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「訃報・葬儀案内」例文・文例集〜訃報の伝え方やマナーを解説します〜

葬祭基礎知識

「訃報・葬儀案内」例文・文例集〜訃報の伝え方やマナーを解説します〜

家族や親族が亡くなったことを、遺族が周囲の人に伝える知らせを「訃報」と言います。
訃報を受け取ることはあっても、自らが伝える立場になることは、そう頻繁に経験することではありません。
いざ自分が訃報を出すことになった際には、近しい人を亡くした直後に行うということもあり、「何をどう伝えたら良いのか?」「どのような言葉を使って伝えるべきなのか?」「家族葬にする予定だけどのように伝えたら良いのか?」などと悩むこともあるでしょう。

具体的には、何をどのような言葉で伝えると良いのでしょうか?今回は、訃報や葬儀案内の伝え方やマナーについて、伝える相手や連絡方法に合わせた文例とともに解説していきます。

訃報とは

「訃報(ふほう)」とは、人が亡くなった知らせ(報せ)のことです。家族や親族が亡くなった際には、喪主や遺族によって、故人が長年お世話になった方や、親しい関係にあった方に伝えられるのが一般的です。

基本のマナー

訃報の連絡は、喪主が電話で、故人との関係が深い順に行うのが一般的なマナーと考えられています。伝える相手が多い場合などは家族で分担しても問題なく、また、相手によってはメールなどを利用することもよしとされていますが、失礼と感じる方もいるため、相手の年齢や関係性を考慮して伝え方を検討しましょう。
家族で分担して連絡する際には「本来は喪主から連絡を差し上げるべきですが」と、断りを添えるようにしましょう。

伝える内容

  • 電話主(送り主)と故人との関係性
  • 故人の氏名・亡くなった日時・年齢(年齢は必ずしも伝える必要はないが覚えておく)
  • 死因(必ずしも伝える必要はないが、尋ねられた時の答え方は決めておく)
  • 通夜や葬儀の詳細(葬儀案内も同時に行う場合)
  • 喪主の名前、喪主と故人の続柄(喪主以外が電話をしている場合)
  • 喪主や電話主の連絡先

家族や親族などの近親者、故人が特に親しくしていた友人、故人の職場といった、ごく近しい人や急ぎ知らせる必要がある相手には、亡くなった後できるだけ早く連絡しましょう。葬儀の詳細は、決まってから再度連絡すれば問題ありません。
通夜や葬儀の詳細について、一般的な葬儀を行う場合は、通夜と葬儀の時間・場所・葬儀社の連絡先・宗旨宗派を案内します。
家族葬など身内だけで葬儀を行う場合にはその旨を伝え、葬儀への参列、香典、供花・供物・弔電の対応について辞退する場合にはそのことも忘れずに案内しましょう。

訃報についてのより詳しいマナーについては、こちらの記事をお読みください。
訃報はメールやLINEで伝えてもいいの?書き方や伝え方のマナーを解説

家族や親族に伝える場合の文例

故人の臨終に立ち会えなかった家族や親族には、亡くなった後できるだけ早く連絡しましょう。

取り急ぎの連絡

「〇〇(故人)の長男△△です。入院していた父〇〇が、今朝方息を引き取りました。葬儀等はこれから手配しますので、決まりましたら改めてご連絡いたします。
遺体は〇〇斎場に安置しております。ご対面いただける場合は私の携帯電話にご連絡ください。電話番号は、090−××××−××××です。」

後ほど行う葬儀案内

「先ほどご連絡しました父の件ですが、葬儀の日程が決まりましたので、お電話しました。
通夜は明日〇月〇日〇時より、葬儀・告別式は明後日の〇月〇日〇時より、〇〇斎場にて行います。〇〇式(宗教形式)で執り行う予定です。
喪主は私ですので、何かありましたら、私の携帯電話にご連絡ください。」

故人の友人や知人に伝える場合の文例

故人との関わりが特に深かった方にも、できるだけ早く連絡しましょう。その他の方については、通夜や葬儀の日程が決まってから連絡しても良いでしょう。

取り急ぎ連絡する場合

「突然のお電話申し訳ございません。私、〇〇〇〇(故人)の息子の△△と申します。以前より入院していた父〇〇が、昨夜遅くに息を引き取りましたことを、お知らせ申し上げます。生前は大変お世話になりましたことを、心から感謝申し上げます。
通夜、葬儀等はこれから手配いたしますので、決まりましたら改めてご連絡させていただきます。」

一般的な葬儀を行う場合

「通夜は明日〇月〇日〇時より、葬儀・告別式は明後日の〇月〇日〇時より、〇〇斎場にて行います。〇〇式(宗教形式)で執り行う予定です。
喪主は私△△が務めます。何かありましたら、私の携帯電話にお願いいたします。電話番号は、090-××××-××××です。」

