お役立ちコラム お墓の色々

お役立ちコラム お墓の色々

- 供養をきわめる -

8月の季節の行事・イベント・風物詩といえば?お墓参りのタイミングも紹介

供養・埋葬・風習コラム

昔ながらの暦では秋の始まりと言われてきたものの、近年では秋の訪れにはほど遠く、むしろ夏の暑さがピークに達する8月。海や川・山など自然を楽しむレジャーに出かけたり、帰省して地元のお祭りや花火大会に参加したりと、家族や友人と過ごす機会も多くなる季節です。また、お盆を迎えるこの時期は、ご先祖様を偲ぶ大切な節目にもなっています。そんな8月には、他にどんな行事やイベントがあるのでしょうか?

今回は、8月の季節の行事やイベント、記念日などを順に解説し、お墓参りに良いとされるタイミングについても紹介していきます。

8月はこんな月

夏が極まり秋の足音が遠くに聞こえ始める8月

8月は、抜けるような青空と入道雲、蝉の声に包まれ、1年で最も夏が色濃く感じられる月です。お祭りなどのイベントも多く心躍る時期ですが、その一方で、1年で最も暑さが厳しい時期でもあり、日差し対策や熱中症対策は欠かせません。

ただ、お盆を過ぎる頃には、空模様や草花の様子が徐々に変化し、地域によっては、かすかな秋の足音を感じるところも出てきます。また、台風の発生や接近が増えるのもこの時期の特徴で、急な天候の変化にも気をつけたい月です。

葉月(はづき)と呼ばれる由来

8月には、「葉月(はづき)」という別の呼び名があります。これは、和風月名といい、旧暦で使われていた日本古来の月の呼び名です。

旧暦8月というと現在の9月頃にあたり、一昔前は秋が深まり木々の葉が色づいて散り始める時期でした。このことから、木々の葉が色づいて落ちる意味の「葉落月(はおちづき)」が変化し、「葉月」と呼ばれるようになったと言われています。また、稲の穂が膨らむ(張る)時期にあたることから「穂張り月・保波利月(ほはりづき)」、初めて鳥の雁(がん)が渡ってくる月という意味の「初来月(はつきづき)」などが変化したとの説もあります。

お盆休みと帰省ラッシュ

8月といえばお盆の季節。お盆の行事や夏祭り、花火大会などが各地で開催され、お墓参り、迎え火や送り火を焚く風景など、賑やかな中にも、どこか懐かしい空気が漂います。

この時期、多くの子どもたちは夏休みの真っ最中であり、企業やお店でも、お盆休みや夏季休業をとるところが多いため、帰省や旅行、レジャーなど、それぞれの夏の過ごし方を楽しむ人の姿が見られます。

この時期に見られる帰省ラッシュや旅行ラッシュも、夏の風物詩の一つと言えるでしょう。

8月の行事・イベント・風物詩

お盆

お盆とは、夏にあの世からこの世へ帰ってくるとされる故人やご先祖さまの霊(精霊/しょうりょう)を、自宅にお迎えし供養する、日本の伝統行事です。

お盆を迎えるにあたっては、家族そろってのお墓参りをはじめ、迎え火や送り火、仏壇への特別なお供えなど、さまざまな風習があります。また、盆踊りや灯籠流しといった地域行事が各地で開催されるなど、暮らしに根付いた日本の文化となっています。

もともとは、旧暦の7月15日に行われていたお盆ですが、明治時代の新暦導入をきっかけに、現在では、東京近辺などの一部地域を除いて、旧暦7月15日と同じくらいの時期にあたる8月13日〜16日(または15日)に行われるのが一般的となりました。

