お役立ちコラム お墓の色々
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12月の季節の行事・イベント・風物詩といえば?お墓参りのタイミングも紹介

木々が葉を落とし、地域によっては雪景色も見られるようになる12月。クリスマスの華やかさと、年越しに向けた慌ただしさをイメージする方が多いかもしれませんが、実は、新年に向けて心身を整えていくための伝統的な行事が、各地で行われる月でもあります。具体的にはどんな行事があるのでしょうか?
今回は、12月の季節の行事やイベント、風物詩を順に紹介し、お墓参りに良いとされるタイミングや注意点についても解説していきます。
12月はこんな月
本格的な冬の訪れを感じる12月
12月は、冬至に向けて日が短くなるにつれ寒さが増し、本格的な冬の訪れを感じる月です。月の後半には、日本海側を中心に雨が雪に変わる地域が多く、山間部では雪が積もり始めます。
また、クリスマスに向けたイルミネーションで街が彩られたり、年越しに向けた準備が進められたりと、寒さの中にも華やかさや新年への希望を感じる月であるとともに、冬のレジャーシーズンに突入し、スキーやスノーボード、温泉旅行などを楽しむ人が増える一方で、道路の凍結や積雪、年末に向けた慌ただしさなどにより事故が起こりやすい時期でもあるため、気持ちを落ち着けて過ごしたい季節とも言えるでしょう。
師走(しわす)と呼ばれる由来
12月には「師走(しわす)」という別の呼び名があります。これは、旧暦の時代から使われている日本古来の月の呼び名で、「和風月名」と言います。
師走の語源は諸説ありますが、昔はよく行われていた、年末年始に親戚が集い各家庭で僧侶を招いてお経をあげる風習や、12月8日に行う法要「成道会(じょうどうえ)」、中旬に行う法要「仏名会(ぶつみょうえ)」、年末年始に行う法要「修正会(しゅしょうえ)」が重なり、僧侶(師)が東西に忙しく馳せ走る月との意味で、江戸時代くらいまでは「師馳」、それが転じて「師走」と呼ばれるようになったという説が有名です。また、「御師(おんし・おし)」と呼ばれる、神社やお寺の参拝者の世話をする役割を担った神職が、お札や新しい年の暦を配るために家々を訪ねて回っていたことに由来するとも言われています。
その他、物事の終わりを「極(ハツ・ハテ)」と行ったことから、四季の終わりを意味する「四極(しはつ)」や、年の終わりを意味する「極月(ごくげつ)」「としはつる(歳極つる・年果つる)月」が転じたとする説もあります。
大晦日の除夜の鐘に続いて行われる修正会については、こちらの記事でご紹介しています。
◆修正会(しゅしょうえ)とは?お寺で行う正月行事の意味や歴史を解説
一年の締めくくりと新年の準備
平成から令和に変わり、6月と並んで祝日がなくなった12月ですが、年末年始には休暇や休業に入る学校や会社が多くあります。
官公庁では12月28日を「御用納め」と呼び、12月29日から1月3日までが冬季休暇と定められていますが、一般企業でも、これに準じる形で「仕事納め」や休暇・休業が決められていることが多いようです。
またこの時期は、大掃除やお正月の飾り、おせち料理の準備など、各家庭で年越しに向けた準備が進められるほか、神社やお寺においても、年末ならではの行事が多く執り行われます。
12月の行事・イベント
成道会(12月8日)
成道会(じょうどうえ)は、仏教の開祖であるお釈迦様が悟りを開いたとされる12月8日に合わせて営まれる法要で、各地のお寺では、読経や説法、坐禅修行などが執り行われます。お釈迦様が仏道を成就(成道)されたことを祝い感謝の気持ちを示す行事で、仏教の三大法会の一つとされています。
寺院によっては、法要の後に、お粥の振る舞いや、炊いた大根を振る舞う「大根焚き(だいこたき)」を行う所もあります。
成道会については、こちらの記事で詳しく解説しています。
◆成道会(じょうどうえ)とは?仏教誕生のきっかけとなった日について解説
事納め・事始め、針供養(12月8日)
12月8日は、農作業など1年の作業を終える「事納め」、または、東日本を中心とした地域では、正月準備を始める「事始め」の日と言われています。
日本には古くから、「事八日(ことようか)」といって、12月8日と2月8日を「物事を始めたり納めたりする節目」とする考え方があり、一部の地域や家庭においては、これらの日に無病息災や五穀豊穣を祈って、ごぼう、にんじん、里芋、大根、こんにゃく、小豆などを入れた「おこと汁」を食べる風習が、今も受け継がれています。
