お役立ちコラム お墓の色々

お役立ちコラム お墓の色々

- 供養をきわめる -

弔問の流れと作法〜訪問時のマナー・挨拶例・香典やお供え物の渡し方を解説〜

葬祭基礎知識

親しい方の訃報に接したとき、通夜や葬儀に参列できず、後日あらためてご遺族のもとを訪ねたいと考えることもあるでしょう。このように、遺族の元を訪ねてお悔やみを伝えることを「弔問」と言いますが、いざ弔問をしようと思っても、「どのように振る舞えばよいのか」「どんな流れでお悔やみを伝えればよいのか」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

弔問は、ご遺族にお悔やみの気持ちを伝え、共に故人を偲ぶ大切な機会です。その一方で、ご遺族の自宅に訪問するからこそ、ご遺族の事情や気持ちに配慮し、基本的な作法を押さえておくことを忘れてはいけません。

今回は、弔問先での基本の作法やマナー、弔意を伝える挨拶例や、香典・お供え物の渡し方などについて、弔問の流れと合わせて解説していきます。

弔問はいつ行くもの?

通夜や葬儀に参列できなかった場合などに、遺族のご自宅を訪問してお悔やみを伝えることを「弔問」と言います。(通夜や葬儀への参列も含めて弔問と呼ぶ場合もありますが、今回は参列を除いて取り上げます)

血縁関係が近い親族や、故人や親族と特に親しい付き合いのあった方であれば、できるだけ早く、通夜の前に駆けつけるという場合もありますが、一般的には、通夜や葬儀が終わり、遺族が少し落ち着いた頃を見計らって、四十九日までに済ませるのが基本とされています。

また、四十九日を過ぎて亡くなったことを知った場合には、その後の弔問でも問題ありません。お墓への納骨が済んでいる場合には、弔問と合わせてお墓参りをさせてもらうのもよいでしょう。

弔問の際は、どのような流れでお悔やみを伝えたらいいのでしょうか?弔問のタイミング別に見ていきましょう。

通夜前に伺う場合の流れ

親族や、故人・遺族と特別親しい関係だった場合には、できるだけ早く駆けつけて弔意を伝えるという意味で、通夜前に弔問することもあります。その際の流れと、基本の作法をご紹介します。

  • 事前に連絡をしてご意向を尋ね、伺って良い場所や時間を確認する。
  • 玄関で、「この度は誠にご愁傷様です。心からお悔やみ申し上げます。」など、お悔やみの言葉を手短に伝え、花やお供物があればお渡しする。
  • 遺族からの勧めがあれば、家にあげてもらい故人と対面する。 (自分から申し出ることは控える)
  • 故人の枕元から一歩下がった場所で正座し、両手をついて一礼する。
  • 故人の側に寄り、手を合わせる。
  • 遺族が白布を外したら、故人のお顔を拝した後、改めて手を合わせ、故人の冥福を祈る。
  • 終わったら、少し下がって遺族に一礼する。
  • 長居はせず、早めに引き上げる。

※通夜前の弔問では、故人の不幸を予測していたと感じさせないよう、香典は持参しないのが一般的です。故人の枕元にお供えする花(枕花)やお供え物であれば問題ないとされています。

※もし故人と対面するのが辛い場合は、「お目にかかると辛くなりますので」と辞退しても問題ありません。

簡潔なお悔やみの伝え方(例文)

「この度は誠にご愁傷様です。心からお悔やみ申し上げます。」

「突然のことで信じられない思いです。心よりお悔やみ申し上げます。」

「この度は、本当に残念でなりません。心よりお悔やみ申し上げます。」

葬儀後に伺う場合の流れ

葬儀後に弔問する場合は、遺族が少し落ち着いた頃を見計らい、四十九日までに伺うのが基本です。以下の流れを参考にして、お悔やみの気持ちを伝えましょう。

  • 事前に連絡をしてご意向を尋ね、伺って良い時間を確認する。
  • 玄関で、「この度は思いがけないことで、本当に残念でなりません。どうかお力落としなさいませんように。」など、お悔やみの言葉を伝え、香典やお供物があればお渡しする。
  • 遺族からの勧めがあれば、家にあげてもらい、お焼香・お線香をあげさせてもらう。(自分から申し出ることは控える)
  • 部屋に通されたら、後飾りの前へ進み、座布団の手前に座る。
  • 遺影に一礼したのち、座布団に上がる。(立ち上がらず、正座のまま両手の拳を座布団の端について、膝で進むように移動する)
  •  ろうそくの火で線香を焚き、香炉にお供えする。
  • お鈴を1回鳴らして手を合わせる。
  • 座布団から下がって、遺影にむかって一礼する。
  • 遺族に一礼する。(香典やお供え物は、このタイミングでお渡ししてもよい)
  • 故人との思い出を少し話す程度にし、早めにおいとまする。

