お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
遺影はいつまで飾る?気になる保管方法と処分方法を徹底解説します

故人とのお別れの際、祭壇の中心に掲げられる遺影。
故人の生前の面影を最も身近に感じられ、故人を偲ぶことのできる大切なものですが、葬儀が無事に終わった後、「この大きな遺影をいつまで飾っておくの?」「どこに置くのが正しいの?」などと悩まれる方は少なくありません。
また、引越しや家族構成の変化などに伴い、やむを得ず処分を検討しなければならない場面もあるでしょう。「故人の写真を捨ててもいいの?」という心理的な抵抗感や、適切な処分方法がわからないという不安を抱えるのは決して不自然なことではありません。
この記事では、遺影を飾る場所やいつまで飾るといった基本的な事柄から、四十九日以降の保管や処分方法、さらには現代のライフスタイルに合わせた供養の方法まで詳しく解説します。
故人を想う気持ちを大切にしながら、今の自分たちに合った最適な向き合い方を見つける参考にしていただければ幸いです。
葬儀が終わった後の遺影はどこに?いつまで飾る?
遺影とは、葬儀の際に祭壇に祀られる、故人の生前の姿を写した写真のことです。
かつては白黒写真が一般的でしたが、現在はその人らしさを表す色を背景にしたカラー写真や、お気に入りの風景を合成したものなど、その形は多様化しています。
葬儀において、遺影は故人の象徴として非常に重要な役割を果たしますが、式が終わった後は自宅へ持ち帰り、適切な場所に飾る必要があります。
遺影を飾る場所
葬儀後、自宅に持ち帰った遺影は一般的に「後飾り祭壇(あとかざりさいだん)」に飾ります。後飾り祭壇とは、四十九日の法要を迎えるまで、ご遺骨や位牌を一時的に安置し、家族や弔問客が手を合わす場所となる簡易的な祭壇のことです。後飾り棚(あとかざりだな)とも呼ばれます。
通常は葬儀社が用意してくれるもので、自分で用意する必要はありませんが、部屋の北側または西側に設置し、上段中央に位牌、向かって左に遺影、右側にご遺骨を安置します。下段には香炉や燭台、花立、お供え物などを並べて供養します。
遺影を飾る期間
後飾り祭壇に遺影を飾っておく期間は、一般的に「四十九日法要まで」とされています。仏教では、故人が亡くなってから49日間を「中陰(ちゅういん)」または「中有(ちゅうう)」と呼び、故人の魂が次の生を受けるまでの審判を受ける期間とされ、この期間を終えて初めて忌明け(きあけ)となります。
四十九日の法要をもって後飾り祭壇は片付けられ、位牌は本位牌として仏壇へ、遺骨はお墓へ納骨されたり、手元供養にうつされたりと場所を移動します。それに合わせ、大きな額縁に入った遺影も、後飾り祭壇から別の場所で飾る、あるいは保管・処分の段階へと移ります。
混同しやすい忌中と喪中意味の違いや、期間中すべきではないことを詳しく解説している記事もあります。迷った方は是非ご覧ください。
◆喪中の過ごし方〜忌中と喪中の違い、喪中にやってはいけないこととは?〜
四十九日法要の意味やマナー、それまでにすべきことを解説した記事もあります。あわせてご覧ください。
◆四十九日までの過ごし方 〜すべきこと、してはいけないこと〜
四十九日が終わった後の遺影はどうする?