またこの日は、「針供養」といって、針仕事の上達や無事を祈り、折れたり錆びたりして使えなくなった針を供養する日でもあります。自宅や寺社で、豆腐やこんにゃく、餅などに刺して供養するほか、お寺や神社では、法要やお祓いを行うところもあります。西日本では12月8日、東日本では2月8日に行うことが多いようです。
針供養については、こちらの記事で詳しく解説しています。
◆針供養とは?いつ行う?なぜ豆腐に刺す?供養の方法や歴史を紹介
煤払い、正月事始め(12月13日)
12月13日は、「正月事始め」と呼ばれ、お正月に年神様をお迎えするための準備を始める日として大切にされてきました。この正月準備の最初に、煤や埃と一緒に1年の穢れや厄を祓う儀式として受け継がれている伝統行事が、「煤払い(すすはらい)」です。長い笹竹を使って建物の汚れを払う様子が新聞やテレビに取り上げられるなど、年の瀬を感じさせる風物詩となっています。
地域によっては、前述のように12月8日を正月準備の「事始め」とする地域もありますが、旧暦12月13日が、鬼が宿にこもって出てこない吉日とされる「鬼宿日(きしゅくにち)」にあたることから、この日に正月準備を始める習わしが全国的に定着し受け継がれてきたと言われています。
煤払いや、正月事始めについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
◆年末の大掃除と「煤払い(すすはらい)」〜起源や由来、込められた意味を解説します〜
仏名会(12月中旬ごろ)
仏名会(ぶつみょうえ)とは、過去・現在・未来の三世それぞれの千仏、合わせて三千仏の仏様の名前(名号/みょうごう)を称えながら礼拝を行い、その年の罪を懺悔し、罪が消えるように祈る法要です。
礼拝は、両膝、両肘、額を畳につけては立ち上がる、五体投地(ごたいとうち)という方法で、寺院によって違いはあるものの、3日間かけて3,000回の礼拝をするのが基本とされています。かなりの体力と精神力が必要な法要ですが、仏様や自分自身と向き合い、心身を整えて新年の準備をする行事として、寺院によっては毎年多くの参加者と共に行われています。
仏名会で行われる「五体投地」の礼拝については、こちらで詳しく解説しています。
◆ヨガでよく聞く五体投地(ごたいとうち)とは?仏教における最上級の礼拝方法を解説
クリスマス(12月25日)
クリスマスは、キリスト教の創始者とされるイエス・キリストの降誕を祝う祭典です。キリスト教徒が多い欧米諸国や東アジアの一部など、多くの国でクリスマスが祝日となっており、その文化は世界中に広がっています。
日本では、明治時代以降、デパートなどがクリスマスに関する商品を売り出したことをきっかけに広まったと言われており、現在では宗教を問わず、クリスマスプレゼントやクリスマスケーキでお祝いをしたり、クリスマスの飾り付けをして家族で楽しんだりするイベントとして定着しています。
また近年では、この時期に合わせたイルミネーションイベントも、各地で数多く開催され、こちらも冬の風物詩となっています。
大晦日(12月31日)
大晦日(おおみそか)とは、12月31日のことです。日本では古くから、1年を締めくくり新年に向かう日として大切にされ、様々な儀式が行われてきました。
各地の神社では、新年に向けて心身の汚れを払う「大晦日の大祓え(おおはらえ)」の行事が、各地の寺院では、古い年を除き去るとされる大晦日の夜に煩悩や苦しみを払う意味を込めて鐘を108回突く、「除夜の鐘」の儀式が行われます。
また各家庭においては、大祓えや除夜の鐘の行事に参加するほか、1年最後の清めの掃除をする、長寿や厄災を断ち切るなどの縁起物である「年越しそば」を食べる、清めの意味で「年の湯」と言われる今年最後のお風呂に入るなどの風習が受け継がれています。
除夜の鐘の意味などについては、こちらで詳しく解説しています。
◆除夜の鐘にはどんな意味がある?一般の人がつきに行けるお寺も紹介
12月の風習・風物詩
お歳暮
お歳暮(おせいぼ)とは、今年一年お世話になった人に対して、感謝の気持ちを込めて年末に渡す贈り物のことです。昔は、神様へのお供えを親戚や近所の人と分け合う習慣があり、これがお世話になった人に贈り物をするものに変化したと言われています。
贈る時期には地域によって違いがありますが、東日本では11月下旬から12月20日前後、西日本では12月13日から20日前後とされることが多いようです。
