お役立ちコラム お墓の色々

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忌引きは何日取ることができる?〜取得できる日数や申請方法、マナー、注意点について解説します〜

葬祭基礎知識

忌引きは何日取ることができる?〜取得できる日数や申請方法、マナー、注意点について解説します〜

「忌引き」とは、身内が亡くなった際に、喪に服したり葬儀に参列したりするために取得できる休暇のことで、多くの学校や会社で導入されています。
聞いたことはあっても、身内の不幸はそうそう経験するものではないため、誰が亡くなった場合に取得できるのか?何日取ることができるのか?など、具体的なことはよく分からないと言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、忌引きとはどのような休暇なのか、具体的な日数や申請方法はどうなっているのか、さらに申請時のマナーや注意点について解説していきますので、万が一の際に慌てないためにも、今後の参考にしていただけたらと思います。

「忌引き」「忌引き休暇」とは

「忌引き(きびき)」とは、親近者のご不幸のため、会社や学校を休んで喪に服することを意味する言葉です。その際に取得する休暇を「忌引き休暇」と言いますが、「忌引き」と略されることもあります。

葬儀や諸々の手続きのほか、故人を偲び喪に服す期間でもあり、会社によっては、「服喪休暇」と呼ぶところや、冠婚葬祭に関する休みをまとめて「慶弔休暇」としているところもあります。

この忌引き休暇は、年次有給休暇、介護休暇、産前産後休暇のように労働基準法で定められた休暇ではありません。しかし、身内の不幸は誰にでも起こり得ることであり、喪に服すだけでなく、葬儀や諸々の手続きで休みが必要といった考えから、多くの会社や学校で忌引き休暇の制度が設けられています。日数などはそれぞれの規則に沿って定められており、休暇が認められた期間中は欠勤・欠席扱いにならないことが一般的です。

忌引きの由来

近親者のご不幸に際して喪に服すことは、元々、「忌服(きふく・きぶく)」「服忌 (ぶっき)」と呼ばれ、「忌中(きちゅう)」とされる49日間(神道の場合は50日)を目安として、一定期間は自宅で慎ましやかな生活をおくりながら故人を偲ぶという習慣がありました。

江戸時代には、それ以前から神社で定められていたものを元にして、近親者のご不幸に際して喪に服す期間を定めた法令である「服忌令(ぶっきりょう)」が制定されました。明治時代以降もこれが採用され、故人との続柄によって最大50日、外出を控えて故人の供養に専念する期間が設けられていました。
戦後、このような法律は無くなりましたが、「忌引き」という慣習は、日本の社会通念として残っています。

忌中の由来や考え方については、こちらの記事を合わせてお読みください。
忌中と喪中の違いとは?年賀状を送らないのはどっち?

忌引き休暇制度

忌引き休暇の規定

前述したように、忌引き休暇は法律で定められた休暇ではないため、規定については会社や学校の裁量に任せられています。

一般的には、2親等以内の親族が亡くなった際を対象に設定されている場合が多いようです。とはいえ、故人と同居していた場合や、特にお世話になった相手だった場合などには、3親等以上でも忌引き休暇が認められることもあるようです。

休暇期間に給与が発生するかどうかも会社によって異なります。特別休暇扱いとして給与が出る場合、有給休暇を充当することを推奨している場合、無休扱いとする場合など様々です。

忌引き休暇の制度を設けている会社でも、正社員、契約社員、パート、アルバイトといった雇用形態によって規定が異なる場合があります。
さらに、忌引き休暇の制度を設けていない会社や、統一的な規定を定めていない会社も少なくありません。休暇がとりにくい業種である場合など、その都度判断するというパターンもあるようです。

忌引きの日数の目安

忌引き休暇の日数についても一律には決まっておらず、会社や学校ごとに異なります。ここでは、故人との関係ごとの一般的な目安を紹介します。

故人との関係による忌引き休暇の日数

0親等
  • 配偶者 10日間
1親等
  • 両親 5~10日間
  • 子ども 5〜7日間
  • 配偶者の両親 3日間
2親等
  • 祖父母 2~3日間
  • 兄弟姉妹 2〜3日間
  • 孫 1日
  • 配偶者の祖父母 1日
  • 配偶者の兄弟姉妹 1日
3親等
  • 曾祖父、曾祖母 1日
  • 叔父叔母(伯父伯母) 1日

