お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
国歌にも出てくるさざれ石とは?成り立ちから見られる場所まで分かりやすく解説します

冬季オリンピックで何度も流れた君が代。
日本人選手の活躍に胸が熱くなった方も多いのではないでしょうか?
さて、そんな君が代を聴きながら「さざれ石ってどんな石だろう?」「どこにあるんだろう?」と思った方もいらっしゃるでしょう。
さざれ石とは、無数の小さな石が自然の力によって長い年月をかけて一体化した岩石のことで、君が代では長寿や繁栄の象徴として表現されています。
国歌の歌詞に込められた本当の意味を知ると、テレビやイベント会場で君が代を聴いた際に、より感情移入できるかもしれません。
今回はさざれ石の意味や成り立ち、君が代との関係、実際に見られる場所まで分かりやすく解説します。
さざれ石とは?
さざれ石は漢字で「細石」と書きます。文字の通り、細かく小さな石という意味です。
学術的には、「石灰質角礫岩(せっかいしつかくれきがん)」と呼ばれます。石灰岩の角礫(角張った岩片)が固結してできた堆積岩(岩屑や粒子が、長い時間をかけて堆積してできる岩) の一種である礫岩(れきがん)です。
石灰岩には雨水に溶けるという性質があり、雨水に溶けた天然のコンクリートともいわれる石灰成分が、小さな石と石の間を埋めるようにして流れ込んで徐々に固まります。これは鍾乳石ができるのと同じ原理です。数万年から数百万年の長い年月が経つと、石たちは完全にくっついて、ひとつの大きな岩の塊となります。
「君が代」に出てくる「巌(いわお)となりて」は、この小石が結びつき合って巌(高く突き出た大きな岩)になることを指しています。
日本では、滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山周辺が、さざれ石の代表的な産地として知られています。特に岐阜県揖斐川町春日地区で産出されるものは天然記念物にも指定されています。
産地によってその特徴が異なるのは、お墓に使用される石材にも共通しています。あわせてこちらの記事もご覧ください。
また、もともとは細かく小さな石という意味であるため、次のものもさざれ石と表現されることがあります。
- ビーチや川岸などで水流や波の力によって表面が滑らかになり小さく丸みを帯びた小石
- 天然石を製品に削った際に出る端材をさらに研磨して穴のない小さな粒として生成されたもの
墓石によく使われる花崗岩や御影石は、こちらの記事でご紹介しています。
最高級の墓石とされる庵治石は、こちらの記事でご紹介しています。
◆庵治石とは?墓石の最高級とされる庵治石の価格相場などを紹介
君が代の意味は?
君が代は、歌詞が非常に短い国歌の一つです。
君が代が正式に日本の国歌となったのは、意外と最近のことで、1999年「国旗及び国歌に関する法律」で法制化されました。
一方、君が代の歴史は古く、その原典となった歌は平安時代の「古今和歌集」に納められています。詠み人知らずとされることが多い歌ですが、一説には藤原朝臣石位(ふじわらのあそんいわい/ふじわらのあそんいわくら)と呼ばれる人が天皇に捧げるために作ったと言われています。その後、祝いの席などで詠まれ、その存在が知られるようになりました。
歌の始まりである「君が代は」は、古今和歌集では「我君は」となっていますが、あとの歌は同じです。 実は、明治14年に文部省が発行した教科書『小学唱歌集』には、現在の歌詞に続く2番・3番の歌詞が掲載されていました。当時は学校教育を通じて、今よりも長い歌として教えられていた時期もあったのです。
君が代の歌詞、「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔の生すまで」。
これを現代語訳すると、「あなたの治める世の中が千年も八千年も続き、小さな石が集まってやがて大きな岩になり、さらに苔が生えるぐらいまで長い年月繁栄しますように」という意味になります。
「さざれ石」の小さな石が集まって時間をかけて固まり大きな岩になるように、小さな個が集まって、決して動じない大きな存在になる、日本という国の国民の結束や長い繁栄を願ったとされています。
「氷上のチェス」とも呼ばれるカーリングは、オリンピックなどの国際大会で日本中の注目を集める競技のひとつです。ハウスの中心を射抜くストーンが注目されますが、このストーンに使われる花崗岩は、日本の墓石とも縁のある特別な石材です。こちらの記事でご紹介しています。
◆知ってた?オリンピック種目カーリングの「ストーン」の素材と墓石の関係
さざれ石はどこにある?全国で見られるさざれ石
さざれ石は長い年月をかけて小さな石が大きな岩になることから、神の力の象徴、神の宿る石と考えられ、神聖な力を象徴するものとして各地の神社で祀られています。
実はさざれ石は全国各地の神社や公園で見ることができます。
庭石として珍重されたり、縁起の良い石であるためパワースポットとして人気の観光地となっている場所もあります。 さざれ石のある有名なスポットとして、次のような場所があります。
- 【関東】 鶴岡八幡宮(神奈川県)、鹿島神宮(茨城県)、観音寺(埼玉県)
- 【中部】 諏訪大社(長野県)、さざれ石公園(岐阜県)
- 【近畿】 下鴨神社(京都府)、多賀大社(滋賀県)
- 【近畿】 下鴨神社(京都府)、多賀大社(滋賀県)
宮崎県日向市にある大御神社には、日本最大級のさざれ石群があります。
岐阜県揖斐川町春日村にあるさざれ石公園には、「君が代」にゆかりがあるとされるさざれ石が展示されています。
その他、千鳥ヶ淵戦没者墓苑(東京都千代田区)や文部科学省(千代田区)の敷地内などにも据え付けられています。
注連縄(しめなわ)を張ったものや石の外柵で囲ったもの、自然な形で置かれているものなど、扱い方は様々です。
まとめ
さざれ石は、その構造上、均一な強度が求められる墓石として加工されることは稀です。しかし、「小さな想いが積み重なり、長い年月をかけて揺るぎない絆(巌)になる」という成り立ちは、私たちがご先祖様や故人を想い、家族の歴史を刻むお墓の精神と通じるのではないでしょうか。
墓石もまた、自然の石に想いを込めて代々受け継がれていく存在です。
国歌やそこで歌われているさざれ石の意味を知ることで、スポーツ観戦だけではなく、神社参拝やお墓参りの時間がより深く、印象に残る時間になるでしょう。
神社でさざれ石を見かけたら、時の重みに想いを馳せながら、ぜひそのままお墓参りにも訪れてみてください。
お墓参りに行く際に参考になる記事は、こちらからお読みいただけます。