お役立ちコラム お墓の色々
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10月の季節の行事・イベント・風物詩といえば?お墓参りのタイミングも紹介

窓を開け、耳をすませば、秋の音が聞こえてくる10月。衣替えやお月見などの伝統ある行事のほか、「スポーツの秋」「芸術の秋」と言った言葉もあるように、運動会や文化祭をはじめとしたイベントも各地で開催される季節です。屋外でもようやく過ごしやすくなり、さまざまな野外活動もしやすくなるこの時期には、他にどのような行事やイベントがあるのでしょうか。
今回は、10月の行事やイベント、祝日、記念日などを順に解説し、お墓参りに良いとされるタイミングについても紹介していきます。
10月はどんな月?
秋の深まりを感じる10月
10月は、夏の暑さがようやく和らぎ、澄んだ空や木々の紅葉、虫の声に秋の訪れを感じる月です。徐々に過ごしやすい気候となるため、文化や芸術、スポーツに関わる活動が盛んになります。ただ、日が短くなるにつれ、徐々に朝晩と日中の寒暖差が大きくなっていくため、服選びなどには注意が必要です。
また、きのこや秋刀魚などの秋の味覚を楽しめるほか、お米をはじめとした様々な作物が収穫の最盛期を迎える時期であり、収穫祭を起源とした秋祭りも各地で行われます。
神無月(かんなづき)と呼ばれる由来
10月は、和風月名という旧暦から伝わる月の呼び名で、「神無月(かんなづき)」とも呼ばれます。
由来は諸説ありますが、よく知られているのは、全国の神々が島根県の出雲大社に集まり、各地で神様不在となることから「神無月」と呼ばれ、逆に神々を迎える出雲では「神在月(かみありづき)」と呼ばれるようになったというものです。
ただこの時期は、秋の実りを神様に感謝する季節でもあるため、元々は「神の月」を意味する「神な月」と表記されており、出雲大社の主祭神・大国主大神(おおくにぬしのみこと)への信仰と結びつくことで「神無月」「神在月」という考え方が広がったとも言われています。
そのほか、雷が無い月で「雷無月(かみなづき)」、新米で酒を醸すことから「醸成月(かみなしづき)」、昔の音階を十二ヶ月に当てはめた呼び名に由来する「上無月(かみなづき)」などが転じたとの説もあります。
食欲・スポーツ・芸術・・・「〇〇の秋」
実りの季節であると共に、気候が落ち着き1年の中で最も過ごしやすいとされる秋は、「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」「行楽の秋」などと呼ばれ、芸術・文化的なイベントや、紅葉狩り、果物狩り、スポーツイベント、観光地巡りといった秋のレジャーなど、多彩な楽しみ方ができます。また、集中力も高まるということで、新しいことを始めるにも適した時期と言われています。
10月の伝統的な行事や風物詩
衣替え
10月1日は、夏服から冬服へと衣替えをする日です。各家庭でも、この日を目安に冬に向けた衣服の整理を行うのが一般的となっています。
衣替えは、平安時代に中国にならって始まった宮中行事が由来とされる伝統的な習慣で、明治時代に役人や軍人、警察官の制服が洋服となり、6月1日と10月1日が衣替えの日として定められると、これが学校や企業にも広まり、現在の形となっていきました。
現在では、昔と比べて気候やライフスタイルが変化し、衣替えのタイミングや服装も柔軟に考えられるようになっていますが、それでもなお、節目節目で生活を整える風習として今日まで受け継がれています。
お十夜(十日十夜法要)
お十夜(おじゅうや)は、10月から11月ごろに主に浄土宗寺院で行われる法要で、阿弥陀如来(あみだにょらい)に感謝の念仏を唱える、秋を代表する仏教行事です。
起源は旧暦10月5日の夜から15日の朝までの10日間、昼夜を通して念仏を唱える法要です。浄土真宗では、念仏を唱えることが最も功徳のある善行とされており、浄土宗の経典にある「この世で善行を十日十夜続けることは、仏の世界で千年にわって善行に励むことに勝る」との一説に由来して行われるようなったと言われています。正式には「十日十夜特別念仏会」または「十日十夜法要」と呼ばれ、「お十夜会」「十夜講」「十夜念仏」などの別名もあります。