四十九日の法要が終わり、忌明けを迎えた後の遺影の扱いには、大きく分けて3つの選択肢があります。家庭の状況や地域の慣習、ご自身の気持ちに照らしあわせて判断しましょう。
1. 別の場所に飾る
最も一般的なのは、後飾り祭壇を片付けた後も遺影を自宅の別の場所に飾り続ける方法です。
- 床の間や仏間の鴨居(かもい)の上:一昔前は、仏壇のある部屋の長押(なげし)などに、先祖代々の遺影を並べて飾る光景が多く見られました。
- リビングや寝室:最近では「いつも近くで見守ってほしい」という想いから、家族が集まるリビングや、個人の部屋に飾るケースも増えています。
2. 収納・保管しておく
「飾るスペースはないけれど、捨ててしまうのは忍びない」「法要の際にだけ取り出して飾りたい」という場合は、大切に収納・保管しておきます。 葬儀で使用した大きな額縁のままではかさばってしまうので、中身の写真だけを取り出してアルバムに収めたり、額縁を緩衝材で包んで押し入れの天袋などに保管したりします。
3. 処分する
遺影を「処分する」ことも一つの選択肢です。 決して薄情なことではなく、「遺影の数が増えすぎて管理しきれない」「住み替えで飾る場所がなくなった」「自分が亡くなった後に管理する人がいない」といった現実的な理由から、適切な供養を経て手放す方も少なくありません。
遺影の主な処分方法とは?
遺影を処分する際には、以下の3つの方法が一般的です。ご自身や家族の精神的な負担が少ない方法を選びましょう。
1. お寺でお焚き上げ供養をしてもらう
故人が写った写真を捨てるというのは心理的な抵抗が強い方も多いと思います。そんな場合は、お寺で「お焚き上げ(おたきあげ)」をしてもらうのが最も安心できる方法です。
読経とともに火にくべることで、故人への感謝を伝え、天へ還す儀式です。
お付き合いのあるお寺・菩提寺がある場合はそこに相談してみましょう。菩提寺がない場合でも、お焚き上げを受け付けている寺院や神社がありますので探してみるとよいでしょう。
お焚き上げについて詳しくは以下の記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
◆お焚き上げとは?いつ行うの?意味やタイミングについて解説します
2. 葬儀社や専門業者に処分を依頼する
葬儀を依頼した葬儀社や、遺品整理などの専門業者に相談する方法もあります。
多くの葬儀社では、定期的に合同供養祭を行っており、遺影の引き取りを行っています。 また、近年では「終活」を行う方が増えたことで、宅配便で送るだけでお焚き上げを代行してくれる業者も増加しており、そのような業者に依頼することで丁寧な処分が可能です。
3. 一般ごみとして捨てる
遺影は一般ごみとして自治体のルールに従って捨てても問題はありません。
遺影そのものには位牌のように魂が宿っている(開眼供養されている)わけではないため、宗教的な考えでも閉眼供養をしなくとも写真という「もの」として扱っても問題ないとされているからです。
そのまま捨てるのは忍びないという場合は、白い紙に包んでお清めの塩を振り、手を合わせてから出すのがおすすめです。額縁のガラスや木枠は、自治体の分別ルールに従って処理しましょう。
開眼供養・閉眼供養については以下の記事で詳しく解説しています。ご参照ください。
◆魂抜きとは?~必要性や適切なタイミング・準備から当日の流れまでを解説します~
遺影の処分にかかる費用相場
処分方法によって費用は異なります。予算と安心感のバランスで検討してみてください。
| 処分方法 | 費用相場 | 備考 |
|---|---|---|
| お焚き上げ供養(寺院) | 10,000円〜50,000円程度 | 「お布施」として包みます。額縁の有無や枚数で変わることもあります。 |
| 葬儀社・専門業者 | 3,000円〜5,000円程度 | 輸送費や合同供養の参加費が含まれる場合があります。葬儀業者の場合はもともとの葬儀プランに含まれている場合もあります。専門業者の場合は1枚毎ではなく1箱で値段が決まっていることが多いです。 |
| 一般ごみ | 無料〜数百円程度 | 指定ごみ袋代等。 |
※複数の遺影をまとめて依頼する場合は、1点あたりの単価が安くなる傾向があります。