申請者が喪主の場合は、通夜や葬儀・火葬などを手配し取り仕切る役割があるため、1〜2日多く取得できる場合もあります。

忌引き休暇の数え方

忌引き期間を数えるにあたって、故人が亡くなった当日、または翌日から数え始め、会社によっては休業日も休暇日数として加算されることもあります。

また、葬儀の場所が遠方であっても、移動にかかる時間は考慮されないことが多く、その場合、移動日については有給休暇とするよう勧められることが一般的です。

規則を知らないと、実際に忌引き休暇として取得できる日数が、予定していた日数より少なくなってしまうこともあるので、事前に就業規則などで確認しておくことが大切です。

忌引き休暇の申請方法と申請時のマナー

忌引き休暇は、口頭での連絡や申請書の提出をすることで取得することができます。特に会社の場合は、取得する際のマナーとして注意する点がいくつかあるので、解説していきます。

就業規則を事前に確認する

前述のように、忌引き休暇に関する規則は会社によって異なります。

まずは、忌引き休暇の規定があるかどうか、ある場合には申請できる条件や日数、給与の扱い、必要な書類などについて事前に確認しましょう。申請には会葬礼状や葬儀施行証明書など、葬儀に参列したことを証明する書類が必要な場合があります。会場が遠方の時など、後日取り寄せるには時間がかかってしまう場合もあるため、申請前に確認しておくと良いでしょう。

口頭で連絡する

忌引き休暇が必要になった場合は、できるだけ早く直属の上司に連絡し、休む日数の相談や担当している仕事の引き継ぎなどを行います。できるだけ口頭や電話など直接話す形で伝え、夜間や早朝など、どうしても電話連絡ができない場合には、メールを送ってから後で電話連絡するとよいでしょう。
また、可能であれば同僚や部下にも連絡を入れ、円滑な引き継ぎができるようにすると、より丁寧です。

会社によっては、従業員の葬儀に弔電を送ったり、上司が参列したりするところもあります。故人との間柄、通夜や葬儀の日時と場所、休暇期間や不在中の連絡先も伝えるようにしましょう。また、自分が喪主である場合や、遠方に出向く必要がある場合にも、休暇の取得日数などに関わるため、伝えておくと良いでしょう。

学校の場合は、担任教員や事務職員に休暇取得の旨を伝え、必要な場合は書類を提出して申請を済ませましょう。

休暇中の伝達事項をまとめる

休暇の取得について口頭で伝えた後は、伝達内容についてまとめ、書類やメールで残しておくと良いでしょう。文字に残すことで内容をチェックすることもできますし、引継ぎに関わるトラブルを回避することにも繋がります。

休暇明けはあいさつと報告をしっかりと行う

休暇明けには、上司や同僚、取引先に対して、報告やお礼の挨拶を忘れずに行うことが大切です。突然の休暇取得に関わる対応や業務のサポートへの感謝、休暇が取れたおかげで、きちんとお別れができたことなどのお礼を伝えると良いでしょう。菓子折りを持参することも1つの方法です。その場合は「のし」や「掛け紙」はつけずに渡しましょう。

香典返し

葬儀の際に香典を受け取った場合は、会社名でいただいた時を除き、忌引き休暇明けの挨拶回りの時か、49日を過ぎた後に香典返しを行いましょう。

香典返しや、お悔やみの言葉をもらった際のマナーについても紹介していますので、ご覧ください。
きちんとしておきたい、香典返しで気をつけるべきタブーとは
お悔やみへの正しい返事の仕方とは?〜お悔やみへの返事の表現やマナーを解説〜

まとめ

忌引き休暇について、その制度や取得できる日数の目安、申請の方法やマナーについて紹介してきました。

大切な人との別れは、深い悲しみを伴います。そのような時、休暇の制度などについて事前に知っているだけでも、いざという時に慌てずにすみますし、心の余裕につながります。また、スムーズに手続きを済ませることができれば、その後の供養をしっかり進めていけるということにも繋がるでしょう。

いつ訪れるかわからない大切な人との別れに、悔いのない見送りをするためにも、記事の内容を参考に、忌引き休暇について一度確認してみてはいかがでしょうか。

遺族としての過ごし方などについてもまとめている記事がありますので、参考になさってください。
葬儀の準備から納骨式までの流れや必要なものを時系列順に解説
四十九日はいつから?数え方や日程の決め方を説明します
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