お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
火葬許可証はどこでもらう?申請の流れや提出先、再発行の方法について解説します
大切なご家族が亡くなられた際、遺族は様々な手続きや書類の準備をしなくてはなりません。その中でも、早い段階で手配が必要な書類の一つに「火葬許可証」があります。
火葬許可証は、火葬をする際に必要となる重要な書類で、これがないと火葬を行うことができません。
今回は、火葬許可証について、入手方法や、申請の流れ、許可証を提出する際の流れなどについて詳しく解説していきます。万が一紛失した際の再発行についてもまとめていますので、いざという時に慌てないためにも、参考にしていただけたらと思います。
火葬許可証とは
火葬許可証とは
火葬許可証(死体火葬許可証)は、亡くなった方のご遺体を火葬するために必要な、市役所や町村役場で発行される許可証のことを言います。日本の埋葬に関する法律では、許可証がなければ火葬や埋葬を行うことができないと決められているため、火葬前に必ず取得しておく必要があります。
ちなみに、日本の法律では、必ずしも火葬が義務付けられているわけではなく、土葬も認められています。しかし、土葬が可能な都道府県や自治体は限られており、現在では9割以上が火葬になっているようです。
埋葬許可証との違い
火葬許可証と混同されやすい書類に、故人のご遺骨を埋葬するために必要な「埋葬許可証」があります。法律上では、火葬許可証と埋葬許可証は別の書類ですが、実際は、1つの書類が火葬許可証と埋葬許可証、両方の役割を果たす書類となっており、「埋火葬許可証」「死体埋葬火葬許可証」などの名称とされていることもあります。
死亡届の提出後に受け取る書類が「火葬許可証」。これを火葬場に提出し、火葬が済んだ後に火葬執行済みの印が押され返却されたものが「埋葬許可証」という扱いになります。
埋葬許可証について詳細は、こちらの記事で解説しています。
◆埋葬許可証が必要だと知っていますか?もらい方や必要なタイミングとは
火葬許可証の取得方法
火葬許可証は、死亡届を市役所や町村役場の窓口に提出する際に、申請手続きをして発行してもらうのが一般的です。この時、市区町村によっては火葬許可申請書(火葬・埋葬許可交付申請書)の記入が必要な場合もありますし、申請書を必要とせず死亡届を提出することで発行してくれるところもあります。
誰が申請するのか?
火葬許可の申請者は、死亡届の届出人と同一人物である必要があり、故人の親族・同居者・家主・地主、家屋管理人、土地管理人等、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者のいずれかと定められています。
ただ、この場合の「届出人」「申請者」というのは、書類を記入する人のことを指し、実際に書類を提出して手続きを行うのは、届出人・申請者以外の代理人でも可能とされています。そのため近年では、死亡届の提出から火葬許可証の受け取りまでをまとめて、葬儀社が代行してくれることも多くなっています。
どこに申請するのか?
死亡届を提出し火葬許可証の発行申請を行う先は、市役所や町村役場の窓口ですが、どの地域でも良いわけではなく、「故人の死亡地」「故人の本籍地」「届出人の所在地(住所地)」のいずれかと決められています。故人の住所地ではないので、注意が必要です。
受付時間
書類の提出は、休日や夜間でも可能です。ただ、その場合は窓口で預かってもらう形となり、実際の受付や火葬許可証の発行は、市役所や町村役場が開いている時間の対応となります。手続きをスムーズに進めるには、事前に受付時間を調べておくと良いでしょう。
申請期限
火葬や、火葬許可証の発行申請には、特に期限が定められていません。しかし、死亡届は、死亡を知った日から7日以内(国外で亡くなられた場合は3ヶ月以内)に提出しなくてはならないと決められており、一緒に申請を行うのが基本となっています。
また、葬儀の日に火葬するのが一般的な葬儀の流れとなっていることから、間に合うよう、亡くなられた当日から遅くても2日以内に手続きを行うことが多くなっています。
このように、火葬許可証の発行申請は、亡くなられた当日でも行うことができますが、法律により「埋葬または火葬は、死亡後24時間を経過した後でなければ、これを行ってはならない」とされています。
最近では、通夜・告別式を行わない「直葬」(火葬式)を希望される方も増えていますが、病院からそのまま火葬場に運ぶということはできず、一旦自宅などに安置する必要があることは覚えておきましょう。
「直葬」(火葬式)についてはこちらで詳しく解説しています。
