お役立ちコラム お墓の色々

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【2022】秋のお彼岸はいつ?お彼岸の過ごし方・やることを紹介

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【2022】秋のお彼岸はいつ?お彼岸の過ごし方・やることを紹介

お盆が過ぎて少しずつ秋のお彼岸を意識する時期になってきますが、「今年のお彼岸はいつから?」「どんな準備が必要だったっけ?」と思っておられる方もいらっしゃるかもしれません。
春と秋の年に2回訪れるお彼岸、お墓や仏壇にお供えやお参りをするなど、先祖供養の習わしとして私たちの生活に定着しています。今回は秋のお彼岸の日にちや過ごし方について紹介していきますので、お彼岸の迎え方を改めて確認していただき、慌てずに準備を進めるきっかけにしていただけたらと思います。

お彼岸とは

お彼岸とは、「彼岸(あの世)と此岸(この世)が最も近づきご先祖さまに思いが届きやすくなる」とされる春分の日・秋分の日を中心とした7日間のことを指し、ご先祖さまに感謝の気持ちを込めて供養を行います。
またこの期間は、仏教において、煩悩や悩みのない彼岸に渡るための「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ばれる教えを実践する期間としても位置付けられています。

2022年秋のお彼岸はいつからいつまで?

お彼岸は、3月の春分の日・9月の秋分の日を中心に、その前後3日間を合わせた7日間の期間を指します。それぞれを「春の彼岸」「秋の彼岸」と言います。また、期間の中心となる春分の日と秋分の日を「お中日(おちゅうにち)」、7日間の初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸の明け」と呼びます。

2022年の秋分の日は9月23日ですので、秋のお彼岸は以下の日程になります。

<2022年 秋のお彼岸の日程>
彼岸の入り:9月20日(火)
お中日(秋分の日):9月23日(金)
彼岸の明け:9月26日(月)

お彼岸にやること

お墓掃除とお墓参り

お彼岸は、彼岸(あの世)との距離が一番近くなり、ご先祖さまに思いが届きやすいと言われているため、ご先祖様が眠っていらっしゃるお墓に出向いてお参りをします。
また、お墓をきれいにしておくことも供養につながるため、このタイミングで掃除も行います。

掃除とお参りの作法ですが、お墓に着いたらまず、挨拶としてお墓に向かって合掌をしてから、お墓と周囲の掃除に取り掛かります。その後、お供えとお参りをし、最後にマナーを守って片付けなど帰り支度をします。

ここ数年は猛暑が続き、秋のお彼岸はまだまだ暑さが残る地域が多いかと思います。
今年の9月は、彼岸に入る前の17日〜19日(敬老の日)の3日間と、お彼岸中の23日(秋分の日)〜25日の3日間が、2回連続で3連休となっています。
天気の様子を見て、お彼岸あたりが暑くなりそうな予報があれば先にお墓に行くことにするなど、気温の変化や体調に気をつけてお墓掃除やお墓参りをおこないましょう。

お墓参りの詳しい作法や暑さ対策についてはこちらの記事をご覧ください。
お墓参りの基本や作法をあらためて押さえておきましょう
夏のお墓参りの注意点〜熱中症への備えと気をつけるべきポイント〜

仏壇仏具の掃除とお参り

お仏壇の掃除やお参りも、供養のために大切にされています。
まずはお彼岸に入る前日までにお仏壇や仏具を念入りに掃除し、お彼岸の入りには新しいお花をお供えできると良いでしょう。
その後のお彼岸の7日間は毎日、線香をたむけて手を合わせて過ごします。

日々のお参りの方法は宗派により違いはありますが、基本となる作法を紹介しておきます。
まず仏壇の前に座り御本尊へ一礼して、扉を閉めている場合は開けます。お供えをした後、ロウソクに火を灯して線香をあげ、数珠を手にかけて合掌、礼拝(らいはい)をします。経本を見ながらで良いのでお経やお念仏を唱えると、より供養の気持ちが伝わるかもしれません。その際は読む前後に鈴(りん)を鳴らして開始と終わりを知らせます。終わりましたら、最後に一礼してから下がります。

彼岸法要や彼岸会への参加

お彼岸の期間、お寺・霊園などでは彼岸法要や彼岸会と呼ばれる合同の法要が開かれるところもあります。
お彼岸に関わる教えに、より深く触れることができる機会であり、きっと有意義な時間になると思いますので、お墓参りと併せて参加されるのも良いかもしれません。