葬儀後の弔問におけるお悔やみの言葉(例文)

「この度は思いがけないことで、本当に残念でなりません。どうかお力落としなさいませんように。」

「この度は誠にご愁傷様です。大変な時に何もできず申し訳ありません。心よりお悔やみ申し上げます。」

「この度は思いがけないことで、信じられない思いです。すぐにお伺いできず申し訳ありませんでした。お力落としのことと思いますが、どうかご自愛ください。」

お墓参りもさせてもらいたいときは

前述したように、四十九日を過ぎてから亡くなったことを知った場合や、できるだけ遺族の負担にならないよう弔問したいと思った場合には、1周忌などの法要が過ぎた頃に、弔問と合わせてお墓参りをさせてもらうのもよいでしょう。

その場合は、事前に電話などで連絡をして、お墓参りをしたい旨を伝え、場所などを教えてもらうようにしましょう。とはいえ、故人と親しかったとしても遺族と直接面識がない場合や、時期によっては納骨が終わっているかどうかはっきりしないということもあるでしょう。そういった場合は、まず「お線香をあげさせていただきたい」とお伝えして弔問させていただき、遺族と対面した後にお墓参りについて相談してみるのがおすすめです。

弔問時の流れは、基本的に、葬儀後の弔問の流れと同じです。香典を用意する際は、四十九日を過ぎているので「御仏前」と書きましょう。また、お墓参りのお供え物も用意するとよいでしょう。

友人や知人のお墓参りに行く際のマナーについて解説している記事もございます。納骨や、お墓参りに適切な時期などについてもご紹介していますので、合わせてご覧ください。

友人のお墓参りに行きたい時はどうする?事前連絡やお供え物、気をつけたいマナーを解説

納骨の時期はいつ?ルールや準備するものとは

「お墓参りはいつ行ってもいいの?適切な時期とは」

弔問に伺った先で気をつけたいマナーと作法7選

0.弔問に伺う前に気をつけたいこと

弔問先でのマナーや作法をご紹介する前に、押さえておいていただきたい、とても大切なマナーがあります。

弔問に伺いたいと思ったら、必ず電話などで事前に連絡し、遺族の意向や時間などの確認をするようにしましょう。突然の弔問は、良かれと思っても、ご遺族に負担をかけることになりかねませんので、控えることがマナーです。

また、もし弔問を望まれない場合には、無理に訪問することは控えましょう。

それでは、弔問に伺った先で気をつけたいことを順にご紹介していきます。

1.家に上がらせてもらうときのマナー

弔問というと、家に上がらせてもらい、故人との対面や、お焼香・お線香をあげさせてもらうことをイメージする方が多いと思いますが、それをこちらから申し出るのはマナー違反となります。遺族からの勧めがあったときのみ、謹んでお受けするようにしましょう。

2.座布団への座り方

座布団が用意されている場合は、座布団を足で踏まないようにしましょう。これは、座布団を足で踏むことが、おもてなしの気持ちを踏みにじることにつながる失礼な行為とされているためです。

座布団に座るときは、いったん座布団の横か後ろに正座をし、両手の拳を座布団の端について体を支えながら、膝で進むようにして上がるようにしましょう。座布団から下りる際も同じように、正座をしたまま後ろや横にずれて、最初の位置に戻るようにします。

3.線香のあげ方

線香をあげる際は、マッチやライターで直接火をつけるのは良くないとされているため、ロウソクから火をもらうようにしましょう。(消えていたら、まずロウソクに火をつけます)また、線香から上がる火を消すときは、口から吐く息は穢れたものと考えられているため、手で仰いで消すのが作法です。

また線香は、家族や地域の習慣となっている方法でお供えされることも多いですが、宗派によって基本的な本数や作法が決まっている場合もあります。人や地域などによっては、しきたりや作法を重んじることもあるので、宗派ごとの作法があることを知っておき、事前に調べておけると安心でしょう。

線香の本数やお供え方法など宗派別の作法については、こちらの記事で解説しています。

お墓参りでお線香をお供えする本数に決まりはあるの?〜お線香の意味や宗派による作法・マナーを紹介〜

4.数珠の種類やお鈴の回数

数珠は宗派によって玉の数などが異なる場合もありますが、自分の持っている数珠を使用して問題ありません。

また、お鈴(りん)は1〜2回鳴らすのが一般的ですが、読経の時以外は鳴らさないなどの作法がある宗派もあります。とはいえ、鳴らさなかったら(または、鳴らしたら)失礼にあたるということはないため、どちらか分からないときは、自身がいつもしている方法で問題ありません。気になる場合は鳴らさずに手を合わせるだけでも、十分気持ちは伝わります。

数珠の意味やお鈴の鳴らし方などについては、こちらの記事で解説しています。

数珠の意味とは?どんなものを選ぶといいの?