お盆の詳しい起源や由来、風習などについてはこちらで詳しく解説しています。

お盆とはどういう行事?起源や時期、風習に込められた意味を解説します

夏祭りや花火大会

8月は全国的に、夏祭りや花火大会が数多く開催される時期です。

特にお盆の前後には、迎え火や送り火、盆踊りなどの行事が各地で行われており、例えば、送り火に由来する、京都の「五山送り火(ござんのおくりび)」(毎年8月16日)や、青森の「ねぶた祭り」(8月2日~7日)、日本三大盆踊りの1つに数えられる、徳島の「阿波踊り」(8月11日〜15日)などは、全国的にも有名で、毎年多くの人が訪れる大規模な行事です。

また、お祭りと同時に花火大会が開催されることも多く、夜空を彩る花火は夏の風物詩として親しまれています。中でも、日本三大花火大会の一つとされる、新潟の「長岡まつり大花火大会」(8月2日・3日)は、第二次世界大戦の戦没者の慰霊や、復興への想いを込めた花火大会として知られていますが、このように、鎮魂の祈りや供養の想いを込めたものも多く行われています。

お盆にまつわる各地の行事については、こちらの記事でもご紹介しています。

大阪・関西万博でも開催?全国のお盆の行事を紹介(盆踊り編)

五山送り火やねぶた祭りも!全国のお盆の行事を紹介(迎え火・送り火編)

花火に込められた意味・長岡まつり大花火大会の歴史

地蔵盆

「地蔵盆(じぞうぼん)」とは、古くから地域や子どもの守り神として親しまれてきた、「地蔵菩薩」(お地蔵様)を供養する、地域の子どもが主役の行事です。

近畿地方や北陸の若狭地方などを中心に、一部の地域で今も大切に受け継がれており、地蔵菩薩の縁日とされる8月24日・25日ごろに行われるのが一般的です。

地蔵盆の時期になると、お地蔵様は新しい前掛けをかけ、花やお菓子をお供えしてお祀りします。また、提灯などで飾りつけた会場では、お菓子の配布やゲーム大会、スイカ割り、福引きなど、子どもたちが楽しめる様々な催しが行われることもあります。

さらに、地域によっては、輪になって座った子どもたちが、僧侶の読経に合わせて大きな数珠回す「数珠回し」といった、地蔵盆ならではの風習も見られます。

お地蔵様とはどのような存在なのか?詳しくはこちらの記事をご覧ください。

お地蔵様とは〜いまさら聞けない意味や由来を解説

8月の祝日や記念日

山の日(8月11日)

山の日は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という趣旨で制定された、比較的新しい国民の祝日です。他の祝日のように、歴史的な出来事や伝統的な行事に由来するのではなく、「山の日を制定してほしい」という市民の声がきっかけとなり定められた祝日で、2007年の「昭和の日」制定以来、9年ぶりに新設され、2016年から施行されました。

お盆休み前の前に位置するため、連休となる年もあり、登山イベントや自然体験教室、トレッキングなど、山を楽しむための様々な催しが各地で開催されます。

原爆の日・原爆忌(8月6日・9日)

8月6日は広島に、8月9日は長崎に、原子爆弾が投下された日であり、「原爆の日」または「原爆忌(げんばくき)」と呼ばれています。

それぞれの爆心地となった場所に整備された平和記念公園では、犠牲となった方々への追悼と核兵器のない世界を願う「平和祈念式典」が、毎年開催されています。また、慰霊祭や灯籠流し、キャンドルイベントなど、平和を祈る様々な行事も各地で行われ、静かな祈りの輪が全国に広がります。

なお、広島市では8月6日を「平和記念日」、長崎市では9日を「県民祈りの日」と定め、それぞれ記憶を未来へつなぐ取り組みが続けられています。

終戦の日・終戦記念日(8月15日)

日本人にとって、8月15日は、「終戦の日」または「終戦記念日」として深く心に刻まれている日です。

日本が第二次世界大戦における無条件降伏を認めた日の翌日に当たる、昭和20年(1945年)8月15日、昭和天皇が玉音放送によって国民に終戦を伝えたことから、8月15日が戦争終結の日として広く認識されています。