六波羅蜜〜仏教の教えの実践〜

仏教においてお彼岸は、ご先祖さまの供養だけではなく、彼岸(悟りの境地)へ渡るために自分自身の行いを省みる修行期間としても位置付けられています。その修行というのが「六波羅蜜」という6つの教えの実践です。
お彼岸の7日間のうち、春分と秋分の日を除く6日はこの六波羅蜜を1日ひとつずつ行うとされています。「全ての物に感謝する」という精神が基本になった普段から心がけられることばかりですので、まずはお彼岸の時期だけでも一つずつ意識して過ごしてみると良いのではないでしょうか。

六波羅蜜
1.布施(ふせ)・・・見返りを求めず、人に施しを与えること
2.持戒(じかい)・・・ルールを守り、自らを律して生活すること
3.精進(しょうじん)・・・努力を怠らず、全力で物事にあたること
4.忍辱(にんにく)・・・不平不満を言わず、苦しくても耐えること
5.禅定(ぜんじょう)・・・心を静かに、平常心を保つように努めること
6.智慧(ちえ)・・・正しい判断力で、物事の本質を見抜くこと

秋のお彼岸での供花やお供え物

お彼岸でお墓や仏壇にお参りする際のお供物は、仏教のお供えである「五供(ごく)」、つまり、「香・花・灯明・浄水・飲食」にあたる「お線香・お花・ローソク・お茶・お水・食べ物」が基本となっています。
その中でも、秋のお彼岸の供花や食べ物のお供えについて、特徴を紹介します。

お花(供花)

お彼岸にお墓やお仏壇に供えるお花には、菊、百合、カーネーションなどがよく選ばれますが、「このお花でなくてはならない」というルールはなく、季節の花や、故人が生前好きだったお花をお供えするのもよいとされています。
秋には、日持ちなども考えて、リンドウ、グラジオラス、ケイトウなどが選ばれることが多いようです。

ルールはないと書きましたが、棘のあるバラや、毒のある水仙・スズランなどは供花として不向きですので注意しましょう。

お彼岸のお花選びについてはこちらも合わせてお読みください。
お彼岸に供える花の選び方 菊じゃなくても大丈夫
お盆のお墓参りで避けた方がいい花5選

食べ物

食べ物のお供えとしてよく選ばれるのは、果物やお菓子など日持ちのするものや、故人が好きだったものです。お花と同様に特別なルールはありませんが、お彼岸ならではのお供物や風習があるので紹介します。

おはぎ

お彼岸には、餅米とあんこで作る、ぼた餅やおはぎをお供えする風習がありますが、秋のお彼岸には、粒あんを使ったおはぎをお供えすることが多いです。秋は小豆の収穫期となっており、皮が柔らかく風味も楽しめることから、粒あんが多く使われていた習慣が残っているようです。「おはぎ」という名前は、秋に咲く萩の花に由来します。

彼岸団子・霊供膳

食べ物のお供えについては、地域や家庭によって、「彼岸団子」と呼ばれるお団子をお墓やお仏壇に供えることがあります。また、浄土真宗以外の宗派において「霊供膳(りょうぐぜん・れいぐぜん)」と呼ばれる精進料理のお膳をお仏壇に供えるという習わしがある場合もあります。

お供えした食べ物は、お供えした後に「お下がり」として家族でいただくのが良いとされています。こうすることで、仏様の力をいただくことができるとされ、食べ物や命に感謝する機会にもなっています。
秋のお彼岸である9月は、まだ気温も高く食べ物が傷みやすい時期ですので、選び方や下げる時間には注意が必要です。また、お墓の場合、墓地や霊園のルールで食べ物を持ち込めない場合もありますので、事前の確認をしておきましょう。

まとめ

年に2回あるお彼岸ですが、今回は、秋のお彼岸に注目して解説させていただきました。
9月はイベントなどが多い時期です。更に季節の変わり目でもあり、忙しさや体調の変化を感じる頃かもしれません。そんな時だからこそ、供養の準備を少しずつ整えながら、この世にいる自分にも気持ちをむけ、普段の行いをかえりみることを忘れずに過ごせると良いですね。


お彼岸やお墓参りについて、他の記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。

お彼岸にまつわるさまざまな由来を紹介します
「これは避けた方がいい?」お彼岸にやっていいのか迷う5つのこと
「お墓のプロによる代行」もある、お墓参りに行けない時に取れる選択肢