おりんはどう鳴らすのが正しい?おりんの基礎知識と心地よい音色を解説します

5.香典やお供え物の渡し方

葬儀後の弔問の際は、香典やお供え物を持参するのが一般的です。

玄関でお悔やみを伝えた時か、家に上がらせてもらい祭壇・仏壇の前で手を合わせた後に、「よろしければ、祭壇(四十九日法要後であれば、ご仏前)にお供えいただけますでしょうか」とお渡しするのがよいでしょう。

香典はふくさから出し、お供え物は紙袋や風呂敷から出して、相手から表書きが読める向きにしてお渡ししましょう。

香典を畳に置いて差し出す場合は、ふくさをたたんで台座代わりにし、その上に香典を乗せて、両手で差し出すようにお渡しします。香典とお供え物の両方があるときには、お供え物の上に香典を乗せて、一緒にお渡しするのがよいでしょう。

その後、ふくさや紙袋・風呂敷は持ち帰ります。

香典の包み方については、こちらの記事を参考にしてください。

御霊前の書き方・入れ方・包み方などを詳しく解説

6.故人との対面やお参りが終わったら

故人との対面や、祭壇・仏壇でのお参りが終わったら、長居せずに早めに失礼することがマナーです。特に、通夜前や四十九日法要などが近い時期の弔問は、ご遺族に負担をかけないよう、早めに引き上げるようにしましょう。

納骨が終わり、少し落ち着いた時期の弔問であれば、遺族も故人の思い出話を共に語りたいと思われている場合もあります。そういったときは、長居し過ぎないように気をつけつつ、故人との思い出などを少し話すのも良いでしょう。

7.話題や言葉の選び方

最後に、お悔やみの場全てに言えることですが、ご遺族の気持ちに配慮した話題や言葉を選びましょう。 亡くなった経緯を尋ねることや、「元気を出して」といった安易な励ましは、遺族の負担になりかねないため控えた方が良いでしょう。また、「忌み言葉」とも呼ばれますが、「急死」「生きていたとき」といった生死に関わる直接的な表現、「浮かばれない」「死」「苦」といった不吉とされる表現、「重ね重ね」「くれぐれも」など不幸の繰り返しを連想させる言葉などもタブーとされています。

言葉の選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

葬儀でのNGワードを知っておこう〜使ってはいけない「忌み言葉」や言い換え例を紹介します〜

この他、弔問のタイミング、服装、香典、などの基本的なマナーについてはこちらの記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

弔問とは?いつ行くべき?タイミング・服装・香典など基本マナーをわかりやすく解説

大切なのは、供養の気持ちと、ご遺族への配慮です

弔問の流れや作法についてご紹介しました。ご紹介したのは基本の流れであり、必ずこの通りにしなければならないということではありません。マナーを守りつつ、遺族との関係や、その場の状況に合わせて振る舞えばよいでしょう。

大切なのは、形式にとらわれすぎることではなく、遺族に対するお悔やみの気持ちと、故人の冥福を祈る気持ちです。基本の流れを参考にしながら、心を込めて手を合わせることで、その気持ちはきっと遺族にも伝わります。

また、何よりも心に留めておきたいのが、ご遺族の気持ちに配慮することです。ご遺族の意向を最優先に考え、自分の気持ちを優先して負担をかけてしまうことがないよう注意しましょう。

場合によっては、ご遺族の気持ちが落ち着くのを待って、後日あらためてお墓参りをさせていただくなど、無理のない形で故人を偲ぶこともできます。

その時々の状況に合わせながら、相手を思う気持ちを大切に行動することが、何よりの供養につながるのではないでしょうか。

通夜や葬儀に参列できなかったときの対処法や供養の意味、さらに、お墓参りにおすすめの、追悼や悲しみの花言葉をもつ春の花や、お墓参りの基本についてご紹介している記事もありますので、合わせてご覧ください。