ありませんが、お正月飾りは行わないのが基本とされています。年末に交換することの多いしめ縄も、喪が開けるのを待って交換するのが良いようです。

初詣は、時期やお詣りする先を考える

喪中の場合、慎む人が多い初詣ですが、初詣とは本来、年が明けて初めてのお詣り(おまいり)のことでありお祝いが目的ではないため、控える必要はないとされています。
ただし、死を穢れと捉える神道では、忌中に神社へ足を踏み入れることがタブーとされており、人混みへも極力行かない方が良いとされているため、神社への初詣は忌明けを待ってからにすると良いでしょう。
一方、仏教には死を不浄なものとする考え方はないので、お寺への初詣は忌中であっても問題なく、むしろ供養のためにもお参りするのが良いとされています。

とはいえ、「初詣は、ちょっと控えたい」ということであれば、お墓参りに行き、ご先祖様に挨拶をするのも一つの方法です。

親族で集まる場合は、賑やかくしすぎずに過ごす

喪中であっても、帰省したり親戚同士で集まったりすることは問題ありませんが、故人との思い出を語り合う会にするなど、賑やかくしすぎないよう心がけましょう。喪に服している家に集まる際は、相手の気持ちや考えを尊重して決めるようにしましょう。

お年玉は、渡し方に配慮する

お年玉は、歳神様へのお供えをお下がりとして分け合ったのが由来と言われ、本来は新年を祝うためのものですが、子供達が楽しみにしていることでもあるため、お年玉を配ることは問題ないと考えられています。

ただし、お祝いの言葉や絵柄、熨斗のイラストなどが描かれているポチ袋は避け、「お小遣い」という名目で渡すようにすると良いでしょう。

除夜の鐘は鳴らしてもよい

除夜の鐘は、仏教において、欲や迷いなどの煩悩を取り払って新年を迎えるという意味があり、お寺によっては一般の人でも鳴らすことができます。お祝いの意味はなく、前述のように、お寺には喪中でも忌中でもお参りできるため、喪中であっても鳴らして問題ありません。

その他の習わしについて

お正月の習わしなど伝統的な過ごし方といえば、「書き初め」や「餅つき」を行う家庭もありますが、これらもお祝いの意味はないため、行っても問題ありません。

お正月料理はどうする?

おせち料理は控えた方が良い

お正月の料理の代表である「おせち料理」は、お祝いの意味がありますので、喪中に食べるのは控えたほうが良いとされています。特に、お祝いの意味がある鯛や紅白かまぼこ、「喜ぶ」を表す昆布などは気をつけましょう。

一方で、お祝いとは別の意味で入れられる物、例えば「まめに働けるように」との意味がある黒豆や、五穀豊穣を願う田作り、出世の願いを込めたブリなどについては、普段の料理として食べるのであれば問題ありません。その際は、重箱や祝箸も、お祝いの意味があるため避けると良いでしょう。

最近では、喪中の人でもおせち料理の代わりに食べられる料理として、お祝いを連想させる食材を使わずに作られた「ふせち料理」が登場し、注文や取り寄せができるお店もあるようです。

お雑煮や年越しそばは、盛り付けに気をつければOK

大晦日に食べることが多い年越しそばは、「長寿を願う」「厄を落とす」と言った意味があり、お祝いとは関係ないため、喪中に食べても問題ありません。

お雑煮は、神様へのお供えものを煮て食べたことが始まりと言われていますが、五穀豊穣の意味もあり、今では一般的な料理になっています。そのため、お供えのお餅などを入れないように配慮すれば、食べても問題ありません。

それぞれ、盛り付けには気を配り、お祝いの雰囲気を出さないように心がけましょう。

お墓参りはしてもいい?

初詣は、喪中であっても時期と場所を選べば問題ないと書きましたが、お墓参りはどうなのでしょうか?
結論から書くと、喪中のお正月であっても、お墓参りに行くことは問題ありません。むしろ、親族揃ってお参りしやすいタイミングであり、故人やご先祖さまの供養として、1年の報告や新年を迎えられた感謝を伝えられる良い機会と考えられています。

ただし、死を穢れとする神道の場合、地域などによってはお正月のお墓参りを控えるという考え方もあるようですので、心配であれば葬儀をお願いした神社や詳しい親族に尋ねてみると良いでしょう。

お正月にお墓参りをする意味については、こちらの記事もお読みください。
お正月にお墓参りをしてもいい?年末年始のお墓参りの考え方や注意点をご紹介

まとめ

お正月は、普段よりも人との関わりが増えますが、喪中の間は家族や親戚と慎ましく過ごすことが基本とされています。細かな考え方については地域や家庭によって様々ですので、お正月を迎える前に家族や親族と相談しておくと安心です。まずは、近しい人を亡くした悲しみを癒して気持ちを整えることを最優先に考え、無理なく新しい年を迎えるようにすると良いでしょう。

お正月に家族や親戚が集まることは、故人やご先祖さまにとっても喜ばしいことでしょうし、故人と過ごした時間に思いを馳せることは供養にも繋がります。雪の降らない地域であれば、家族揃ってお墓参りを。難しければ、仏壇の前で挨拶をするなど、家族で一緒に手を合わせ、絆を深める時間を作ってみてはいかがでしょうか。


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