収穫の時期と重なることから、自然への感謝を捧げる意味もあり、寺院によっては稚児の舞や雅楽の奉奏、露店などが加わり、盛大に行われることもあります。
お十夜については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
十三夜(じゅうさんや)
十三夜は、中秋の名月を眺める「十五夜」と並ぶ、伝統あるお月見の行事です。旧暦9月13日の夜に行われ、秋の空に浮かぶ美しい月を楽しむと共に、ススキや月見団子、収穫した野菜や果物をお供えして、収穫に感謝し豊作を祈ります。
この日の月は、新月から13日目の満月に少し満たない姿ですが、その不完全さの中に美を見出す日本人独特の感性から「後の名月」とも呼ばれ、古くからお月見の行事が行われてきました。
また、十五夜が「芋名月」と呼ばれるのに対し、十三夜は栗や豆の収穫期にあたることから、「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。
お月見の行事である十五夜・十三夜について詳しく解説した記事もございますので、合わせてお読みください。
◆お月見はいつやるの?〜十五夜・十三夜の起源や風習に込められた意味を解説〜
秋祭り
9月から11月にかけては、収穫に感謝し、五穀豊穣や無病息災を祈願する祭りや神事が全国各地で開かれます。地域ごとにその特色はさまざまですが、山車や神輿の巡行、踊りや芸能の奉納、屋台の出店など、各地の伝統行事として受け継がれています。
10月の有名な祭りには、迫力あるだんじりの引き回しで知られる、大阪府岸和田市の「岸和田だんじり祭」、日本三大提灯祭りの一つ、福島県二本松市の「二本松提灯祭り」、特徴ある奉納踊りが国の重要無形民俗文化財に指定されている、長崎県長崎市の「長崎くんち」などがあります。
また、10月17日には三重県の伊勢神宮で「神嘗祭(かんなめさい)」が行われます。収穫を祝う新嘗祭に先立ち、その年に収穫された新穀を天照大御神に奉納する古い祭典で、天皇陛下がお育てになった稲穂や全国の農家から奉納された稲穂が供えられます。
紅葉狩り
秋の行楽といえば、紅葉狩りでしょう。木々が色づいた自然の織りなす絶景を一目見ようと、全国の紅葉の名所には、国内外から多くの人々が訪れます。
紅葉狩りは、奈良時代や平安時代に貴族の間で始まったと言われており、江戸時代には庶民にも定着。紅葉の名所を紹介する書物も発行されていたと言われています。
味覚狩り
さつまいも掘りやきのこ狩り、ぶどう・みかん・梨・りんごなどの果物の収穫など、秋の味覚を収穫したり味わったりして楽しむ味覚狩りも、各地で楽しまれる秋の風物詩となっています。
普段できない収穫の体験や、旬の作物の獲れたての味を楽しめることから、子供から大人まで幅広い世代に親しまれています。
10月の学校行事や現代的なイベント
運動会・体育祭
10月は全国的に運動会や体育祭が開かれる季節で、「スポーツの秋」と合わせて「運動会シーズン」とも呼ばれます。
明治時代以降に学校や地域へ広まった運動会は、農作業の閑散期である秋に行われたことや、10月10日が「体育の日」という祝日となったことなどから、秋開催が定着したといわれています。
近年は、熱中症や台風のリスクを避けるため、5月に開催したり、規模を小さくしたりするところも増えていますが、学校や地域にとどまらず、企業が社内交流促進や社員の健康づくりを目的に「社内運動会」を取り入れる例も見られます。
文化祭・発表会
「芸術の秋」とも言われるこの時期には、作品展示やステージ発表などを通して、文化活動の成果を披露し、交流を楽しむ「文化祭」や、展覧会、発表会などの行事が、多くの学校や地域で開催されます。毎年9月から11月にかけては、国内最大規模の文化の祭典「国民文化祭」も開催されます。
日本では学校教育の一環として行われることも多く、幼稚園や小学校では「学芸会」「生活発表会」「学習発表会」、中学校や高校では「文化祭」と呼ばれ、子どもたちの成長を感じたり、文化や芸術に親しんだりする場となっています。
ハロウィン
ハロウィンは、毎年10月31日に行われる、古代ヨーロッパに起源をもつお祭りです。欧米では子どもたちが仮装して「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ)と言いながらお菓子をもらい歩き、カボチャをくり抜いたランタンを飾ります。