家族葬・密葬など、身内だけで葬儀を行う場合

「葬儀は故人の生前の希望により家族だけで行いますので、大変恐縮ですが、葬儀へのご参列、ご弔問、お香典、供花等のご厚志につきましては、辞退させていただきます。
生前は大変お世話になりましたことを、心から感謝申し上げます。」

故人の会社関係者に伝える場合の文例

故人が現役で仕事をしている場合には、できるだけ早く連絡しましょう。

取り急ぎ連絡する場合

「お世話になっております。〇〇部の〇〇〇〇(故人の名前)の妻でございます。病気療養中の夫が、本日早朝に亡くなりましたので、取り急ぎ、ご連絡させていただきました。
通夜、葬儀等はこれから手配いたしますので、決まりましたら改めてご連絡させていただきます。」

一般の葬儀を行う場合

「通夜は〇〇斎場で、明日〇月〇日〇時から行います。葬儀・告別式は〇月〇日〇時からです。
お手数をおかけいたしますが、関係者のみなさまにお伝えいただければと思います。
喪主は私△△が務めさせていただきます。何かございましたら、私の携帯電話にご連絡ください。電話番号は、090−××××−××××です。
皆様には大変ご迷惑をお掛け致しますが、なにとぞよろしくお願いいたします。」

葬儀案内については、電話連絡の後にメールやファックスを利用して文章でも伝えると丁寧です。その場合は、メールなどでも詳細を送る旨と送付方法を伝え、送付先を確認しましょう。

葬儀への参列や香典などを辞退する場合

「故人の遺志により、葬儀は家族だけで執り行います。葬儀へのご参列やご香典など、ご厚志(こうし)につきましては、失礼ながらご辞退申し上げます。

□□社の皆さまにおかれましては、○○に対する生前のご厚意に深く感謝申し上げます。
今後の手続きなど必要かと思いますので、葬儀後、改めてご連絡いたします。何かございました際には、私の携帯電話にご連絡ください。電話番号は、090−××××−××××です。」

自身や家族の職場関係、学校関係に伝える場合の文例

忌引き休暇を申請するなど、仕事や学校を休む必要がある場合には、忘れずに連絡しましょう。休暇の規定は会社によって規定が違いますので、日数や申請方法については確認するようにしましょう。

「お疲れ様です。△△です。実は、かねてから病気療養中だった母が本日夕方、亡くなりました。
ご迷惑をおかけし申し訳ありませんが、◯日から◯日まで忌引き休暇を頂けますでしょうか。
業務の引き継ぎについては、個別に連絡いたします。休み中に何かありましたら、私の携帯電話までご連絡ください。
葬儀は近親者のみで執りおこなうため、大変恐れ入りますが、ご弔問、お香典、供花等のご厚志は辞退させていただきます。」

通夜や葬儀に参列していただいても良い場合には、葬儀の詳細についても伝えましょう。

忌引き休暇についてはこちらで詳しく解説していますので、併せてお読みください
忌引きは何日取ることができる?〜取得できる日数や申請方法、マナー、注意点について解説します〜

町内会(自治会)や近隣の方に伝える場合の文例

町内会や自治体など近隣に住む方々とお付き合いがある場合には、訃報連絡を入れることがマナーです。可能であれば電話や訪問をして直接伝えると良いですが、余裕がない場合には町内会長など地区の代表者に連絡し、回覧板などで訃報を流してもらうよう依頼しても良いでしょう。

「突然のお電話失礼いたします。
○○〇〇(故人の名前)の長男△△です。かねてより病気療養中だった父が今朝方息を引き取りました。近隣の皆さまには、生前のご厚意に深く感謝申し上げます。
葬儀に関しましては、故人の生前の意志により、近親者のみで執り行うこととなりましたので、大変恐縮ですが、供花、供物、香典は固く辞退させていただきます。
何かございましたら、私の携帯電話にご連絡ください。電番号は、090−××××−××××です。」

こちらも、通夜や葬儀に参列していただいて良い場合には、葬儀の詳細についても伝えましょう。

メール、ファックスなど文章で伝える場合の文例

訃報はできるだけ電話で伝えるのがマナーとされていますが、どうしても電話が繋がらない場合や、電話番号を知らない場合、普段からやり取りの手段としている場合、一斉に送った方がいい場合、さらには電話で伝えた相手に葬儀の詳細を改めて伝えておきたい場合などには、メールやLINE、ファックス、SNSのチャット機能などを利用しても良いでしょう。中には失礼だと受け取る方もいるため、相手や関係性を考慮することが大切です。
訃報を文章で送る際は、句読点をつけないことがマナーとされています。

一般的な葬儀を行う場合

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件名:【訃報】〇〇〇〇(故人の名前)死去のお知らせ

□□□□様

突然のご連絡失礼致します
○○○○(故人の名前)の長男 △△です

父○○がかねてより病気療養中のところ
令和〇年○月○日 享年○(〇歳)にて永眠いたしました
ここに生前のご厚情に深謝し 謹んでご通知申し上げます

通夜ならびに葬儀式告別式は下記の通り仏式にて執り行います

1.日時
通夜:令和〇年〇月〇日(月)18時〜
葬儀告別式:令和〇年〇月〇日(火)11時〜

2.場所
〇〇会館
住所:〇〇県〇〇市〇〇〇〇
電話:〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇
URL:https://〇〇〇〇〇.com