冬至(12月22日頃)
冬至(とうじ)は、二十四節気の一つで、一年のうち、昼の時間が最も短く、夜の時間が最も長い日にあたります。毎年12月22日ごろとされていますが、太陽の動きを元に決まることから、2025年から2027年は12月22日、2028年、2029年は12月21日となっています。
この日は、昔から栄養価が高いと言われてきたカボチャを食べたり、風邪予防や保湿によいとされる柚子をお風呂に入れた柚子湯に入ったりする風習があります。温泉や銭湯で、湯船にゆずが浮かんでいる風景も、この時期の風物詩となっています。
年賀状の準備
年賀状の準備も、年末の風物詩と言えるでしょう。12月中旬からクリスマスごろまでに投函すると、元旦に届けてもらうことができます。郵便局の、年賀状引き受けの時期を確認しておくと安心です。
一方で、喪中はがきを出すという方は、遅くとも12月の上旬には相手に届くようにするのが良いと言われていますので、早めに出すようにしましょう。
詳しい時期やマナーなどについて、詳しく解説している記事もございますので、合わせてお読みください。
◆喪中はがきはいつまでに出す?喪中はがきの意味やマナーを解説
12月のお墓参りにおすすめのタイミング
煤払い(正月事始め、事始め)に合わせてお墓も大掃除を
「煤払い」や「年末の大掃除」では、神様やご先祖様が祀られている神聖な場所から行うという習わしがあります。これは、古くからお正月が、年神様となったご先祖さまの霊を家にお迎えする行事とされていたためです。
ですから煤払いの時期である、12月13日の「正月事始め」や、地域により正月準備の「事始め」とされる12月8日の頃には、家だけでなくお墓の大掃除をするのもおすすめです。
冬至を控えた、寒さが本格的になる前の時期に行うという意味でも、良いタイミングと言えます。
丁寧にお墓掃除をし、一年間家族を見守ってくれたご先祖様や仏様に感謝を伝えることで、ご先祖さまの存在をより近くに感じながら、新年を迎えることができるでしょう。
成道会や仏名会に合わせて
お釈迦様が悟りを開いたことを祝う「成道会」や、1年の罪を懺悔し心身を清める「仏名会」に合わせてのお墓参りもおすすめです。
仏様とのご縁やその教えに感謝し手を合わせることで、改めて命のつながりを感じる機会になりますし、日々見守ってくれているご先祖様の存在を感じることで、背筋を伸ばして過ごそうと、新年に向けて気持ちを新たにするきっかけにもなるでしょう。
年末のお墓参りの注意点
➖12月29日と31日(大晦日)は避けるのが無難
年末は、お墓参りをするのに良い時期ではありますが、12月29日と31日(大晦日)に限っては、墓掃除やお墓参りを控えるのが無難です。29日は「にじゅうく(二重苦)」に聞こえること、31日の大晦日は、前夜に準備をすることがお通夜を連想させることから、どちらも縁起が良くないとする考え方があります。ですから、年末にお墓に足を運ぶ場合は、12月28日までか、30日とすると良いでしょう。
➖霊園が空いているか確認する
霊園によっては、年末年始期間を休業としている場合もあるため、事前に確認をしておくと安心です。
➖無理はせず、寒さや安全対策をしっかりする
12月は冷え込みが厳しくなり、地域によっては雪も積もりますので、無理なお参りをする必要はありません。また、お墓参りへ行く際には、寒さ対策を念入りに行い、足元に気をつけていきましょう。
◆お正月にお墓参りをしてもいい?年末年始のお墓参りの考え方や注意点をご紹介
まとめ
12月の季節の行事やイベント、風物詩について紹介してきました。12月は、クリスマスや新年に向けて気持ちが浮き立つとともに、年越しの準備で慌ただしさも感じる時期です。しかし一方で、ご先祖さまや神様、仏様に感謝し、心身を清め整えて新年の訪れに備える大切な節目の時期でもあり、そのための伝統ある行事や風習が現代まで脈々と受け継がれています。
これは日本において、季節の移り変わりの中に神仏やご先祖様とのつながり感じ、感謝を持って過ごすという文化が大切にされてきた証と言えるかもしれません
寒さが身に染みる時期ではありますが、今年の年の瀬は、こうした日本人の心を感じつつ、近くの寺社で行われる行事に参加したり、お墓参りをしてご先祖様に感謝を伝えたりしてみてはいかがでしょうか。
この季節のお墓参りや、冬におすすめの花についてまとめている記事もありますので、合わせてご覧ください。