起源は2000年以上前のケルト民族の祭り「サウィン」とされ、収穫を祝うとともに先祖の霊を迎え、悪霊を追い払う意味があったと言われています。
日本では1990年代ごろから、菓子店のキャンペーンや欧米の映画などをきっかけに広まり、今では仮装や街の装飾を楽しむ、主に若者たちの間で人気の秋の行事となっています。また、仮装の風習がコスプレ文化とも結びつき、その完成度の高さは海外で有名になっているようです。
10月の祝日・記念日
スポーツの日(10月第2月曜日)
スポーツの日は、「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」ことを趣旨に定められた、国民の休日です。
もとは、1964年の東京オリンピックの開会式にちなみ、10月10日が「体育の日」として制定されましたが、2000年からは、法改正で取り入れられたハッピーマンデー制度により10月第2月曜日に、更に2020年からは名称が「スポーツの日」となりました。
各地でスポーツに触れられるイベントが行われ、3連休を楽しめる日としても親しまれています。
読書の日(10月27日)・読書週間(10月27日〜11月9日)
10月27日は「読書の日」、その日から11月9日までの2週間は「読書週間」とされ、図書館や地域で読書に親しむ行事が催されます。
始まりは、関東大震災の翌年である1924年(大正13年)に日本図書館協会が図書文化の普及など目指して運動を起こし、その後制定した「図書館週間」とされ、戦争の影響で一時は廃止されたものの、戦後の1947年(昭和22年)に出版や図書・文化に関わる団体の協力により「読書週間」として復活。現在でも書籍に親しむ大切な機会となっています。
9月のお墓参りに良いタイミングはいつ?
念仏を唱える、お十夜に合わせて
念仏を唱えて、阿弥陀如来に感謝を届ける行事「お十夜」。浄土宗で最大の善行とされる念仏ですが、この行いは、自分自身が阿弥陀如来の救いを得られるだけでなく、その功徳を故人に回し向けることで、極楽往生を願う追善供養にもなるとされています。
暑さが落ち着き出かけやすい時期でもありますので、法要に参加するだけでなく、墓前で手を合わせたり念仏を唱えながらご先祖さまにを想ったりするのも良いでしょう。
浄土宗のお墓について解説している記事もありますので合わせてお読みください。
実りに感謝する、十三夜のお月見や秋祭りに合わせて
古来日本では、祖先が守護神となって土地や家族を守り、豊かな実りと繁栄をもたらすと信じられてきました。そのため、収穫に感謝する多くの行事には、守護神となったご先祖様に感謝を捧げるという意味も込められてきました。
お月見や秋祭りも、秋の実りに感謝するという意味合いを持った伝統ある行事です。月見団子や旬の果物などをお墓や仏壇にもお供えし、ご先祖様と一緒に秋の実りを祝う気持ちで、感謝を込めて手を合わせるのも、季節の巡りや、自然と命のつながりを感じる良い機会となるでしょう。
紅葉狩りに合わせて
山々が色づく季節には、秋の景色を楽しみながらお墓に足を運ぶのもおすすめです、場所によっては、周囲にイチョウやモミジが植えられていたり、お墓から美しい紅葉を眺められることもあります。近くに紅葉の名所があるなら、お参りのあとに立ち寄って秋を満喫するのも良いかもしれません。
ご先祖様とともに秋を楽しむ気持ちで過ごすことで、心あたたまるひとときとなるでしょう。
紅葉の名所となっているお寺や霊園をご紹介している記事もございます。
◆紅葉の名所に近い墓地・霊園にお墓を建てたい。どんなところがあるの?
まとめ
今回は、10月に催される行事やイベント、祝日について紹介してきました。
10月は、収穫に感謝する意味合いを持った、伝統ある行事や祭りが各地で開催されるほか、スポーツや芸術に親しむイベントも数多く開催される月です。
お出かけや行楽の計画が盛りだくさんかもしれませんが、その中で、仏壇やお墓に手を合わせるひとときを持つのも良いでしょう。
日頃から見守ってくださるご先祖さまの存在に思いを馳せ、自然の恵みへの感謝と重ねることで、より心豊かに、秋の日々を過ごすことができるかもれません。
秋のお墓参りついて、作法やお供えの花について解説している記事もございますので、参考にしてみてください。