◆直葬(火葬式)とは?意味や流れを説明します
申請に必要な持ち物
火葬許可証の発行申請に必要な、死亡届の他にも、以下のものを持っていくと安心です。ただし自治体によって異なる場合があるため、事前に役所のホームページや窓口で確認しておきましょう。
- 死亡届
- 届出人(申請者)の印鑑(必要ない場合もある)
- 届出人の身分証明書
- 火葬費用(市内の火葬場を使用する場合など)
火葬許可証取得までの流れ
火葬許可証を取得するまで、大まかな流れをご紹介します。
死亡届を準備する
火葬許可証の発行申請には、死亡届の提出が必要です。故人が亡くなった後に医師から受けとる死亡診断書(遺体検案書)の左側が死亡届となっているので、故人の氏名や住所、本籍、届出人の情報など必要事項を記入します。
火葬の場所や日程を決める
火葬許可証の発行申請では、火葬の場所を決めておく必要があるため、菩提寺や葬儀社のスタッフと打ち合わせの際に火葬場の予約を済ませましょう。
市区町村によっては、火葬許可証の発行申請の際に、火葬場(斎場)の予約や火葬料金の支払いをする場合もあります。
火葬許可証の発行申請を行う
ご自身で手続きをされる場合は、決められた市役所や町村役場に死亡届を提出し、必要であれば「火葬許可申請書」(火葬・埋葬許可交付申請書)を窓口で受け取って必要事項を記入し提出します。
葬儀社が手続きを代行してくれることも増えているので、依頼したい場合は一度葬儀社のスタッフに確認してみると良いでしょう。
火葬許可証が発行される
死亡届や申請書に不備がなければ、その場で火葬許可証が発行されます。
受け取ったら、火葬の日まで大切に保管しておきましょう。
火葬許可証はいつどこに提出するのか
火葬場に持参する
火葬許可証は、火葬の当日、忘れずに火葬場へ持参し、火葬場の管理事務所で提出します。
火葬後、「埋葬許可証」として返却される
火葬と、遺骨を骨壺に納める収骨(骨上げ)が終わったら、火葬許可証に火葬執行済の印が押され、遺骨を納めた骨壺と一緒に遺族に返されます。返却された書類は、埋葬許可証として納骨などの際に必要となるため大切に保管しておきましょう。
また、お墓とは別に本山や菩提寺にも遺骨を納骨したいなどといった場合には、「分骨」を行う必要があります。分骨をする必要がある場合は、このタイミングで分骨証明書を発行してもらうとよいでしょう。
分骨に必要な手続きについては、こちらで詳しく解説しています。
◆手続きが必要?分骨の手順や手続きとは
火葬許可証の再発行について
万が一、火葬許可証や、火葬後に受け取る埋葬許可証を失くしてしまった場合は、すみやかに再発行の手続きを行いましょう。再発行は火葬許可証を発行してもらった(死亡届を提出した)市役所や町村役場で行うことができます。
この場合の申請者は、死亡届の届出人、故人の祭祀承継者、故人の直径の遺族とされており、第三者に代行してもらう場合は正式な申請者からの委任状が必要となります。
また、火葬許可証が発行されてから5年以上経過している場合には、手続きの際、火葬を行った火葬場で「火葬証明書」を発行してもらう必要があるため注意が必要です。火葬の記録は、保存期間が場所によって異なります。記録が残っていない可能性もあるため、早めに葬儀場に確認しましょう。
再発行に必要な手続きや書類は、市区町村によって違う場合がありますので、事前に窓口に問い合わせて確認しましょう。
まとめ
葬儀の前後は、大切な家族を亡くした悲しみの中で、手続きを次々と進めていく必要があります。時には、何から手をつけたら良いか分からなくなることもあるかもしれません。
死亡届や火葬許可申請書の作成には、故人や届出人の本籍地といった情報が必要になるため、この機会にご家族で話し合っておくだけでも、いざという時の手続きの負担を少しでも軽くできるのではないでしょうか。お住まいの市区町村での火葬許可証の取得方法をホームページなどで確認しておくのも良いでしょう。
火葬許可証は、火葬の時だけでなく、火葬後は埋葬許可証として、納骨の際やお墓を移動する改葬の際にも必要な書類となるため、コピーを取ったりスキャンして保存したりしておくと安心です。葬儀、火葬といった慌ただしい中で受け取ることになりますが、葬儀や供養、お墓に関わる書類と一緒に、大切に保管しましょう。
葬儀の準備や納骨についての記事もございますので、合わせてお読みください。
◆葬儀の準備から納骨式までの流れや必要なものを時系列順に解説
◆納骨の時期はいつ?ルールや準備するものとは
◆そもそも納骨をすることの意義や理由とは
◆お墓に骨壷が入らない?カロートが一杯になったときどうするか解説