3.喪主
〇〇〇〇(長男)
連絡先:090−××××−××××
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身内だけで葬儀を行う場合

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件名:【訃報】〇〇〇〇(故人の名前)死去のお知らせ

先だってご連絡申し上げました通り
〇〇部〇〇課○○〇〇(故人の名前)が 病気療養中のところ
令和〇年○月○日 享年○(〇歳)にて他界いたしました
ここに生前のご厚情に深謝し 謹んでご通知申し上げます

尚 この度の葬儀は故人の遺志により 家族のみで執り行う予定です
葬儀へのご参列 ご香典 ご供花 お供物などのご厚志につきましては
誠に勝手ながら辞退させていただきます

何卒よろしくお願い申し上げます

喪主 □□(長男)
携帯電話:090−××××−××××
E-mail:△△@△△
==========

ハガキや手紙で伝える場合の文例

季節の手紙だけのやり取りだった方や、疎遠になってしまった相手、家族葬などで親近者以外の葬儀にお呼びしなかった方などには、葬儀が終わってから葉書や手紙などで伝えることも多いようです。
メールなどと同様、文章で伝える場合は句読点を入れないようにするのがマナーです。送るタイミングは、四十九日法要の後を目安にしましょう。

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祖父 〇〇(故人の名前) 儀

かねてより入院療養中でございましたが
令和○年○月○日 ○歳にて他界いたしました

誠に勝手ではございますが 故人の遺志により
葬儀は○月○日に近親者だけで執り行いました

早速お知らせするべきところでございましたが
ご通知が遅れましたことをお詫び申し上げます

ここに謹んでお知らせ申し上げますとともに
故人が生前受け賜りましたご厚誼に深く御礼申し上げます

なお 誠に勝手ではございますが ご香典 ご供花 お供え物等につきましては謹んでご辞退申し上げます

令和○年○月

〒×××−××××
〇〇県〇〇市○丁目〇〇
電話 090−××××−××××
△△△△△(喪主の名前)
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訃報を送る際の注意点

内容は簡潔にする

訃報は、亡くなったことや葬儀の案内について、なるべく早く正確に知らせることが目的です。時候の挨拶などは必要ありません。必要な内容を簡潔に伝えるようにしましょう。
とはいえ、大切な人を失った直後は気が動転してしまうこともあります。そのような時には、例文を参考に伝える内容をメモしておくなど、必要な情報確実に伝えられるよう準備をしてから連絡を取ると安心です。

忌み言葉は使用しない

冠婚葬祭の場では、死や不幸を連想させる言葉を「忌み言葉」と呼び、使用を控えるのがマナーとされています。下のような言葉や表現を使わないように注意しましょう。

  • 「死ぬ」「急死」などの生死に関わる直接的な表現
  • 「追って」「たびたび」「再び」など重なりや繰り返しを連想させる表現
  • 「苦しい」「迷う」「浮かばれない」などの不吉とされる表現や、「四」「九」など「死」や「苦」を連想させる言葉

忌み言葉については、こちらにも詳しく解説しています
通夜や葬儀の場にふさわしいお悔やみの言葉とは〜マナーやNGワードを紹介〜

句読点はつけない

訃報を文章で送る場合には、句読点「、」「。」を使用しないのが一般的なマナーとされています。
理由は諸説ありますが、一説には、文を区切る句読点を入れないことで、滞りなく葬儀が終わるようにという意味が込められていると言われています。毛筆で手紙が書かれていた時代は句読点がまだ誕生しておらず、その文化の名残であるという説もあります。

まとめ

訃報の伝え方については、厳密な決まりがあるわけではありません。しかし、故人がお世話になった方々への大切な連絡ですので、連絡のタイミングや方法、言葉遣いに気を配り、故人を尊重しつつ、相手に失礼がないように伝えることが大切です。

大切な人を亡くした直後に、訃報連絡や葬儀の準備を進めるのは大変なこともありますが、最近では、ご家族の負担を減らすためにも、エンディングノートに訃報を伝えてほしい人のリストをまとめておくという方もいらっしゃいます。この機会に、ご自身やご家族の葬儀や供養のあり方を話題にしてみてはいかがでしょうか。

終活やエンディングノートについては、こちらの記事をお読みください。
正しいエンディングノートの書き方について解説します

喪主や遺族として、お悔やみの言葉や香典を受け取った時のマナーについてもまとめていますので合わせてお読みください。
お悔やみへの正しい返事の仕方とは?〜お悔やみへの返事の表現やマナーを解説〜
きちんとしておきたい、香典返しで気をつけるべきタブーとは

お悔やみの言葉の文例集はこちらです。
「お悔やみの言葉」文例集〜通夜・葬儀でのお悔やみの言葉の使い方を解説します〜