法的に定められた祝日ではありませんが、政府はこの日を「戦没者を追悼し平和を祈念する日」として、毎年、全国戦没者追悼式を開催しています。

また、全国各地でも、追悼行事や平和をテーマにしたイベント、子どもたち向けの平和学習などが行われ、戦争を振り返り、命と平和の尊さに想いを寄せる日となっています。

なお、海外では、日本が正式に降伏文書に署名した9月2日や、その翌日の9月3日を大日世界大戦終結の日と位置付けている国もあます。

8月のお墓参りにおすすめのタイミング

お盆や帰省したタイミングで

8月のお墓参りといえば、やはり、お盆のお墓参りではないでしょうか。

年に一度、ご先祖さまの精霊があの世から帰ってくるとされるこの時期には、家族揃ってお墓参りに行くのが、全国的に行われている習わしです。地域によっては、お墓で灯籠を灯したり、その灯りを持ち帰ったりすることで、迎え火とする風習もあります。

久しぶりに顔を合わせる家族どうしが、墓前で手を合わせながら近況を伝えあったり、故人やご先祖さまに想いを寄せながら共に過ごしたりする時間は、ご先祖様の供養はもちろん、家族のつながりを改めて感じられる、大切なひとときとなるでしょう。

お盆のお墓参りについては、こちらの記事も参考になさってください。

お盆にお墓参りをするべき理由と必要なものとは

原爆の日や終戦の日に合わせて

8月は、原爆の日、終戦の日と、先生を思い起こす日が続きます。戦争で命を落としたご先祖様が眠っているお墓や、戦没者の慰霊碑が建つ墓地・霊園も少なくありません。

お盆の時期と重なるこれらの日に、お墓参りを通して戦争の犠牲となった方々にも想いを馳せることは、今を生きる私たちにできる大切な行いです。

いま私たちが存在するこの世の中を創ってきてくれた先人への感謝や平和への願いを込めて、手を合わせてみてはいかがでしょうか。

夏のお墓参りの注意点と備え

8月は日差しが強く、気温も高くなるうえ、台風の接近が増える時期でもあります。お墓は屋外にあることが多いため、熱中症や荒天への対策が欠かせません。

お参りの際は、帽子や日傘、水分補給などの準備はもちろん、なるべく午前中の涼しい時間帯を選ぶ、お墓掃除は事前に済ませておく、体調に不安がある場合は無理をせず、家族や親族にお願いするなど、無理のない形で柔軟に対応しましょう。

また、台風が近づくこともあるため、予定を立てる際は天気予報をこまめに確認しておくと安心です。お墓に訪れた際には、墓石が傾いていないか?欠けたりひびが入ったりしているところはないか?周囲の木が傾いたり水路がつまったりしていないか?などをチェックし、心配な点があれば早めに対処しておくと安心です。

夏のお墓参りの熱中症対策、お墓の状態のチェックについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

夏のお墓参りの注意点〜熱中症への備えと気をつけるべきポイント〜

お墓参りの時に確認!お墓の点検チェックリスト

まとめ

今回は、8月に催される行事やイベント、記念日、について紹介してきました。

夏休みやお盆休みには、家族での帰省や旅行、地域の行事への参加など、世代を超えて楽しめる機会が増える一方で、私たち日本人の暮らしに根付いたお盆の文化の中で、ご先祖様を想い、命のつながりに感謝する時間が自然と営まれる、そんな時期でもあります。

また、各地のお祭りや花火大会などの夏の地域行事のなかにも、ご先祖様への供養の想いや感謝の気持ちが込められているものもあります。こうした背景に目を向けてみると、いつもの風景が少し違って見えてくるかもしれません。

いつも以上に家族との絆やご先祖さまとの繋がりに心を寄せる機会が多い8月だからこそ、早めにお墓参りの計画を立て、家族と一緒に手を合わせる時間を作ってみてはいかがでしょうか?

お墓参りの基本や、夏のお墓参りにおすすめの花などについて解説している記事もございますので、合わせてご覧ください。