遺影の飾り方・保管方法に関する注意点
遺影を自宅に飾り続ける・保管する場合には、いくつか避けるべき「NG行為」があります。
1. 仏壇の中や真上に遺影を飾らない
仏壇の中や、その真上の壁に遺影を飾るのは避けましょう。
仏壇は「仏様(ご本尊)」を祀る浄土の世界ともされる神聖な場所です。遺影を中に入れるとご本尊が隠れてしまったり、真上に飾ると仏様を見下ろす形になったりするため、失礼にあたるとされています。
遺影を飾るなら、仏壇の横や少し離れた場所、あるいは仏壇よりも低い位置にするのがマナーとされています。
仏壇にお祀りされているご本尊について詳しく解説した記事もあります。あわせてご覧ください。
2. 複数の遺影を並べる場合は上座・下座を考慮して
先祖代々の遺影を並べて飾る際は、配置に注意が必要です。
日本では伝統的に「左上右下(さじょううげ)」という礼儀作法があります。これは並んでいる人(この場合は遺影)から見てのものなので、向かって右側が「上座」、左側が「下座」となります。
家長や世代が古い人(立場が上の人)を右側に、新しい人を左側へと順に並べるのが正しい順序です。基本的には「亡くなられた順に右から左に飾る」と覚えておけば問題ありません。
伝統的に大事にされている上座・下座の概念はお墓にも存在します。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
3. 直射日光のあたる場所や湿気の多い場所に置かない
写真は取り扱いに注意しないとすぐに傷んでしまうものです。直射日光に当たりやすい場所に置くと、紫外線によって色が褪せたり、反り返ったりすることもあります。
また高温多湿な場所も厳禁です。特に額縁に入れたままの遺影はガラスに張り付いて取れなくなってしまったり、カビが生えてしまったりすることも往々にしてあります。
長くきれいなまま残したい場合は、保管するにしても飾り付けるにしても、風通しが良く、直射日光の当たらない場所を選びましょう。
遺影の置き場所が限られている際の保管方法
「大きな額縁を飾る場所がないけれど、処分もしたくない」という方には、以下のような保管方法がおすすめです。
- リサイズ(縮小印刷)して飾る: 葬儀用の大きな写真は、写真店や業者に依頼すれば簡単にL版やハガキサイズに小さく焼き直すことができます。
複合機をお持ちであればちょっとした手間で、自分で加工することも可能です。ミニサイズの額縁に入れることができれば、現代的なリビングや小さな仏壇の横でも場所をとらずに飾れます。 - デジタルデータとして保管する:写真をスキャンしてデータ化し、パソコンやクラウド、フォトフレームに保存する方法です。これなら劣化の心配がなく、スマートフォンやタブレット等でいつでも見返すことができます。
- 供養アルバムにまとめる: 先祖代々の遺影を額縁から出し、一冊の「供養アルバム」としてまとめるのもよい方法でしょう。場所をとらず、法事の際にあつまった家族・親族一同でゆっくり見返し、思い出話に花を咲かせることもできます。
こうした方法を取り入れることは、決して失礼なことではなく、現代のライフスタイルに最適化された供養の形と言えるかもしれません。
大切なのは、カタチではなく、故人を偲ぶ気持ち
遺影は、葬儀後から四十九日までは「後飾り祭壇」に安置し、忌明け後は「飾り続ける」「保管する」「処分する」のいずれかを選択するのが一般的です。
処分を検討される場合でも、多数の選択肢の中からご自身や家族の納得できる方法を選ぶことができます。また、飾り続ける場合には「仏壇の中には飾らない」といった基本的なマナーに配慮しましょう。
大切なのはどのようなカタチで遺影を扱うかではなく故人を偲ぶ気持ちです。大きな額縁という形にこだわらず、リサイズしたりデジタル化したりすることで、無理のない範囲で故人を身近に感じ続けることができます。
ご自身の生活スタイルに合わせて、後悔のない選択をなさってください。
逝去してから納骨までの全体の流れを把握しておきたい方や「供養って何だろう?」と思われた方、「お墓と仏壇ってどっちも必要?」と疑問な方にはこちらのコラムもおすすめです。あわせてお読みください。